平成30年−労災法問5−A「休業(補償)給付の待期」

  • 2018.11.29 Thursday
  • 05:00

今回は、平成30年−労災法問5−A「休業(補償)給付の待期」です。

 


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休業補償給付は、業務上の傷病による療養のため労働できないために賃金を
受けない日の4日目から支給されるが、休業の初日から第3日目までの期間
は、事業主が労働基準法第76条に基づく休業補償を行わなければならない。

 


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「休業(補償)給付の待期」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 21−4−A 】

 

休業補償給付は、業務上の傷病による療養のため労働することができないために
賃金を受けない日の第4日目から支給されるが、それまでの3日間については、
労働基準法第76条により使用者が直接に休業補償を行わなければならない。

 


【 15−4−A 】

 

労働者が業務上の傷病による療養のため労働することができないために賃金を
受けない場合には、その第1日目から第3日目までは使用者が労働基準法第76条
の規定に基づく休業補償を行い、第4日目からは休業補償給付が支給される。

 


【 24−2−E 】

 

休業給付が支給されない休業の初日から第3日目までの待期期間について、
事業主は労働基準法に基づく休業補償の義務を負わない。

 


【 15−4−B 】

 

労働者が通勤による傷病に係る療養のため労働することができないために賃金
を受けない場合には、使用者による休業補償はないが、給付費用の一部負担金
に相当する額を減額した休業給付が第1日目から支給される。

 


【 8−2−C 】

 

労働基準法上使用者に補償義務が課されていない通勤による傷病に基づく
休業についても、休業給付は待期期間3日間を経過した第4日目から支給さ
れる。

 


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「休業(補償)給付の待期」に関する問題です。

 

休業補償給付、休業給付いずれについても支給開始は、「労働することができない
ために賃金を受けない日」の「4日目」からです。
基本中の基本です。
絶対に間違えてはいけない点です。

 

そこで、待期期間中ですが、
労働基準法の休業補償を行わなければならないのかどうかといえば、
業務災害の場合には、当然、使用者に補償の義務があります。
通勤災害については、通常、事業主に直接的な責任はありませんから、災害補償
を行う必要はありません。

 

【 30−5−A 】、【 21−4−A 】、【 15−4−A 】は、待期期間中は労働基準法
の規定に基づき休業補償が行われることを出題したものです。
いずれも、業務災害による「休業補償給付」ですから、そのとおり正しいです。

 

【 24−2−E 】、【 15−4−B 】、【 8−2−C 】は、「休業給付」とあるので、
通勤災害の場合です。

 

【 24−2−E 】は、待期期間中、「事業主は労働基準法に基づく休業補償の義務
を負わない」としているので、正しいです。

 

【 15−4−B 】ですが、「使用者による休業補償はない」という箇所は、その
とおりです。
ただ、だからといって、休業初日から休業給付が支給されるのかといえば、それ
はありませんよ。
もちろん誤りです。

休業補償は、労働基準法の問題であって、労災保険とは直接関係ありません。
ですので、労災保険制度内において休業補償給付と休業給付とで支給開始時期
に差をつけるなんてことはありません。
いずれも4日目から支給です。

ということで、【 8−2−C 】は正しいです。

 

「休業補償給付・休業給付の待期」、
それぞれで出題されれば、その間、使用者に休業補償の義務があるかどうか、
判断することは、難しくないので、間違えないかと思います。
ただ、労災保険法の問題、
「休業補償給付又は休業給付は・・・」というように、2つを並べて出題してくる
ってことがあります。
このような場合、どちらの扱いも考える必要があります。
問題文をしっかり読まず、「休業補償給付」だけのことなんて思い込んで、間違えて
しまわないよう、注意しましょう。

 

 

平成30年−労災法問2−B「介護補償給付」

  • 2018.11.22 Thursday
  • 05:00

今回は、平成30年−労災法問2−B「介護補償給付」です。

 


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介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者
が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる
障害であって厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を
要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を
受けている間、当該労働者に対し、その請求に基づいて行われるものであり、
病院又は診療所に入院している間も行われる。

 


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「介護補償給付」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 24−3−D 】

 

労働者が老人福祉法の規定による特別養護老人ホームに入所している間に
ついては、介護補償給付は支給されない。

 


