平成27年−労災法問2−E「一部負担金」

  • 2015.12.25 Friday
  • 05:00
今回は、平成27年−労災法問2−E「一部負担金」です。


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政府が療養給付を受ける労働者から徴収する一部負担金は、第三者の行為に
よって生じた交通事故により療養給付を受ける者からも徴収する。


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「一部負担金」に関する問題です。


次の問題をみてください。


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【 11−6−A 】

通勤災害により療養給付を受ける労働者は、200円を超えない範囲内で定める額
を一部負担金として政府に徴収されるが、第三者の行為によって生じた事故に
より療養給付を受ける者や療養の開始後3日以内に死亡した者は、徴収されない。


【 25−4−イ 】

政府は、療養の開始後3日以内に死亡した者からは、一部負担金を徴収する。


【 25−4−ウ 】

政府は、同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した
者からは、一部負担金を徴収しない。


【 9−記述 】

政府は、通勤災害によって療養給付を受ける労働者から、一部負担金として
( A )円を超えない額を徴収するが、次に掲げる者からは徴収しないこと
としている。
1) 第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者
2) 療養の開始後3日以内に死亡した者その他( B )を受けない者
3) 同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者


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一部負担金の問題です。
この規定は、択一式だけでなく、記述式でも出題されたことがあります。
論点は、だいたい次の3つです。
・いくらなのか?
・どのように徴収するのか?
・徴収されない場合はどんなときか?

そこで、まず、【 11−6−A 】について、「金額」の記載があります。
一部負担金の額、法条文では
「200円を超えない範囲内で厚生労働省令で定める額」と規定しています。
で、厚生労働省令で、具体的に、200円(健康保険の日雇特例被保険者は
100円)としています。

ですので、「200円を超えない範囲内で定める額」という記述は正しくなります。

それと、
【 11−6−A 】では、一部負担金が徴収されない場合も論点にしています。
この点は、他の問題で論点にしています。

一部負担金が徴収されないのは、
● 第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者
● 療養の開始後3日以内に死亡した者その他休業給付を受けない者
● 同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者
です。
「第三者行為災害」の場合は、本人の責任はありません。
また、休業給付を受けないのであれば、徴収の仕組みから徴収することができません。
で、徴収するのは、一の災害について1回だけです。
そのため、これらの者からは一部負担金は徴収しません。

ということで、
「第三者の行為によって生じた交通事故」の場合にも徴収するとしている【 27−2−E 】

「療養の開始後3日以内に死亡した者」から徴収するとしている【 25−4−イ 】は
誤りで、【 11−6−A 】と【 25−4−ウ 】は、正しいです。


【 9−記述 】の答えは、書くほどではありませんが、念のため、
A:200
B:休業給付
です。

一部負担金に関しては、正誤の判断がしやすい問題が多いので、出題されたときは、
確実に正解するようにしましょう。


 

平成27年−労災法問2−C「療養(補償)給付の請求」

  • 2015.12.18 Friday
  • 05:00
今回は、平成27年−労災法問2−C「療養(補償)給付の請求」です。


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療養補償給付たる療養の給付を受けようとする者は、厚生労働省令に規定された
事項を記載した請求書を、直接、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。


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「療養(補償)給付の請求」に関する問題です。


次の問題をみてください。


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【 20−3−A 】

療養補償給付又は療養給付の請求書は、療養の給付又は療養の費用のいずれ
についても、療養を受ける病院、診療所等を経由し所轄労働基準監督署長に
提出しなければならない。


【 15−3−D 】

療養補償給付又は療養給付を受けようとする者は、療養の給付又は療養
の費用の支給のいずれについても、所定の請求書を当該療養に係る病院
若しくは診療所、薬局又は訪問看護事業者を経由して所轄労働基準監督
署長に提出しなければならない。


