平成30年−健保法問3−E「被扶養者」

  • 2019.02.22 Friday
  • 05:00

今回は、平成30年−健保法問3−E「被扶養者」です。

 


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被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある
ものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主として
被保険者により生計を維持されてきたものについて、その配偶者で届出を
していないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものが死亡した場合、引き
続きその被保険者と同一世帯に属し、主としてその被保険者によって生計を
維持される当該父母及び子は被扶養者に認定される。

 


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「被扶養者」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 23−1−D 】

 

被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
の父母及び子は、被保険者と同一世帯に属し、主としてその被保険者により
生計を維持されていれば被扶養者となるが、その配偶者が死亡した後は、引き
続きその被保険者と同一世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持
されている場合であっても被扶養者となることはできない。

 


【 9−6−E 】

 

届出はしていないが事実上の婚姻関係にある配偶者の子であって、同一世帯に
属していないが、被保険者により生計を維持されている者は被扶養者として
認められる。

 


【 21−7−A 】

 

被保険者の配偶者で届出はしていないが、事実上の婚姻関係と同様の事情に
ある者の子であって、同一世帯に属していないが、被保険者により生計を
維持している者は被扶養者として認められる。

 


【 1−3−E 】

 

被保険者の内縁の妻の祖父母で、被保険者と同居し、主として被保険者に
よって生計を維持している者は被扶養者となる。

 


【 29−2−C 】

 

被保険者と届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある配偶者の
兄で、被保険者とは別の世帯に属しているが、被保険者により生計を維持する
者は、被扶養者になることができる。

 


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「届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者」(内縁関係の
配偶者)の一定の親族が被扶養者となるか否かを論点にした問題です。

 

内縁関係の配偶者というのは、そもそも戸籍上のつながりはありません。
ただ、実態を考慮して保護の対象としています。

 

で、その親族についても、一定の範囲内であれば、保護の対象としますが・・・
「同一世帯に属していない」という状況だった場合、戸籍のつながりもなく、
一緒に生活もしていないという状況ですから、さすがに、そこまでは保護の
対象にはできません。
ですので、「生計維持」に加えて、「同一世帯に属している」ことが要件になります。

 

そこで、
【 30−3−E 】と【 23−1−D 】では、内縁関係の配偶者の死亡後について、
内縁関係の配偶者の父母及び子が被扶養者となるかを論点にしています。
被保険者、内縁関係の配偶者、さらに、その父母や子が一緒に生活をしていて、ある
とき、内縁関係の配偶者が亡くなった、だからといって、内縁関係の配偶者の父母や
子をいきなり被扶養者でなくしてしまうというのは、ちょっと酷い話です。
ですので、内縁関係の配偶者の死亡後でも、引き続いて「同一世帯に属し・・・生計
を維持されている」のであれば、被扶養者と認めます。
ってことで、【 30−3−E 】は正しく、
「被扶養者となることはできない」とある【 23−1−D 】は、誤りです。

 

【 9−6−E 】と【 21−7−A 】では、「同一世帯に属していない」とあって、
「被扶養者として認められる」としているので、誤りです。

 

それと、【 1−3−E 】ですが、
こちらは、「内縁の妻の祖父母」が被扶養者となるか否かが論点です。「被保険者と
同居し、主として被保険者によって生計を維持している」とありますが、さすがに、
内縁関係の配偶者の祖父母までは、被扶養者としては、認めません。
ですので、誤りです。

 

【 29−2−C 】では、「事実上婚姻関係と同様の事情にある配偶者の兄」を挙げて
いますが、やはり、同一世帯に属しているか否かにかかわらず、また、生計維持の
有無にかかわらず、被扶養者とはなりません。誤りです。

 


社会保険関係では、内縁関係の配偶者が保護の対象となっています。
この点を論点にするってこと、あります。
関係する規定、他にもあるので、その辺もあわせて確認をしておきましょう。

 

 

平成30年−健保法問3−A「公費負担医療との調整」

  • 2019.02.15 Friday
  • 05:00

今回は、平成30年−健保法問3−A「公費負担医療との調整」です。

 


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被保険者に係る所定の保険給付は、同一の傷病について、災害救助法の規定に
より、都道府県の負担で応急的な医療を受けたときは、その限度において行われ
ない。

 


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「公費負担医療との調整」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 25−5−A 】

 

災害救助法が発動され、負傷した70歳未満の被保険者に対して都道府県から
応急的な医療が行われた場合には、その費用の70%を健康保険が、25%を
都道府県が負担することとされており、5%が被保険者の負担となる。