【 18−3−D 】

 

介護補償給付は、傷病補償年金又は障害補償年金を受ける権利を有する労働者
が、当該傷病補償年金又は障害補償年金の支給事由となる障害であって厚生
労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、
かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(病院
その他一定の施設に入所している間を除く)、当該労働者に対し、その請求に
基づいて行われる。

 


【 10−4−D[改題]】

 

介護補償給付は、被災労働者が労災病院又は都道府県労働局長の指定する
病院に入院している場合であっても、そこに入院している間は支給されない。

 


【 9−2−A[改題]】

 

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の規定による
障害者支援施設に入所している間は介護補償給付は支給されないが、老人
福祉法の規定による特別養護老人ホームに入所している間は介護補償給付は
支給される。

 


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「介護補償給付が支給されない場合」に関する問題です。

 

介護補償給付は、所定の支給要件を満たす場合に支給されます。
ただ、そのような状態であっても、
● 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する
 障害者支援施設に入所している間(生活介護を受けている場合に限ります)
● 障害者支援施設(生活介護を行うものに限ります)に準ずる施設として厚生
 労働大臣が定めるもの(特別養護老人ホーム、原子爆弾被爆者特別養護ホーム
 等)に入所している間
● 病院又は診療所に入院している間
は、支給されません。

 

これらの施設に入所・入院していれば、十分な介護を受けることができます。
で、費用がかかるわけではありません。
介護補償給付は、介護費用を支給するものですから、費用がかからず、親族の
介護負担がかからず、介護を受けることができるのであれば、支給の必要性に
欠けます。
そのため、このような場合は支給されません。

 

【 24−3−D 】、【 18−3−D 】、【 10−4−D[改題]】は正しく、
「病院又は診療所に入院している間も行われる」とある【 30−2−B 】と
「特別養護老人ホームに入所している間は介護補償給付は支給される」とある
【 9−2−A[改題]】は誤りです。

 

そこで、【 18−3−D 】ですが、支給要件の中にカッコ書きで「病院その他一定
の施設に入所している間を除く」と入れています。
こういうようなカッコ書きって、しっかりと読まないなんてこと、ありがちです。
「除く」を「含む」と置き換えてあったりしても、見逃してしまうなんてこと。

ですので、このような出題があったときは、カッコ書き、注意しましょう。

 

 

平成30年−労災法問1−B「心理的負荷による精神障害の認定基準」

  • 2018.11.14 Wednesday
  • 05:00

今回は、平成30年−労災法問1−B「心理的負荷による精神障害の認定基準」
です。

 


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認定基準において、業務による強い心理的負荷とは、精神障害を発病した労働者
がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたかと
いう観点から評価されるものであるとされている。

 


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「心理的負荷による精神障害の認定基準」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 27−1−E 】

 

認定基準においては、うつ病エピソードを発病した労働者がセクシュアル
ハラスメントを受けていた場合の心理的負荷の程度の判断は、その労働者が
その出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたか
で判断される。

 


【 24−7−C 】

 

認定基準においては、「業務による強い心理的負荷」について、精神障害を発病
した労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け
止めたかではなく、職種、職場における立場や職責、年齢、経験等が類似する
同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価されるとしている。

 


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「心理的負荷による精神障害の認定基準」に関する問題です。

 

認定基準において「認定要件」の1つとして「対象疾病の発病前おおむね
6カ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること」を掲げています。

 

この「業務による強い心理的負荷」についてどのような観点から評価されるのか
といえば、
精神障害を発病した労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を
主観的にどう受け止めたかではなく、同種の労働者が一般的にどう受け止めるか
という観点から評価されるものである
としています。


認定するための基準ですから、個々の労働者の主観にしてしまうと、認定に統一性
が保たれず、結果として不公平な事態となるということも考えられるので、客観的
なものとする必要があります。


ですから、職種、職場における立場や職責、年齢、経験等が類似する者である
同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価するようにしています。

 

ということで、
「主観的にどう受け止めたか」とある【 30−1−B 】と【 27−1−E 】は誤りで、
【 24−7−C 】は正しいです。

 

