平成27年−厚年法問8−C「受給権の保護及び公課の禁止」

  • 2016.07.28 Thursday
  • 05:00

今回は、平成27年−厚年法問8−C「受給権の保護及び公課の禁止」です。

 


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障害厚生年金を受ける権利は、譲り渡し、又は差し押えることはできず、
また、障害厚生年金として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の
公課を課すこともできない。

 


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「受給権の保護及び公課の禁止」に関する問題です。

次の問題をみてください。

 


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【 18−4−C 】

 

障害手当金として保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は
差し押さえることはできず、かつ当該給付として支給を受けた金銭を標準
として租税その他の公課を課すこともできない。

 


【 24−2−B 】

 

保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることが
できないので、老齢厚生年金及び脱退一時金を受ける権利は国税滞納処分
(その例による処分を含む)によって差し押さえることができない。

 


【 14−3−D 】

 

老齢厚生年金として支給を受けた金銭について、これを標準として租税
その他の公課を課すことはできないが、国税滞納処分により差し押さえる
ことはできる。

 


【 12−3−B 】

 

保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえること
はできない。ただし、年金たる保険給付を別に法律で定めるところにより
担保に供する場合、老齢厚生年金の給付を受ける権利を、国税滞納処分
(その例による処分を含む)により差し押さえる場合はこの限りではない。

 


【 10−10−B 】

 

障害厚生年金と遺族厚生年金の保険給付として支給された金銭については、
租税その他の公課を課することができない。

 


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「受給権の保護及び公課の禁止」に関する問題です。

基本的な内容ですし、難しい規定ではないので、正誤の判断は比較的しやすい
とは思うのですが・・・
ちょっとした勘違いや読み違えに注意しないといけませんね。

 

まず、受給権の保護についてですが、
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることが
できないというのが、原則です。


ただ、年金たる保険給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保
に供することはできます。


また、老齢厚生年金や脱退一時金などを受ける権利は、差し押さえることが
できたり、支給を受けた金銭を標準として公課を課すことができます。
つまり、例外があるということです。

 

【 18−4−C 】は、障害手当金としての出題ですから、例外はないですよね。
障害手当金、ちょっとした読み間違えで「障害厚生年金」と読んでしまったり
すると、例外があるから誤りなんて判断をしがちです。


簡単な規定の出題って、油断してしまうってあります。
こういったケアレスミスは、ダメージが大きいですからね。
こういうところは、ちゃんと読めば大丈夫ですから、やはり日頃から1文字
1文字きちんと読む癖を付けておくことが大切です。

 

【 27−8−C 】は、障害厚生年金です。障害厚生年金を受ける権利は、担保
に供することはできますが、それ以外の例外はありません。
ですので、正しいです。

 

【 24−2−B 】は、老齢厚生年金と脱退一時金は、差し押さえることができる
ので、誤りです。

 

【 14−3−D 】は、老齢厚生年金ですから、公課を課すことができるので、
誤りです。

 

【 12−3−B 】は、これは条文ベースで、そのとおりです。

 

【 10−10−B 】は、障害厚生年金と遺族厚生年金ですから、公課を課す
ことができないので、正しくなります。

 

 

 

 

平成27年−厚年法問7−D「遺族厚生年金の失権」

  • 2016.07.21 Thursday
  • 05:00

今回は、平成27年−厚年法問7−D「遺族厚生年金の失権」です。

 


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老齢厚生年金の受給権者が死亡したことにより、子が遺族厚生年金の受給権者と
なった場合において、その子が障害等級3級に該当する障害の状態にあるときで
あっても、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに、子の有する
遺族厚生年金の受給権は消滅する。

 


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「遺族厚生年金の失権」に関する問題です。

次の問題をみてください。

 


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【 22−10−E 】

 

老齢厚生年金の受給権者が死亡したことにより当該死亡者の子または孫が遺族
厚生年金の受給権者となった場合において、当該子または孫が障害等級の3級
に該当する障害の状態にあるときであっても、18歳に達した日以後の最初の3月
31日が終了したときに当該遺族厚生年金の受給権は消滅する。

 


【 11−1−B 】

 

遺族厚生年金の受給権は、受給権者が子又は孫であるとき、障害等級に該当する
障害の状態にある者が20歳に達したときに消滅する。

 


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遺族厚生年金の受給権者のうち障害の状態にある子や孫の失権に関する問題です。

子や孫が有する遺族厚生年金の受給権は、障害等級「1級又は2級」に該当する
障害の状態にある場合には、18歳に達した日以後最初の3月31日が終了しても
消滅せず、20歳に達すると、消滅します。

 

これは、20歳に達すると、自らの年金、20歳前の傷病による障害に基づく障害
基礎年金の支給を受けることができるようになるためです。

 

