平成27年−健保法問3−B「選定療養費」

  • 2016.03.25 Friday
  • 05:00
今回は、平成27年−健保法問3−B「選定療養費」です。


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被保険者が病床数200床以上の病院で、他の病院や診療所の文書による紹介なし
に初診を受け、保険外併用療養費の選定療養として特別の費用を徴収する場合、
当該病院は同時に2以上の傷病について初診を行ったときはそれぞれの傷病に
ついて特別の料金を徴収することができる。


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「選定療養費」に関する問題です。

次の問題をみてください。


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【 26−1−E 】

被保険者が病床数100床以上の病院で、他の病院や診療所の文書による紹介
なしに初診を受けたとき、当該病院はその者から選定療養として特別の料金
を徴収することができる。ただし、緊急その他やむを得ない事情がある場合
に受けたものを除く。


【 23−8−E 】

病床数200床以上の病院で紹介なしに受けた初診は、緊急その他やむを得ない
場合も含めて、選定療養の対象にはならない。


【 20−10−C 】

病床数100以上の病院において他の病院又は診療所からの文書による紹介なし
に受けた初診(緊急その他やむを得ない事情がある場合に受けたものを除く)
は、選定療養とされる。


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被保険者が「選定療養」を受けた場合、保険外併用療養費が支給されます。
この「選定療養」には、いろいろなものがありますが、そのうちの1つとして
大病院で療養を受けた場合があります。
大病院という言い方をしましたが、具体的には病床数が多いもので、200以上
の病院です。
で、自ら好んで大病院で療養を受ける場合は、特別料金を払いなさいという
ことで、選定療養となります。

つまり、選定療養として特別の料金を徴収できるのは、病床数200以上の病院
で、他の病院や診療所の文書による紹介なしに初診を受けたときです。
また、緊急その他やむを得ない事情がある場合に受けたものは、自ら好んで
受けたとはいえないので、選定療養から除かれます。

ということで、
【 26−1−E 】と【 20−10−C 】では、「病床数100床以上」として
いるので、誤りです。

【 23−8−E 】は、病床数200床以上としていますが、
「初診は、緊急その他やむを得ない場合も含めて、選定療養の対象とならない」
とあります。
緊急その他やむを得ない場合は選定療養の対象となりませんが、
そうでない場合は、選定療養となるので、誤りです。

それと、【 27−3−B 】については、ちょっと論点が違っています。
問題文の前半は正しい内容で、後半が論点です。
同時に2以上の傷病について初診を行ったとき、二重に特別の料金を徴収する
ことができるかどうかという点です。
初診というのは、その医療機関で初めて診療を受けることですから、
傷病が2以上あったとしても、まとめて1回の初診として扱うので、
それぞれについて徴収することはできず、1回分だけの徴収になります。
ですので、誤りです。


選定療養については、ときどき具体的な内容が出題されているので、
主だったものは、ちゃんと確認をしておきましょう。
ちなみに、
「病院や診療所の文書による紹介がある場合」や「緊急その他やむを得ない場合」
は、通常、療養の給付の対象となります。





 

平成27年−健保法問2−C「海外療養費」

  • 2016.03.18 Friday
  • 05:00
今回は、平成27年−健保法問2−C「海外療養費」です。


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現に海外に居住する被保険者からの療養費の支給申請は、原則として事業主を
経由して行うこととされている。また、その支給は、支給決定日の外国為替
換算率(買レート)を用いて海外の現地通貨に換算され、当該被保険者の海外
銀行口座に送金される。


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「海外療養費」に関する問題です。

次の問題をみてください。


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【 18−3−C 】

被保険者又は被扶養者が海外の病院等において療養等を受けた場合に支給される
海外療養費は、療養を受けた日の外国為替換算率を用いて算定する。


【 11−9−A 】

海外における療養費支給の算定となる邦貨換算率は、その療養を受けた日の外国
為替換算率を用いる。


【 14−3−C 】

海外出張中の被保険者が海外の病院で療養を受けた場合、その療養費の支給申請
は事業主を経由して行い、事業主が代理受領することになっており、また、支給
額の算定に用いる邦貨換算率は、支給申請日における外国為替換算率を用いる。