「心理的負荷による精神障害の認定基準」は、今後、選択式での出題も考えられるので、
キーワードはしっかりと確認しておいたほうがよいでしょう。

 

 

平成30年−安衛法問8−C「派遣労働者に係る安全衛生教育」

  • 2018.11.08 Thursday
  • 05:00

今回は、平成30年−安衛法問8−C「派遣労働者に係る安全衛生教育」です。

 


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派遣労働者に対する労働安全衛生法第59条第1項の規定に基づく雇入れ時
の安全衛生教育は、派遣先事業者に実施義務が課せられており、派遣労働者
を就業させるに際して実施すべきものとされている。

 


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「派遣労働者に係る安全衛生教育」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 19−9−E 】

 

労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づくいわゆる作業内容変更時の安全
衛生教育の実施の義務は、派遣先事業者のみに課せられている。

 


【 17−8−A 】

 

労働者がその事業における派遣就業のために派遣されている派遣先の事業に
関しては、労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づく作業内容変更時の
安全衛生教育は派遣元事業主及び派遣先事業主が、同条第3項の特別の安全
衛生教育は派遣先事業主が、それぞれ行わなければならない。

 


【 27−9−C 】

 

派遣就業のために派遣され就業している労働者に対する労働安全衛生法第59条
第3項の規定に基づくいわゆる危険・有害業務に関する特別の教育の実施義務
については、当該労働者を派遣している派遣元の事業者及び当該労働者を受け
入れている派遣先の事業者の双方に課せられている。

 


【 27−9−B 】

 

派遣就業のために派遣される労働者に対する労働安全衛生法第59条第1項の
規定に基づくいわゆる雇入れ時の安全衛生教育の実施義務については、当該
労働者を受け入れている派遣先の事業者に課せられている。

 


【 19−9−D 】

 

労働安全衛生法第59条第1項の規定に基づくいわゆる雇入れ時の安全衛生教育
の実施の義務は、派遣先事業者及び派遣元事業者の双方に課せられている。

 


【 26−10−E 】

 

労働安全衛生法第59条第1項に規定するいわゆる雇入れ時の安全衛生教育は、
派遣労働者については、当該労働者が従事する「当該業務に関する安全又は
衛生のために必要な事項」(労働安全衛生規則第35条第1項第8号)も含めて、
派遣元の事業者がその実施義務を負っている。

 


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派遣労働者に係る安全衛生教育は、派遣元が行うのか、派遣先が行うのか、
それとも双方に義務があるのか、それが論点になっています。

 

作業内容変更時の安全衛生教育について、【 19−9−E 】では、派遣先のみ
としていて、【 17−8−A 】では双方となっています。
作業内容の変更は、派遣元においても、派遣先においても起こり得ます。
なので、作業内容変更時の教育については、派遣先も事業者とみなされます。
つまり、本来は派遣元がすべきだけど、派遣先にも同じ義務が発生するという
ことになり、派遣元事業者及び派遣先事業者の双方に実施義務が課せられます。
ですので、
【 19−9−E 】:誤り
【 17−8−A 】:正しい
です。

 

【 17−8−A 】では、
特別の安全衛生教育についても論点にしていますが、一定の危険有害業務に
関する教育、これは実際に就業する場所でのことになるので、派遣先事業主
に義務が課されています。

 

で、【 27−9−C 】は、その特別の安全衛生教育について、
「派遣元の事業者及び当該労働者を受け入れている派遣先の事業者の双方に
課せられている」
としています。派遣元の事業者には、実施義務はないので、誤りです。

 


【 30−8−C 】【 27−9−B 】【 19−9−D 】【 26−10−E 】は、
雇入れ時の安全衛生教育に関する問題です。
雇入れ時の安全衛生教育は、必要最小限の基本的なことを教育するものなので、
派遣前に行われるべきものです。
そのため、雇入れ時の安全衛生教育の実施の義務は、派遣元事業者に課せられ
ています。派遣先には実施義務はありません。
ということで、【 26−10−E 】は正しく、【 30−8−C 】、【 27−9−B 】、
【 19−9−D 】は誤りです。

 

それぞれの教育について、どちらに義務があるのか、双方に義務があるのか、
これらは整理しておきましょう。

 

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