 


【 20−7−B 】

 

結核患者である健康保険の被保険者が公費負担による通院医療を受ける場合、
原則として、その費用の70%を健康保険が、30%を都道府県が負担することと
されており、当該被保険者の負担はない。

 


【 12−7−D 】

 

災害救助法の指定地区で健康保険の被保険者が被災し医療を必要とするときは、
健康保険の療養の給付が優先し、災害救助法による救助は健康保険の給付の及ば
ないものに限られる。

 


【 17−5−E 】

 

災害救助法の規定により被災者の医療について公費負担が行われた時は、その
限度において健康保険の保険給付は行われない。

 


【 12−8−D 】

 

保険優先の公費負担医療と健康保険が併用された場合、健康保険の一部負担金
に相当する金額の範囲内で公費負担医療から支給される。

 


【 16−8−B 】

 

生活保護法による医療扶助と健康保険による保険給付が併用される場合は、
健康保険による保険給付が優先され、費用のうち健康保険による保険給付が
及ばない部分について、医療扶助の対象となる。

 


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「公費負担医療との調整」に関する問題です。

 

公費負担による医療や他制度に基づく医療が行われる場合、健康保険との間で
調整が行われます。
この調整は、一律に行われるのではなく、制度によって異なります。
それらについて、具体的な出題がいろいろと行われていますが、
健康保険の保険給付が優先するのはどのような場合なのか、
健康保険の保険給付より優先して行われるのはどのようなものなのか、
これを論点とすることがよくあります。

 

たとえば、災害救助法による医療は健康保険の保険給付より優先しますが、
生活保護や結核患者に対する公費負担は健康保険の保険給付が優先します。

 

そこで、【 25−5−A 】では、
「70%を健康保険が、25%を都道府県が負担することとされており、5%が
被保険者の負担」という割合を挙げています。
前述したように、災害救助法の規定により医療が行われる場合、健康保険より
優先します。で、被保険者に費用負担は生じません。
ですので、誤りです。
この負担割合は、【 20−7−B 】にある結核患者に係る公費負担医療の取扱い
との混同を狙ったものです。

 

ただ、【 20−7−B 】も誤りです。
一般に結核患者に対しては、都道府県が費用の100分の95を負担します。
ただし、この場合、保険優先の扱いとなるので、まず健康保険から100分の
70の負担をします。
そして、保険が適用されないとした場合の公費負担の100分の95と健康保険
適用分の100分の70との差(100分の25)が、実際の公費負担となります。
そこで、被保険者は、いずれからも負担がない部分である「費用の100分の5」
を負担することになります。

 


【 12−7−D 】と【 17−5−E 】、【 30−3−A 】も災害救助法に関しての
問題で、【 12−7−D 】は災害救助法より健康保険のほうが優先する内容なので
誤りで、【 17−5−E 】と【 30−3−A 】は正しいです。

 

【 12−8−D 】と【 16−8−B 】は、いずれも健康保険が優先される場合の
取扱いで、正しいです。

 

ということで、どちらが優先なのか、ちゃんと整理をしておきましょう。

 

平成30年−健保法問2−D「随時改定」

  • 2019.02.08 Friday
  • 05:00

今回は、平成30年−健保法問2−D「随時改定」です。

 


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標準報酬月額が1,330,000円(標準報酬月額等級第49級)である被保険者が、
現に使用されている事業所において、固定的賃金の変動により変動月以降継続
した3か月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、17日以上である
ものとする。)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が1,415,000円となった
場合、随時改定の要件に該当する。

 


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「随時改定」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 20−1−D[改題]】

 

月額50,000円であった被保険者の報酬が、当該被保険者の固定的賃金の引き
上げ以後、継続した3カ月間に受けた報酬の総額を3で除して得た額で月額
65,000円となった場合、標準報酬月額の随時改定が行われる。なお、当該
3カ月とも報酬支払いの基礎となった日数が17日(厚生労働省令で定める者
にあっては、11日)以上あるものとする。

 


【 21−4−C[改題]】

 

報酬月額が1,420,000円である者について、固定給が降給し、その報酬が支給
された月以後継続した3カ月間(各月とも報酬の支払基礎日数が17日(厚生
労働省令で定める者にあっては、11日)以上あるものとする)に受けた報酬を
3で除して得た額が、1,350,000円となり、標準報酬月額等級が第50級から第
49級となった場合は、随時改定を行うものとされている。

 


【 16−1−C[改題]】

 