そこで、障害等級「3級」の場合ですが、18歳に達した日以後最初の3月31日
が終了したときに消滅します。


この点は、遺族基礎年金の遺族となる子の障害状態とバランスをとっているため
です。

 

ですので、
【 27−7−D 】は【 22−10−E 】は正しいですが、【 11−1−B 】は誤り
です。

 

【 11−1−B 】では、「障害等級」とありますが、単に「障害等級」とある場合、
厚生年金保険では「3級」も含むので、必ずしも「1級又は2級」に該当している
とはいえませんので。

 

それと、これらの問題では論点になっていませんが、
当初、障害等級「3級」の状態であっても、18歳に達した日以後最初の3月31日が
終了するまでに、障害等級「1級又は2級」に該当する障害の状態になっている場合
には、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了した時点では失権しませんので、
この点、注意しておきましょう。

 

 

 

平成27年−厚年法問7−A「遺族厚生年金の遺族」

  • 2016.07.15 Friday
  • 05:00

今回は、平成27年−厚年法問7−A「遺族厚生年金の遺族」です。

 


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被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、
厚生年金保険法第59 条第1項に規定する遺族厚生年金を受けることができる
遺族の範囲の適用については、将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険
者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた子とみなす。

 


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「遺族厚生年金の遺族」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


☆☆======================================================☆☆

 


【 9−国年8−B[改題]】

 

被保険者の死亡当時胎児であった子が生まれたときには、配偶者はその子と死亡
当時に生計を同じくしていたとみなされ、死亡当時にさかのぼって遺族基礎年金
の受給権が発生する。

 


【 10−国年5−E[改題]】

 

被保険者の死亡当時胎児であった子が生まれたときには、配偶者はその子と死亡
当時に生計を同じにしていたとみなされ、死亡当時にさかのぼって遺族基礎年金
の受給権が発生する。

 


【 11−国年3−A[改題]】

 

被保険者の死亡当時に胎児であった子が生まれたときには、配偶者はその子と
死亡当時に生計を維持していたとみなされ、死亡当時に遡って遺族基礎年金の
受給権が発生する。

 


【 14−国年4−C[改題]】

 

被保険者の死亡当時胎児であった子が生まれたときは、配偶者は被保険者の死亡
当時にその子と生計を同じくしていたものとみなされ、将来に向かって、配偶者
に遺族基礎年金の受給権が発生する。

 


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【 27−厚年7−A 】は「遺族厚生年金」に関する問題ですが、
その他の問題は「遺族基礎年金」に関する問題です。

 

いずれにしても、被保険者等の死亡当時胎児であった子が生まれたとき、
遺族基礎年金や遺族厚生年金の支給はどうなるのかというのが論点です。

 

子が生まれたのであれば、その子の生計費の面倒をみる必要はありますが、
子が生まれる前は、保障をする必要性に欠けます。

ですので、死亡時にさかのぼって、年金を支給するということはありません。
生まれたところから、支給します。

 

ですので、
【 9−国年8−B[改題]】【 10−国年5−E[改題]】【 11−国年3−A[改題]】
は、誤りです。

 

そこで、遺族の要件として、
「被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持」
があります。


胎児であった子については、死亡時点では生まれていないわけですから、
この要件を満たしているとはいえません。
そうなると、遺族基礎年金や遺族厚生年金は支給されなくなってしまいます。

 

そのため、
被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、
将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その
者によって生計を維持していた子とみなす
ことにしています。


これによって、生計維持の要件を満たしたとすることができます。

 

ということで、【 27−厚年7−A 】と【 14−国年4−C[改題]】は正しいです。

 

ここで挙げた問題は受給権の発生に関するものですが、遺族基礎年金に関しては、
年金額の改定について出題されたこともあります。


胎児であった子が出生したとき、どのタイミングで加算額が加算されるのかという
ものです。
これも、考え方は同じで、あくまでも、実際に出生したところからになります。

 


この点もあわせて押さえておきましょう。

 

平成27年−厚年法問6−D「未支給の保険給付」

  • 2016.07.08 Friday
  • 05:00

今回は、平成27年−厚年法問6−D「未支給の保険給付」です。

 


☆☆======================================================☆☆

 

 

未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、死亡した者と生計を同じくして
いたもののうち、死亡した者の配偶者、子(死亡した者が遺族厚生年金の受給
権者である夫であった場合における被保険者又は被保険者であった者の子で
あってその者の死亡によって遺族厚生年金の支給の停止が解除されたものを
含む)、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の三親等内の親族の
順序とする。

 

 

☆☆======================================================☆☆

 

 

「未支給の保険給付」に関する問題です。

次の問題をみてください。

 

 

☆☆======================================================☆☆

 

 

【 21−4−E[改題]】

 

