平成28年−国年法問3−B「遺族基礎年金の失権」

  • 2017.04.28 Friday
  • 05:00

今回は、平成28年−国年法問3−B「遺族基礎年金の失権」です。

 


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被保険者、配偶者及び当該夫婦の実子が1人いる世帯で、被保険者が死亡し
配偶者及び子に遺族基礎年金の受給権が発生した場合、その子が直系血族又は
直系姻族の養子となったときには、子の有する遺族基礎年金の受給権は消滅
しないが、配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は消滅する。

 


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「遺族基礎年金の失権」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 20−10−E[改題]】

 

遺族基礎年金の失権事由のうち配偶者と子に共通するものは、受給権者が、
死亡したとき、婚姻をしたとき、及び直系血族又は直系姻族以外の養子
になったときである。

 


【 7−3−C 】

 

遺族基礎年金の受給権は、受給権者が祖父の養子となった場合には、消滅
する。

 


【 16−3−C 】

 

夫の死亡により遺族基礎年金の受給権者となった妻が、夫の父と養子縁組を
した場合、当該遺族基礎年金の受給権は消滅しない。

 


【 15−2−A[改題]】

 

遺族基礎年金の受給権を有する配偶者とその子のうち、すべての子が直系
血族又は直系姻族の養子になった場合、配偶者と子の受給権は消滅する。

 


【 19−3−B[改題]】

 

配偶者に支給する遺族基礎年金は、加算事由に該当する子が1人のときは、
その子が配偶者以外の養子となったときに消滅するが、その子が直系血族
又は直系姻族の養子になったときは、この限りではない。

 


【 24−4−C[改題]】

 

配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は、加算対象となっている子の
すべてが直系血族又は直系姻族以外の者の養子となった場合には消滅
するが、当該子のすべてが直系血族又は直系姻族の養子となった場合
には消滅しない。

 


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「遺族基礎年金の失権事由」に関する問題です。

 

失権事由は、配偶者に限るものや子に限るもの、共通のものとありますが、
【 20−10−E[改題]】では、共通のものについて出題しています。

遺族基礎年金の配偶者と子に共通する失権事由は、
1) 死亡したとき
2) 婚姻をしたとき
3) 直系血族又は直系姻族以外の養子になったとき
の3つです。

ですので、【 20−10−E[改題]】は、正しいです。

 

そこで、そのほかの問題ですが、いずれも養子となった場合の具体的な取扱い
です。


【 7−3−C 】では、「祖父の養子となった⇒失権」としています。
祖父は直系血族ですから、失権事由に該当しません。誤りです。

 

【 16−3−C 】は「夫の父と養子縁組⇒失権しない」としています。
夫の父は直系姻族になりますから、この場合は、失権しません。
ということで、【 16−3−C 】は正しいですね。

 

【 15−2−A[改題]】は、
「すべての子が直系血族又は直系姻族の養子になった⇒配偶者と子は失権」
としています。この場合、配偶者は子のない配偶者となってしまうことがあり、
そうであれば、配偶者は失権します。
では、子は、といえば、直系血族又は直系姻族の養子ですから、失権しませんね。
にもかかわらず、この問題では、配偶者も子も、いずれも失権としているので、
誤りです。

 

【 28−3−B 】も同じですね。
 受給権者が配偶者と子1人である場合に、その子が直系血族又は直系姻族の養子
となったときは、その子は失権事由には該当しないので、子自身の受給権は消滅
しませんが、配偶者は「子のある配偶者」ではなくなるため、その受給権は消滅
します。
ということで、正しいです。

 

【 19−3−B[改題]】と【 24−2−C[改題]】も同じといえますね。
「子が直系血族又は直系姻族の養子になった」ということは、子が配偶者以外
の者の養子となったことが含まれるので、もし、配偶者以外の者の養子なら、
配偶者について、他に子がいないのであれば、配偶者は子のない配偶者になった
ことになります。
そのため、失権します。
それぞれの問題文では、「この限りではない」「消滅しない」としているので、
誤りです。

 

ちなみに、配偶者は、「子のある配偶者」の場合に、遺族基礎年金の受給権者と
なります。子がいると、子の世話などがあり、思うように働けない、子がいない
のであれば、自ら働いて収入を得られるでしょというところです。

そこで、子が養子となったときですが、「配偶者の養子」となったのであれば、
配偶者は「子のある配偶者」の状態ですから、失権しません。
これに対して「配偶者以外の者の養子となった」ということであれば、直系血族
又は直系姻族以外の者の養子であろうが、直系血族又は直系姻族の養子であろうが、
配偶者は、「子のない配偶者」となります。
ですので、配偶者は失権することになります。

 

子や配偶者が養子となった場合の取扱い、
いろいろなパターンで出題されてくるので、
考え方を、きちんと理解しておきましょう。

 

 

 

平成28年−国年法問3−A「遺族基礎年金に係る遺族」

  • 2017.04.21 Friday
  • 05:00

 

今回は、平成28年−国年法問3−A「遺族基礎年金に係る遺族」です。

 