報酬月額が142万円で第50級の標準報酬月額に該当する者が、降給により報酬
月額等級が第48級以下になった場合は随時改定の対象になるが、第49級になった
場合は随時改定の対象とはならない。

 


【 18−2−C[改題]】

 

第49級の標準報酬月額にある者の報酬月額が昇級し、その算定月額が1,415,000
円以上になった場合、2等級以上の差が生じたものとみなして随時改定が行われる。

 


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「随時改定」に関する問題です。

 

随時改定は、標準報酬月額が2等級以上変動した場合に行われます。
ただ、第1級や第50級に該当する場合、報酬に大幅な変動があっても、
等級としては、1等級しか変動しないという事態が生じてしまうってことが
あります。

 

そこで、例外的な規定が設けられています。
標準報酬月額が第1級である場合において、報酬月額が53,000円未満である者
が昇給したことにより、その算定月額が第2級の標準報酬月額(63,000円以上
73,000円未満)に該当することとなった場合には、実際は1等級の変動ですが、
実質的に2等級の変動に該当するものとして、随時改定の対象とされます。
53,000円未満については、もし、第1級より下の等級があったとしたら、その
等級に該当するって考えるんです。

 

ですから、第49級と第50級との間の変動も同じ考え方になります。
第49級の標準報酬月額にある者の報酬月額が昇給し、1,415,000円以上になった
場合や報酬月額が1,415,000円以上である者が降給して第49級に該当した場合
には、2等級以上変動があったとみなして、随時改定の対象とします。

 

ということで、【 16−1−C[改題]】は誤りで、その他の問題は正しいです。

 

ちなみに、このような問題の正誤をしっかりと判断するためには、
標準報酬月額の第1級が58,000円、第50級が1,390,000円という額以外に
53,000円と1,415,000円という額も覚えておく必要がありますよ。

 

 

平成30年−健保法問1−エ「健康保険組合の分割」

  • 2019.02.01 Friday
  • 05:00

今回は、平成30年−健保法問1−エ「健康保険組合の分割」です。

 


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健康保険組合は、分割しようとするときは、当該健康保険組合に係る適用事業所
に使用される被保険者の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可
を受けなければならない。

 


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「健康保険組合の分割」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 25−3−A 】

 

健康保険組合は、合併しようとするときは、組合会において組合会議員の定数
の3分の2以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければなら
ない。

 


【 17−1−B 】

 

健康保険組合は、合併しようとするときは、組合会において組合会議員の
定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなけ
ればならない。

 


【 20−8−A 】

 

健康保険組合は、分割しようとするときは、組合会において組合会議員の定数
の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければなら
ない。

 


【 13−3−C 】

 

健康保険組合が解散するときは、組合会において議員の定数の4分の3以上の
多数による議決があり、かつ、厚生労働大臣の認可を必要とする。

 


【 23−6−A 】

 

健康保険組合は、(1)組合会議員の定数の2分の1以上の組合会の議決、(2)
健康保険組合の事業の継続の不能、(3)厚生労働大臣による解散の命令、の
いずれかの理由により解散する。

 


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健康保険組合の合併・分割・解散に関する問題です。

 

健康保険組合が分割したり、合併したり、解散したりする場合の手続、たびたび
出題されています。

 

で、これらの規定が出題されるときの論点の多くは、「議決」に関するものです。

 

合併、分割の場合、どちらも、
「組合会において組合会議員の定数の4分の3以上の多数による議決」
が必要です。

【 25−3−A 】は、「3分の2以上」とあるので、誤りです。
【 17−1−B 】と【 20−8−A 】は正しいです。

 

次に、解散の場合ですが、任意に解散する場合、合併や分割をする場合と同様に、
「4分の3以上の多数の議決」が必要です。
ですので、【 13−3−C 】は、正しいです。
【 23−6−A 】では、「2分の1以上」としています。
誤りです。

【 25−3−A 】の「3分の2」もそうですが、
このような誤りの作り方・・・ありがちですね。

 


そこで、【 30−1−エ 】をみると、「4分の3以上」という点は正しいのですが、
何の4分の3なのかという箇所、「適用事業所に使用される被保険者」となって
います。
「適用事業所に使用される被保険者」ではなく、「組合会において組合会議員の
定数」ですから、誤りです。

割合ばかり気にしていると、このような箇所、間違えてしまうということがあり
得ます。

たとえば、「組合会議員の議決」という箇所を「組合員の同意」なんて言葉に置き
換えるということも考えられます。
ですので、割合だけではなく、この点も注意しておきます。

 

 

 

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