【 10−2−A 】

療養補償給付の請求書は、必ず療養を受けている病院を経由して所轄労働
基準監督署長に提出しなければならない。


【 8−7−A 】

療養の給付を受けようとする者は、所定の請求書を、当該療養の給付を
受けようとする指定病院等を経由して所轄労働基準監督署長に提出しな
ければならない。




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「療養(補償)給付の請求」に関する問題です。

請求書の提出に関しては、その経由について、何度も論点にされています。

療養の給付は、指定病院等で現物給付として支給を受けます。
指定病院等は、当然、労災保険と関係がある病院等なので、
「療養補償給付たる療養の給付請求書」は、その療養を受ける病院等を経由して
提出しなければなりません。

これに対して、療養の費用の支給は、労災保険となんら関係のない病院等で療養
を受けた場合に行われるものです。
労災保険と関係のない病院等としては、労災保険への請求書を出されても・・・
困ってしまいますよね。
ですので、
「療養補償給付たる療養の費用請求書」は、直接、所轄労働基準監督署長へ提出
しなければなりません。
病院等を経由して提出することはできません。

【 20−3−A 】と【 15−3−D 】は、いずれも療養の費用の請求について、
病院等を経由して提出するとしているので、誤りです。
【 10−2−A 】は、「療養補償給付の請求書」としています。
つまり、療養の費用の支給も含まることになるので、誤りですね。
これに対して、
【 27−2−C 】と【 8−7−A 】は療養の給付の請求だけですが、
【 27−2−C 】では「直接、所轄労働基準監督署長」とあるので、誤りで、
【 8−7−A 】は「指定病院等を経由」ということで、正しくなります。

指定病院等を経由するのは、現物給付の「療養の給付」の場合だけです。
間違えないようにしましょう。
特に、「療養補償給付」として出題されたときは、注意です。


 

平成27年−労災法問2−A「療養の給付が行われる場所」

  • 2015.12.11 Friday
  • 05:00

 今回は、平成27年−労災法問2−A「療養の給付が行われる場所」です。


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療養の給付は、社会復帰促進事業としで設置された病院若しくは診療所又は
都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問看護
事業者において行われる。



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「療養の給付が行われる場所」に関する問題です。



次の問題をみてください。



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【 19−4−A 】


療養の給付は、労災保険法第29条第1項の事業として設置された病院若しくは
診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問
看護事業者において行われる。



【 17−7−E[改題]】


療養の給付は、社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は厚生
労働大臣の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問看護事業者において
行われる。



【 5−3−B[改題]】


療養の給付は、社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は
都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問看護事業者
において行う。



【 21−3−A 】


療養補償給付のうち、療養の給付は、指定病院等において行われるほか、厚生
労働大臣が健康保険法に基づき指定する病院等においても行われる。



【 14−2−B[改題]】


療養補償給付は、療養の給付を原則としており、この療養の給付は、社会復帰
促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定
する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問看護事業者において行うほか、
都道府県労働局長の指定がなくても、厚生労働大臣が健康保険法に基づき指定
する病院若しくは診療所又は薬局若しくは訪問看護事業者であれば行うことが
できる。



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療養の給付がどこで行われるかというのが論点ですが、
単に「指定病院等」なんて覚えていると出題者の思うツボですね。


指定病院等というのは、労災病院等と指定医療機関であり、これらって、具体的に
何かといえば、労災病院等は社会復帰促進等事業として設置された病院又は診療所
です。
では、指定医療機関というのは、文字通り「指定された医療機関」ですが、誰が
指定するのでしょうか。
厚生労働大臣ではありませんよ。
都道府県労働局長が指定します。


ということで、【 17−7−E[改題]】は誤りで、
【 19−4−A 】、【 5−3−B[改題]】は正しいですね。
【 27−2−A 】も正しいとされたのですが・・・
「社会復帰促進等事業」とすべき箇所が「社会復帰促進事業」とあり、
「等」が抜けています!
なので、厳密には正しいとするのは「?」ともいえますが、
労災病院等は、社会復帰促進等事業のうち社会復帰促進事業として設置・運営が
行われているため、「社会復帰促進事業」とした可能性があります。



それと、【 21−3−A 】、【 14−2−B[改題]】に関連して、
健康保険の保険給付の「療養の給付」を担当する病院などの1つに、
「保険医療機関等」というものがありますが、こちらは厚生労働大臣による
指定制を採っています。