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被保険者である妻が死亡した場合について、死亡した日が平成26年4月1日以後
であれば、一定の要件を満たす子のある夫にも遺族基礎年金が支給される。なお、
妻は遺族基礎年金の保険料納付要件を満たしているものとする。

 


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「遺族基礎年金に係る遺族」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 19−7−C 】

 

遺族基礎年金を受けることができる遺族には、婚姻の届出をしていない妻も
含まれるが、夫については婚姻の届出をしている者のみが含まれる。

 


【 9−8−C 】

 

遺族基礎年金を受けることができる遺族には、婚姻の届出をしていないが
事実上婚姻関係と同様の事情にある妻又は夫も含まれる。

 


【 11−3−D 】

 

遺族基礎年金を受けることができる遺族には、婚姻の届出をしていないが
事実上婚姻関係と同様の事情にある妻又は夫も含まれる。

 


【 14−3−A 】

 

遺族基礎年金は、死亡した被保険者の配偶者で一定の子を有する者に支給
される。

 


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「遺族基礎年金に係る遺族」に関する問題です。

 

遺族基礎年金を受けることができる遺族は、【 28−3−A 】以外の問題の
出題当時、「子のある妻」か「子」でした。
そのため、「夫」が遺族に含まれる内容であった場合、誤りでした。
ただ、【 28−3−A 】にあるように平成26年4月1日以後は、
「夫」も遺族となり得ます。


ですので、【 28−3−A 】は正しく、
【 9−8−C 】、【 11−3−D 】、【 14−3−A 】は、出題当時は誤りで、
現在の規定では正しくなります。

 

そこで、【 19−7−C 】ですが、
「夫については婚姻の届出をしている者のみが含まれる」としています。
いわゆる内縁関係にある者の扱いは、妻でも、夫でも変わりません。
つまり、内縁関係の夫も含まれます。
ということで、誤りです。

 

夫と妻について、要件が異なるようにして出題する、
たとえば、夫には年齢要件があるようにして出題し、誤りを誘うなんてことも
あるかもしれません。


夫、妻いずれについても年齢要件はありません。

 

夫と妻、何か違うような内容で出題されたら、注意しましょう。

 

 

 

学生納付特例

  • 2017.04.14 Friday
  • 05:00

今回は、平成28年−国年法問1−エ「学生納付特例」です。

 


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前年の所得(1月から3月までの月分の保険料については、前々年の所得。以下
本問において同じ。)がその者の扶養親族等の有無及び数に応じ一定額以下の学生
である第1号被保険者については、その者の世帯主又は配偶者の前年の所得にかか
わらず、国民年金法第90条の3の規定による学生納付特例の適用を受けることが
できる。

 


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「学生納付特例」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 21−10−A 】

 

第1号被保険者であって学生等である被保険者は、前年に所得がないときで
あっても、その者の親元の世帯に国民年金保険料を納付するについて著しい
困難があると認められないときは、国民年金保険料の納付を要しないものとは
ならない。

 


【 10−6−D[改題 】

 

親元の世帯と別居している学生である被保険者が、保険料免除の申請を行った
ときは、学生被保険者本人のみの所得状況により、保険料免除の適否を判断
することとされている。

 


【 11−10−C 】

 

学生たる被保険者の保険料の免除については、当該学生の本人の所得によって
のみ、認定する。

 


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保険料免除には所得要件があります。


通常の申請免除の場合、本人だけでなく、世帯主などの状況も含めて判断します。
たとえば、
自営業者であれば、世帯主だけが収入を得て、その収入で家族も生活をしている
ということがあります。
そのような場合、その家族の1人が第1号被保険者であって、収入が少ないとき
でも、世帯主が保険料を納付することが可能ということがあります。

 

それに対して、学生等である場合には、そのようなことも考えられますが、
● 通常は無収入と想定される学生について、保険料の拠出を求める結果、親に
 保険料拠出を頼る事態を招く
● 子どもの老後のために親が保険料を支払うことは、世代間扶養を基本理念と
 する公的年金制度の趣旨にそぐわない
● 学費や生活費の仕送りに加えて親に保険料を納付させることは、親の負担を
 大きくしてしまう
といえます。


現実に、学生等本人は所得がなく、保険料を親が納付している例が多いという
状況があったことから、この親の負担を解消し、本人が社会人になってから納付
することができるよう対策を講じたのが学生納付特例制度です。

 

ということで、
学生納付特例に係る所得要件は、学生等である被保険者本人の所得状況のみで行い、
世帯主や配偶者に所得があっても影響を及ぼさないようにしています。

ですので、
【 21−10−A 】は、親元の世帯の所得状況も考慮する内容となっているため、
誤りで、そのほかの問題は正しいです。

 

ちなみに、学生納付特例の制度は、平成12年から導入されたもので、
【 10−6−D[改題]】と【 11−10−C 】は、学生納付特例制度が設けられる前の
出題(申請免除としての出題)だったので、出題時は、親元の所得状況を勘案して
保険料免除を決定していたため、誤りでした。

 

 

