平成28年−厚年法問8−A「退職時改定」

  • 2017.07.28 Friday
  • 05:00

今回は、平成28年−厚年法問8−A「退職時改定」です。

 


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在職老齢年金の受給者が平成28年1月31日付けで退職し同年2月1日に被保険者
資格を喪失し、かつ被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から
起算して1カ月を経過した場合、当該被保険者資格を喪失した月前における被保険者
であった期間も老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、平成28年3月から
年金額が改定される。

 


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「退職時改定」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 14−5−C 】

 

被保険者である受給権者が被保険者の資格を喪失し、そのまま3月を経過した
ときは、喪失した月までの全ての被保険者期間を年金額の計算の基礎として
計算し、3月を経過した日の属する月から年金額が改定される。

 


【 16−4−A[改題]】

 

特別支給の老齢厚生年金の受給権者である被保険者が、被保険者の資格を喪失
したまま1月を経過したときは、喪失した日までのすべての被保険者期間を
年金額の計算の基礎として計算し、当該資格を喪失した日(資格喪失事由の
うち死亡したとき又は70歳に達したとき以外の事由のいずれかに該当するに
至った日にあっては、その日)から1月を経過した日の属する月から年金額が
改定される。

 


【 20−10−D[改題]】

 

被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者と
なることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1月を経過した
ときは、その資格を喪失した日(資格喪失事由のうち死亡したとき又は70歳
に達したとき以外の事由のいずれかに該当するに至った日にあっては、その日)
から起算して1月を経過した日の属する月から、年金額が改定される。

 


【 23−9−B 】

 

60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金を受給している被保険者が、その被保険者
の資格を喪失し、かつ被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日
から起算して1カ月を経過したときは、その被保険者の資格を喪失した月前に
おける被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、
資格を喪失した日の属する月から年金の額を改定する。

 


【 26−6−A 】

 

63歳の在職老齢年金を受給している者が適用事業所を退職し、9月1日に被保険
者資格を喪失した場合、同年9月15日に再び別の適用事業所に採用されて被保険
者となったときは、資格を喪失した月前における被保険者であった期間に基づく
老齢厚生年金の年金額の改定が、同年10月分から行われる。

 


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「退職時改定」に関する問題です。

 

年金額の改定のタイミング、いろいろな規定から出題されますが、これらは、
退職時改定に関するものです。

 

老齢厚生年金の額については、まず、
「受給権者がその権利を取得した月以後における被保険者であった期間は、
その計算の基礎としない」
としています。


ただ、その後、被保険者期間を有することがあるので、その期間をいつ年金額に
反映させるのかといえば、退職時改定によることになります。

 

その退職時改定ですが、
たとえば、被保険者資格を喪失し、喪失した月に再取得ということですと、
被保険者期間としては1月の間もなく継続してしまい、切れ目がないので、
行われません。
被保険者期間が途切れたということが明らかになるタイミングで行います。

 

ですので、資格を喪失して1カ月以上被保険者となることがなければ、被保険者
期間とならない月が少なくとも1月は発生します。
このタイミングで改定が行われます。
つまり、「被保険者の資格を喪失し、かつ被保険者となることなくして被保険者
の資格を喪失した日から起算して1カ月を経過したとき」に行われます。

 

そして、年金額の改定は、
70歳に達したことによる資格喪失であれば、資格喪失日
退職等による資格喪失であれば、退職等の日
から起算して「1カ月を経過した日の属する月」から行われます。

 

ということで、「3月を経過した日の属する月から」としている【 14−5−C 】は、
明らかに誤りです。

 

【 16−4−A[改題]】と【 20−10−D[改題]】は、正しいです。

 

【 23−9−B 】では、「資格を喪失した日の属する月から」としています。
そうではありませんよね。「資格を喪失した日(「死亡」又は「70歳到達」
以外の資格喪失事由のいずれかに該当するに至った日にあっては、その日)
から起算して1カ月を経過した日の属する月から」なので、誤りです。

 

【 26−9−A 】は、事例として出題したものですが、被保険者資格の喪失が
9月1日、別の適用事業所での被保険者資格の取得が同年9月15日と、同月に
喪失と取得が起きています。
このようなときは、その月は、被保険者期間として算入されるため、退職時
改定は行われないので、誤りです。

 

【 28−8−A 】も、事例として出題したもので、1月31日に退職であれば、
退職日から起算して1カ月を経過した日の属する月から、年金額の改定が
行われるので、「3月」ではなく、「2月」から改定が行われます。
「資格喪失日から1カ月が経過した日の属する月から」と思わせようとした
のでしょうが、退職の場合は、そうではありませんので。

 

年金額の改定については、
「その月から」というものと、「その翌月から」というものがあります。
ここは、論点にされやすいので、しっかりと確認をしておきましょう。

 

 

 

平成28年−厚年法問6−E「所在不明による支給停止」

  • 2017.07.21 Friday
  • 05:00

今回は、平成28年−厚年法問6−E「所在不明による支給停止」です。

 


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配偶者以外の者に対する遺族厚生年金の受給権者が2人いる場合において、その
うちの1人の所在が1年以上明らかでない場合は、所在が不明である者に対する
遺族厚生年金は、他の受給権者の申請により、その申請のあった日の属する月の
翌月から、その支給が停止される。

 


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「所在不明による支給停止」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 22−国年10−C[改題]】

 

遺族基礎年金の受給権者である配偶者の所在が1年以上明らかでないときは、
遺族基礎年金の受給権を有する子の申請によって、申請した日の属する月の
翌月から、その支給が停止される。

 


【 63−国年5−B[改題]】

 