【 21−6−C 】

現に海外にある被保険者からの療養費等の支給申請は、原則として、事業主等を
経由して行わせるものとし、その支給決定日の外国為替換算率(売レート)を
用いて算定した療養費等を保険者が直接当該被保険者に送金することになって
いる。


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海外の病院等で療養を受けた場合、そこは保険医療機関等ではないので、
現物給付が行われることはありませんよね。

ですので、とりあえず費用の支払をしておき、後日申請をして、療養費の支給
を受けることになるのですが、海外ですから、通常、日本円で費用を支払う
わけではありません。
とはいえ、保険者が被保険者へ現金給付するのは、もちろん日本円です。
そのため、海外で支払った額を日本円に換算しなければならないわけで・・・
その換算には、いつの外国為替換算率を用いるのかというのが、
これらの問題の論点です。

外国為替換算率について、
【 18−3−C 】と【 11−9−A 】では、「療養を受けた日」
【 14−3−C 】では「支給申請日」
のものを用いるとしています。

これらは、いずれも誤りです。
「支給決定日」の外国為替換算率を用います
(【 21−6−C 】は、この点は正しいです)。
保険者サイドとしては、保険給付をする時点、つまり、「支給決定日」ベースで
療養費の額を算定しますってことです。
療養を受けた時点や申請をした時点では、まだ保険給付が行われるって決まった
わけではないですからね。


また、海外療養費の支給ですが、【 14−3−C 】で
「支給申請は事業主を経由して行い、事業主が代理受領することになっており」
とありますが、そのとおりです。
保険者が、海外にいる被保険者に送金したりするってことはありません
(送金ができないってこともありますので)。
ですので、「保険者が直接当該被保険者に送金する」とある【 21−6−C 】は、
誤りです。
【 27−2−C 】も、「海外銀行口座に送金」とあるので、やはり誤りです。

それと、【 27−2−C 】は、申請に関しては、そのとおりですが、
「外国為替換算率(買レート)を用いて海外の現地通貨に換算」とあります。
前述したように、日本円に換算するのですから、この点でも誤りです。
ちなみに、外国為替換算率は、「買レート」ではなく、「売レート」を用います。


海外療養費については、これらの問題で論点とされている
「支給申請と支給」「支給額の算定」
まずは、これらをしっかりと押さえておきましょう。





 

平成27年−健保法問2−B「食事療養標準負担額」[改題]

  • 2016.03.11 Friday
  • 05:00
今回は、平成27年−健保法問2−B「食事療養標準負担額」[改題]です。


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入院時食事療養費に係る食事療養標準負担額は、原則として、平成28年4月
1日から平成30年3月31日までの間においては、1食につき360円とされて
いるが、被保険者及び全ての被扶養者が市区町村民税非課税であり、かつ、所得
が一定基準に満たないことについて保険者の認定を受けた高齢受給者については、
1食につき100円とされている。


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「食事療養標準負担額」に関する問題です。

次の問題をみてください。


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【 13−9−B[改題]】

食事療養に係る食事療養標準負担額であって、減額対象者以外の者に係る
ものは、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間においては、
1食360円である。


【 14−10−D[改題]】

入院時食事療養費の給付に係る食事療養標準負担額は、平成28年4月1日
から平成30年3月31日までの間においては、1食につき360円であるが、
市町村民税免除の低所得者は申請により減額が認められており、その額は減額
申請を行った月以前12カ月以内の入院日数が90日以下のときは1食につき
210円、90日を超えるときは1食につき160円である。


【 17−4−E[改題]】

入院時食事療養費の食事療養標準負担額は、平成28年4月1日から平成30年
3月31日までの間においては、1食について360円であるが、市町村民税の
非課税者は、1食につき210円(入院日数が90日を超える者は160円)に減額
される。


【 19−4−D[改題] 】

入院時食事療養費の給付に係る標準負担額は、平成28年4月1日から平成30年
3月31日までの間においては、1食につき360円が原則であるが、市区町村民税
が非課税とされている被保険者は申請により減額が認められており、その減額後の
額は70歳未満の場合、減額申請を行った月以前12カ月以内の入院日数が90日以下
のときは210円、90日を超えるときは160円である。