平成28年−国年法問1−イ「追納」

  • 2017.04.07 Friday
  • 05:00

今回は、平成28年−国年法問1−イ「追納」です。

 


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第1号被保険者が平成25年3月分の保険料の全額免除を受け、これを平成28年
4月に追納するときには、追納すべき額に国民年金法第94条第3項の規定による
加算は行われない。

 


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「追納」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 22−1−C 】

 

免除月の属する年度の4月1日から起算して3年以上経過後の年度に免除月に
係る保険料を追納する場合の保険料の額は、当該免除月に係る保険料額にそれ
ぞれ経過年数に対応する追納加算率を乗じて得た額を加算した額とされる。

 


【 19−4−A 】

 

保険料の追納すべき額は、免除を受けた月(以下、「免除月」という)の属する
年度の4月1日から起算して3年を経過した日以後に追納する場合は、免除月
が3月であって当該免除月の属する年の翌々年の4月に追納する場合を除き、
当時の保険料額に政令で定める額を加算した額とする。

 


【 18−9−E 】

 

免除月の属する年度の4月1日から起算して2年以上経過後の年度に免除月
に係る保険料を追納する場合の保険料の額は、当該免除月に係る保険料額に
それぞれ経過年数に対応する追納加算率を乗じて得た額を加算した額とされ
ている。

 


【 18−5−C 】

 

保険料を追納する場合、追納すべき額は、当該追納に係る期間の各月の保険料
の額に政令で定める額を加算した額となるが、免除を受けた月の属する年度の
翌々年度(免除の月が3月のときは、翌々年の4月)以内ならば加算されない。

 


【 8−記述 】

 

追納すべき額は、追納に係る期間の各月の保険料の額に( B )で定める額
を加算した額で行うこととされており、その加算額は、免除月の属する年度の
4月1日から起算して( C )を経過した日以後に追納する場合においては、
当該免除月に係る保険料額にそれぞれ経過年度に対応する率を乗じて得た額と
なる。

 


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免除された保険料を追納する場合、保険料の額に一定の加算が行われる場合が
あります。
免除されてから、一定期間内に追納すれば、加算はありません。
しかし、ある程度の期間が経過した後に追納する場合は、加算が行われます。
この期間を論点にした問題です。

 

【 22−1−C 】では、
免除月の属する年度の4月1日から起算して3年以上経過後の年度に追納する場合

 

【 19−4−A 】では、
免除月の属する年度の4月1日から起算して3年を経過した日以後に追納する場合

 

【 18−9−E 】では、
免除月の属する年度の4月1日から起算して2年以上経過後の年度に免除月に
係る保険料を追納する場合

 

に加算があるとしていて、「3年」と「2年」というところが異なっています。

 

たとえば、平成25年度に保険料を免除された期間があったとします。
【 22−1−C 】と【 19−4−A 】の場合、平成25年4月1日から起算して
3年を経過した日以後とあるので、平成28年度以降に追納する場合、加算がある
ということになります。

【 18−9−E 】の場合は、平成27年度以降に追納する場合、加算があるという
ことになります。

 

通常、保険料は保険料徴収権が時効になるまでの間であれば、特に、その額に加算
されることなく納付することができます。
時効は2年ですね。
ですので、免除された保険料も考え方は同じです。
年度単位で考えますが、免除を受けた月の属する年度の翌年度からの2年度以内に
追納するのであれば、加算はありません。
つまり、免除月の属する年度の4月1日から起算して3年を経過した日以後に追納
する場合に加算が行われます。

 

【 22−1−C 】と【 19−4−A 】は正しく、
【 18−9−E 】は誤りです。

 

【 18−5−C 】では、
免除を受けた月の属する年度の翌々年度(免除の月が3月のときは、翌々年の4月)
以内ならば加算されないとしています。
「翌々年度以内」というのは、免除を受けた月の属する年度の翌年度からの2年度
以内ということなので、加算されません。

そこで、「免除の月が3月のときは、翌々年の4月」という部分ですが、
これは、3月分の保険料の納期限が4月末ということから、例外的な扱いにしていて、
免除月が3月であれば、翌々年度以内でなくとも、翌々年の4月までであれば、
加算は行われないようにしています。
ということで、正しいです。

 

【 28−1−イ 】は、具体的な年月日を挙げて出題したものですが、
免除を受けた月が「3月」となっています。
前述のとおり、免除月が3月のときは、翌々年の4月までに追納する場合には、
加算は行われません。
つまり、免除月が3月であれば、翌々年度以内でなくとも加算が行われないことが
あるということで、この点を狙った出題ですが、【 28−1−イ 】では、
保険料免除を受けたのが平成25年3月なので、その翌々年の4月である「平成27年
4月」までに追納する場合には加算額の加算は行われません。
平成28年4月だと、そこからさらに1年後になるので、追納するときは、加算が
行われるため、誤りです。

 

【 8−記述 】の答えは、
B:政令
C:3年
です。

 

翌々年度以内とか、3年を経過とか、
いろいろな言い回しで出題されてきますので、文章に誤魔化されないように。

 

 

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