配偶者に対する遺族基礎年金は、その者の所在が1年以上明らかでないときは、
遺族基礎年金の受給権を有する子の申請によって、その申請月からその支給を
停止する。

 


【 9−厚年2−E[改題]】

 

配偶者及び子が受給権を有する遺族厚生年金は、配偶者が受給する間は、子に
対する支給は停止となるが、配偶者の所在が1年間不明であった場合、子による
申請後の支給分からは子に対して支払われる。

 


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遺族基礎年金・遺族厚生年金の「所在不明による支給停止」に関する問題です。

 

遺族基礎年金や遺族厚生年金の支給を受けることができる遺族が、もし所在不明
となってしまったら、その遺族に年金を支給することができません。

ただ、他に受給権者である遺族がいるのであれば、その遺族に支給することはでき
ます。
そこで、遺族が所在不明となった場合には、他の受給権者である遺族の申請により、
所在不明となった遺族への年金の支給を停止して、他の遺族に、その年金を支給し
ます。
そして、このような場合、いつから、所在不明の遺族への支給を停止するのかと
いえば、所在が明らかでなくなった時にさかのぼって、支給を停止します。
申請をした時点では、すでに所在が不明になっているのですから、その時点では
なく、所在不明となった時点までさかのぼります。

 

ということで、
「申請のあった日の属する月の翌月から」としている【 28−厚年6−E 】
「申請した日の属する月の翌月から」としている【 22−国年10−C[改題]】
「その申請月から」としている【 63−国年5−B[改題]】
「申請後の支給分から」としている【 9−厚年2−E[改題]】
いずれも、誤りです。

 

この規定は、
遺族基礎年金、遺族厚生年金どちらからも出題があり得ますから、
あわせて押さえておきましょう。

 

 

平成28年−厚年法問6−B「保険料負担と納付義務」

  • 2017.07.07 Friday
  • 05:00

今回は、平成28年−厚年法問6−B「保険料負担と納付義務」です。

 


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第1号厚生年金被保険者が同時に2以上の適用事業所(船舶を除く)に使用
される場合における各事業主の負担すべき標準報酬月額に係る保険料の額は、
各事業所について算定した報酬月額を当該被保険者の報酬月額で除し、それ
により得た数を当該被保険者の保険料の半額に乗じた額とする。

 


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「保険料負担と納付義務」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 10−2−A 】

 

同時に二以上の事業所に使用される被保険者の保険料は、それぞれの事業所
から受ける報酬により保険料額を算定し、合算した額を主たる事業所において
徴収する。

 


【 27−6−A[改題]】

 

第1号厚生年金被保険者が同時にいずれも適用事業所である船舶甲及び事業所乙
に使用される場合、当該被保険者を使用する甲及び乙が負担すべき標準賞与額に
係る保険料の額は、甲及び乙がその月に支払った賞与額をその月に当該被保険者
が受けた賞与額で除して得た数を当該被保険者の保険料の半額に乗じて得た額
とし、甲及び乙がそれぞれ納付する義務を負う。

 


【 19−7−C[改題]】

 

第1号厚生年金被保険者が同時に2以上の適用事業所に使用される場合において、
2以上の事業所のうち一つが船舶であるときは、船舶所有者が当該被保険者に
係る保険料の半額を負担しかつ当該保険料及び当該被保険者の負担する保険料
を納付する義務を負い、船舶以外の事業主は保険料を負担せず、納付義務も生じ
ない。

 


【 17−2−D[改題]】

 

第1号厚生年金被保険者が同時に二以上の適用事業所に使用される場合において、
一が船舶で他が船舶以外の事業所のときは、当該被保険者に係る保険料の半額を
負担し納付する義務を負うのは船舶の所有者であり、他の事業所は保険料の負担
及び納付義務を負わなくて良い。

 


【 12−8−D[改題]】

 

第1号厚生年金被保険者が厚生年金保険法第6条第1項第3号に規定する船舶に
使用され、かつ同時に船舶以外の事業所に使用されている場合には、船舶所有者
以外の事業主は保険料納付義務を負わず、船舶所有者が当該被保険者と当該保険
料を折半して納付する義務を負う。

 


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第1号厚生年金被保険者が2以上の適用事業所に使用される場合、保険料の負担
や納付はどのように行うのかというのが論点の問題です。

 

もし、どこか特定の事業主に負担させるということですと、それは、不公平に
なってしまいます。
そのため、公平な負担という観点から、按分して負担をするようにしています。
つまり、各事業主の負担すべき標準報酬月額に係る保険料の額は、事業主負担
である2分の1の額を各事業所において定時決定等により算定した額で按分した
額となります。

 

ですので、「合算した額を主たる事業所において徴収する」とある【 10−2−A 】
は誤りで、【 28−6−B 】は正しいです。

 

単に、2以上の適用事業所に使用される場合は、このように、各事業所ごとに、
定時決定などにより算定された額に基づき按分した負担となるのですが、一方が
船舶の場合、扱いが異なります。

 

船舶所有者以外の事業主は、負担も納付義務も負いません。


ですので、【 27−6−A[改題]】は誤りで、後の3問は正しい内容です。

 

単純に考えて、船舶に使用される被保険者は、第3種被保険者です。
一般の事業所に使用される被保険者と保険料率が異なります。
さらに、船員たる被保険者の標準報酬月額の決定及び改定については、船員保険法
の規定の例によることとなっています。


ですので、それぞれが、負担したり、納付したりすると、ややこしいことが起きて
しまいます。
保険料の計算だけでなく、その月は、第3種被保険者としての被保険者期間?
それとも、それ以外?なんてことも。

 

ということで、船舶と船舶以外の事業所に使用される場合は、船舶のほうだけで、
保険料の負担・納付をすることにしています。

 

 

 

 

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