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「食事療養標準負担額」に関する問題です。
どれも、食事療養標準負担額そのものを論点にした問題ですが、
すべて正しい内容です。

食事療養標準負担額、これは、入院した際に病院などで出される食事の費用
の自己負担分で、
1) 原則( 2)〜5)以外の者)
 ⇒ 1食につき460円(平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に
  おいては、360円)
2)3)〜5)に該当しない小児慢性特定疾病児童等又は指定難病患者
 ⇒ 1食につき260円
3) 市町村民税非課税者等(入院日数90日以下)
 ⇒ 1食につき210円
4) 市町村民税非課税者等(入院日数90日超過)
 ⇒ 1食につき160円
5) 70歳以上の低所得者 ⇒ 1食につき100円
とされています。

で、この額は、1食分であって、1日の食費ではありませんからね。

それと、「70歳以上の低所得者」に関する記述がない問題がありますが、
この記述がないというだけで誤りとする必要はありません。

「小児慢性特定疾病児童等又は指定難病患者」に関しては、いずれも記述が
ありませんが、これは、改正で新たに設けられた区分です。
ですので、この区分は注意しておきましょう


食事療養標準負担額、このように択一式で何度も出題されていますが、
選択式では出題がありません。
改正があったので、狙われる可能性が高いでしょう。

ということで、これらは絶対に覚えておかないといけない金額です。


 

平成27年−労働一般問1−A「労働契約の原則」

  • 2016.03.04 Friday
  • 05:00
今回は、平成27年−労働一般問1−A「労働契約の原則」です。


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労働契約法第3条第2項では、労働契約は就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ
締結し、又は変更すべきとしているが、これには、就業の実態が異なるいわゆる
正社員と多様な正社員の間の均衡は含まれない。


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「労働契約の原則」に関する問題です。

次の問題をみてください。


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【 26−1−D 】

労働契約法第3条第1項において、「労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場
における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。」と規定されている。


【 23−4−A 】

労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、
又は変更すべきものとされている。


【 22−5−C 】

労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、
又は変更すべきものである。


【 25−1−A 】

労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は
変更すべきものとされている。


【 21−1−D 】

平成20年3月1日から施行されている労働契約法において、労働契約の原則が
第3条に規定されているが、同条第3項において、「労働契約は、労働者及び使用
者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。」と
されている。


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労働契約法の「労働契約の原則」に関する問題です。

労働契約法は、平成20年3月から施行された比較的新しい法律で、平成20年度
試験から試験の対象となったのですが、平成21年度試験から7年連続で出題されて
います。

この出題状況を考えれば、平成28年度試験でも、かなりの確率で出題されると
予想することができます。

で、ここに掲載した問題は、いずれも労働契約の基本的な理念及び労働契約に共通
する原則を明らかにした「労働契約の原則」からの出題です。

「労働契約の原則」は、

1) 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、
又は変更すべきものとする。
2) 労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ
締結し、又は変更すべきものとする。
3) 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、
又は変更すべきものとする。
4) 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利
を行使し、及び義務を履行しなければならない。
5) 労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用
することがあってはならない。

という5つが規定されています。

そこで、前述の問題について、【 27−1−A 】以外は、すべて正しいです。
【 21−1−D 】は施行に関する記述もありますが、いずれも、条文ベースの
内容です。

これらに対して、【 27−1−A 】では、
「就業の実態が異なるいわゆる正社員と多様な正社員の間の均衡は含まれない」
と条文以外の内容が加えられています。
これは、「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会報告書という
ものがあり、その内容を出題したものですが、「含まれない」というのは
誤りです。
含まれますので。

このような出題があったということは、今後、条文の内容だけでなく、
たとえば、通達の内容などを組み込んだ出題もあるかもしれません。

ただ、まずは、5つの原則、ここをしっかりと押さえておくことが重要です。
この原則、4)と5)は、まだ出題されていませんが、
出題されている、出題されていないにかかわらず、すべてについて、選択
対策も含めて、しっかりと確認をしておきましょう。


 

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