保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき
保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるとき、当該未支給の保険
給付を請求することができる者の順位は、1)配偶者又は子、2)父母、
3)孫、4)祖父母、5)兄弟姉妹、6)前記1)から5)の者以外の3親等
内の親族の順位である。

 


【 14−3−A[改題]】

 

保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき
保険給付で、まだその者に支給されなかったものがあるときに、その者に配偶
者、子、父母、祖父母がいないときは、その者の兄弟姉妹が自己の名でその
保険給付の支給を請求することができる。

 


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「未支給の保険給付」に関する問題です。

 

保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険
給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、所定の遺族がその支給を
請求することができます。


この請求することができる遺族はといえば、3親等内の親族です。

ただ、3親等内の親族であれば、誰もが請求することができるわけではなく、
優先順位があります。
その順位は、1)配偶者、2)子、3)父母、4)孫、5)祖父母、6)兄弟姉妹、
7)前記1)から6)の者以外の3親等内の親族の順序です。
簡単にいえば、身分関係が近い者が優先されるということです。


ですので、【 27−6−D 】は正しいです。

 

【 21−4−E[改題]】では、配偶者と子が同順位になっていますが、同順位では
ありませんので、誤りです。


この点は、遺族厚生年金の遺族の順位と混同しないようにしましょう。

 

それと、【 14−3−A[改題]】では、
「配偶者、子、父母、祖父母」とあり、「孫」が抜けています。
つまり、配偶者、子、父母がなく、「孫」がいるのであれば、その孫が請求する
ことができます。
「孫」がなく、さらに、祖父母もいない場合に、はじめて兄弟姉妹が請求する
ことができます。
ですので、誤りです。

 

このような出題、慌てていると、気が付かないなんてこともあり得ますので、
注意しておきましょう。

 

 

平成27年−厚年法問6−A「保険料負担と納付義務」

  • 2016.07.01 Friday
  • 05:00

今回は、平成27年−厚年法問6−A「保険料負担と納付義務」です。

 


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第1号厚生年金被保険者が同時にいずれも適用事業所である船舶甲及び事業所乙
に使用される場合、当該被保険者を使用する甲及び乙が負担すべき標準賞与額に
係る保険料の額は、甲及び乙がその月に支払った賞与額をその月に当該被保険者
が受けた賞与額で除して得た数を当該被保険者の保険料の半額に乗じて得た額と
し、甲及び乙がそれぞれ納付する義務を負う。

 


☆☆======================================================☆☆

 


「保険料負担と納付義務」に関する問題です。

次の問題をみてください。

 


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【 19−7−C[改題]】

 

第1号厚生年金被保険者が同時に2以上の適用事業所に使用される場合に
おいて、2以上の事業所のうち一つが船舶であるときは、船舶所有者が当該
被保険者に係る保険料の半額を負担しかつ当該保険料及び当該被保険者の
負担する保険料を納付する義務を負い、船舶以外の事業主は保険料を負担
せず、納付義務も生じない。

 


【 17−2−D[改題]】

 

第1号厚生年金被保険者が同時に二以上の適用事業所に使用される場合に
おいて、一が船舶で他が船舶以外の事業所のときは、当該被保険者に係る
保険料の半額を負担し納付する義務を負うのは船舶の所有者であり、他の
事業所は保険料の負担及び納付義務を負わなくて良い。

 


【 12−8−D[改題]】

 

第1号厚生年金被保険者が厚生年金保険法第6条第1項第3号に規定する
船舶に使用され、かつ同時に船舶以外の事業所に使用されている場合には、
船舶所有者以外の事業主は保険料納付義務を負わず、船舶所有者が当該
被保険者と当該保険料を折半して納付する義務を負う。

 


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第1号厚生年金被保険者が同時に2以上の適用事業所に使用される場合の保険料
の負担と納付義務に関する問題で、いずれの問題も、船舶と船舶以外の事業所に
使用される場合です。

 

単に、2以上の適用事業所に使用される場合は、各事業所ごとに、定時決定など
により算定された額に基づき按分した負担となるのですが、一方が船舶の場合、
扱いが異なります。


船舶所有者以外の事業主は、負担も納付義務も負いません。

 

ですので、【 27−6−A 】は誤りで、その他の問題は正しい内容です。

 

単純に考えて、船舶に使用される被保険者は、第3種被保険者です。
一般の事業所に使用される被保険者と保険料率が異なります。
さらに、船員たる被保険者の標準報酬月額の決定及び改定については、
船員保険法の規定の例によることとなっています。


ですので、それぞれが、負担したり、納付したりすると、ややこしいことが
起きてしまいます。

 

保険料の計算だけでなく、その月は、第3種被保険者としての被保険者期間?
それとも、それ以外?なんてことも。

 

ということで、船舶と船舶以外の事業所に使用される場合は、
船舶のほうだけで、保険料の負担・納付をすることにしています。

 

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