【 21−3−A 】、【 14−2−B[改題]】いずれも文章の前半は、特に問題は
ないです。
後半部分ですが、「健康保険法に基づき指定する病院・・・・」
つまり、保険医療機関等で労災保険の療養の給付が行われるといっています。
健康保険の指定と労災保険の指定は別物です。制度が違うのですから。



健康保険の保険医療機関等であっても、労災保険の指定を受けていないのであれば、
労災保険の保険給付を行うことはできません。
いずれも誤りです。


「療養の給付が行われる場所」については、今後も出題されるでしょうから、
確実に正誤の判断ができるようにしておきましょう。


 

平成27年−安衛法問10−エ「健康診断個人票の保存期間」

  • 2015.12.04 Friday
  • 05:00
今回は、平成27年−安衛法問10−エ「健康診断個人票の保存期間」です。


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事業者は、労働安全衛生規則に定める健康診断については、その結果に基づき
健康診断個人票を作成して、その個人票を少なくとも3年間保存しなければなら
ない。


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「健康診断個人票の保存期間」に関する問題です。


次の問題をみてください。


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【 19−10−B 】

事業者は、労働安全衛生規則に基づいて作成すべき健康診断個人票を、5年間
保存しなければならない。


【 12−10−C 】

事業者は、労働安全衛生規則に基づいて作成すべき健康診断個人票を、5年間
保存しなければならない。


【 17−10−E 】

労働安全衛生法第66条の2の深夜業に従事する労働者から、同条の自ら受けた
健康診断の結果を証明する書面の提出を受けた事業者は、当該健康診断の結果
に基づき、健康診断個人票を作成し、これを5年間保存しなければならない。


【 21−9−E 】

事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、
これを5年間保存しなければならない。また、当該記録は、労働安全衛生規則
第52条の5に定める事項のほか、当該労働者の健康を保持するために必要な
措置についての医師の意見を記載したものでなければならない。


【 25−8−B 】

事業者は、面接指導の結果に基づき、法定の事項を記載した当該面接指導の
結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。


【 17−9−E[改題]】

特定化学物質障害予防規則では、事業者は、ベンゼンを製造し、又は取り扱う
業務に常時従事し、又は従事した労働者に係る特定化学物質健康診断個人票に
ついては、これを30年間保存するものとされている。


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「健康診断個人票などの保存期間」に関する問題です。

で、【 19−10−B 】と【 12−10−C 】は、基本的な出題ですね。
しかも、まったく同じ問題文です。
単純に保存期間を問う問題です。

これに対して、【 17−10−E 】は、事業者が行った健康診断ではなく、労働者から
提出されたものについて、健康診断個人票の作成・保存義務が生じるかということ
を論点にしています。
そのとおりですね。いずれについても、保存期間は5年間です。

ですので、「3年間保存」としている【 27−10−エ 】は、誤りです。


【 21−9−E 】と【 25−8−B 】、
こちらは、面接指導の結果の記録の保存期間に関する問題です。
健康診断個人票と同じで、5年間保存しなければなりません。
いずれも、健康に関する記録なので、保存期間は同じにしています。
ですので、健康診断個人票とあわせて押さえておくとよいでしょう。

【 17−9−E 】も保存期間の問題ですが、これは少しレベルが高く・・・・・
30年間なんてあったっけ?!と思われる方もいるかもしれません。
健康の記録については、その後、発症するかもしれない疾病との関係で長期に
保存をしておく必要が出るものがあります。
たとえば、潜伏期間の長い疾病に関連するようなものは、長期間経過した後に
疾病が発症し、その原因を確認したりする必要が生じたりしたとき、記録がない
ってことで確認ができなくなってしまうことがないよう、保存期間を長くしてい
ます。
ということで、正しい内容です。

ちなみに、石綿健康診断個人票については、業務に従事しないこととなった日から
40年間保存することになっています!




保存期間に関する問題の大半は、単に「何年」という年数、ここを押さえている
だけで、正誤の判断ができる問題です。
ですので、出題されたときは、確実に得点できるようにしておきましょう。


 

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