平成29年−徴収法〔労災〕問9−E「暫定任意適用事業の保険関係の消滅」
- 2018.02.23 Friday
- 05:00
今回は、平成29年−徴収法〔労災〕問9−E「暫定任意適用事業の保険関係の消滅」
です。
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労働保険の保険関係が成立している暫定任意適用事業の事業主は、その保険関係
の消滅の申請を行うことができるが、労災保険暫定任意適用事業と雇用保険暫定
任意適用事業で、その申請要件に違いはない。
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「暫定任意適用事業の保険関係の消滅」に関する問題です。
次の問題をみてください。
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【 23−労災9−A 】
雇用保険暫定任意適用事業の事業主は、当該事業に係る保険関係を消滅させよう
とする場合、当該事業の保険関係が成立した後1年を経過していることに加え、
当該事業の労働者の過半数の同意があれば、保険関係の消滅の申請をして所轄
都道府県労働局長の認可を受けた上で、当該事業に係る保険関係を消滅させる
ことができる。
【 7−労災8−E 】
雇用保険の暫定任意適用事業の保険関係の消滅の申請は、その事業に使用される
労働者の過半数の同意を得たときに、これを行うことができる。
【 21−労災9−B 】
厚生労働大臣の認可を受けて労災保険に係る保険関係が成立した後1年を経過
していない労災保険暫定任意適用事業の事業主は、当該保険関係の消滅の申請
を行うことができない。
【 11−雇保8−E 】
労災保険暫定任意適用事業の事業主がその申請により労働者災害補償保険に加入
している場合において、当該事業主が保険関係の消滅の申請をするには、当該
保険関係が成立した後1年を経過していることを要する。
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暫定任意適用事業の保険関係については、任意に消滅させることができます。
その場合、「労災保険」と「雇用保険」では要件が異なっています。
労災保険暫定任意適用事業の保険関係を任意に消滅させるには、
1)当該事業に使用される労働者の過半数の同意を得ること
2)保険関係成立後、1年を経過していること
3)特例による保険給付が行われることとなった労働者に係る事業にあっては、
特別保険料の徴収に係る期間を経過していること
という要件を満たす必要があります。これに対して、雇用保険暫定任意適用事業の
保険関係を任意に消滅させるには、当該事業に使用される労働者の4分の3以上の
同意を得ることが要件になります。
とうことで、「申請要件に違いはない」とある【 29−労災9−E 】は、誤りです。
【 23−労災9−A 】は、「雇用保険暫定任意適用事業」に関する問題です。
で、「保険関係が成立した後1年を経過していること」「労働者の過半数の同意」
という要件を挙げていますが、これは、労災保険の要件ですよね。
ですので、誤りです。
【 7−労災8−C 】も、「過半数の同意」とあるので、誤りです。
【 21−労災9−B 】と【 11−雇保8−E 】は、労災保険暫定任意適用事業について、
「保険関係が成立した後1年を経過」としているので、正しいです。
この要件の違い、狙われやすいところですから、比較して押さえておきましょう。
ちなみに、農林水産業って、季節によって、業務災害が生じやすいってことあり
ます。そうすると、そのような時期だけ加入しようなんてことを考える事業主も
いるでしょう。
それは・・・ちょっと、ずるいですよね。
ですので、「労災保険」では、いったん加入したら、1年を通じて加入した後で
なければ、辞められないようにしています。
雇用保険の場合には、そのような問題はありませんから、保険関係を消滅させる
ための要件に、このような要件はありません。