平成27年−労基法問6−ウ「36協定と就業規則の関係」
- 2015.10.30 Friday
- 05:00
今回は、平成27年−労基法問6−ウ「36協定と就業規則の関係」です。
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労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、
当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる
36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、
使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の
業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させる
ことができる旨を定めていたとしても、36協定は私法上の権利義務を設定する
効果を有しないため、当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否か
にかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を
負わないとするのが、最高裁判所の判例である。
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「36協定と就業規則の関係」に関する問題です。
次の問題をみてください。
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【 20−選択 】
使用者が労働者に対し時間外労働を命じる場合について、「労働基準法〔……〕
三二条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の
労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる三六協定)
を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が
当該事業場に適用される就業規則に当該三六協定の範囲内で一定の業務上の
事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることが
できる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が( C )もので
ある限り、それが具体的な労働契約の内容をなすから、右就業規則の規定の
適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間
を超えて労働をする義務を負うものと解するを相当とする〔……〕」というのが
最高裁判所の判例である。
【 18−5−D 】
最高裁判所の判例によると、労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させる
ことにつき、使用者が、36協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け
出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の
範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働
者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が
合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、当該就業
規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める
労働時間を超えて労働をする義務を負うものと解するのを相当とする、とされて
いる。
【 17−6−E 】
就業規則が労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に服従すべき旨
を定めているときは、そのような就業規則の規定内容が合理的なものである
かぎりにおいて当該具体的労働契約の内容をなしているものということができる
とするのが最高裁の判例である。
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【 20−選択 】は、選択式において判例からの出題があったものです。
判例からの出題といっても、これは過去に択一式で問われているところです。
それが、【 18−5−D 】です。
【 18−5−D 】は、正しい肢として出題されていますが・・・
36協定の締結・届出、これは時間外労働をさせるために必要な手続ですが、
36協定は免罰効果を有するだけですから、実際に時間外労働をさせるには、
就業規則や労働協約などの根拠が必要になります。
【 20−選択 】と【 18−5−D 】は、就業規則において、「一定の業務上の
事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることが
できる」と定めているとしています。
時間外労働をさせるための根拠が就業規則で明らかになっている、ってことです。
そこで、問題の論点は、その就業規則がどのようなものであれば、具体的労働
契約の内容をなすのかってことで、
「合理的なもの」
ですね(【 20−選択 】の空欄は「合理的な」が入ります)。
この点について、【 17−6−E 】もみてください。
【 17−6−E 】は労働時間に関してではないですが、論点は、同じですね。
「就業規則の規定内容が合理的なものであるかぎりにおいて当該具体的労働契約
の内容をなしているものということができる」とあります。
就業規則に合理性があれば、労働契約の内容をなすということです。
ですので、【 17−6−E 】も正しい内容です。
これらに対して、【 27−6−ウ 】では、
「36協定は私法上の権利義務を設定する効果を有しないため、当該就業規則
の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約
に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わない」
とあります。
36協定は権利義務を設定する効果を有しませんが、就業規則の規定の内容が
合理的なものであるなら、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働を
する義務を負うことになります。
誤りですね。
ちなみに、「就業規則の規定内容が合理的なもの」ってことに関してですが、
労働契約法7条に、
「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働
条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の
内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする」
という規定があります。
ということで、もしかしたら、労働契約法として、同じような内容が出題される
ってことも考えられます。
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労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、
当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる
36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、
使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の
業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させる
ことができる旨を定めていたとしても、36協定は私法上の権利義務を設定する
効果を有しないため、当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否か
にかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を
負わないとするのが、最高裁判所の判例である。
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「36協定と就業規則の関係」に関する問題です。
次の問題をみてください。
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【 20−選択 】
使用者が労働者に対し時間外労働を命じる場合について、「労働基準法〔……〕
三二条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の
労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる三六協定)
を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が
当該事業場に適用される就業規則に当該三六協定の範囲内で一定の業務上の
事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることが
できる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が( C )もので
ある限り、それが具体的な労働契約の内容をなすから、右就業規則の規定の
適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間
を超えて労働をする義務を負うものと解するを相当とする〔……〕」というのが
最高裁判所の判例である。
【 18−5−D 】
最高裁判所の判例によると、労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させる
ことにつき、使用者が、36協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け
出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の
範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働
者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が
合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、当該就業
規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める
労働時間を超えて労働をする義務を負うものと解するのを相当とする、とされて
いる。
【 17−6−E 】
就業規則が労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に服従すべき旨
を定めているときは、そのような就業規則の規定内容が合理的なものである
かぎりにおいて当該具体的労働契約の内容をなしているものということができる
とするのが最高裁の判例である。
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【 20−選択 】は、選択式において判例からの出題があったものです。
判例からの出題といっても、これは過去に択一式で問われているところです。
それが、【 18−5−D 】です。
【 18−5−D 】は、正しい肢として出題されていますが・・・
36協定の締結・届出、これは時間外労働をさせるために必要な手続ですが、
36協定は免罰効果を有するだけですから、実際に時間外労働をさせるには、
就業規則や労働協約などの根拠が必要になります。
【 20−選択 】と【 18−5−D 】は、就業規則において、「一定の業務上の
事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることが
できる」と定めているとしています。
時間外労働をさせるための根拠が就業規則で明らかになっている、ってことです。
そこで、問題の論点は、その就業規則がどのようなものであれば、具体的労働
契約の内容をなすのかってことで、
「合理的なもの」
ですね(【 20−選択 】の空欄は「合理的な」が入ります)。
この点について、【 17−6−E 】もみてください。
【 17−6−E 】は労働時間に関してではないですが、論点は、同じですね。
「就業規則の規定内容が合理的なものであるかぎりにおいて当該具体的労働契約
の内容をなしているものということができる」とあります。
就業規則に合理性があれば、労働契約の内容をなすということです。
ですので、【 17−6−E 】も正しい内容です。
これらに対して、【 27−6−ウ 】では、
「36協定は私法上の権利義務を設定する効果を有しないため、当該就業規則
の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約
に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わない」
とあります。
36協定は権利義務を設定する効果を有しませんが、就業規則の規定の内容が
合理的なものであるなら、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働を
する義務を負うことになります。
誤りですね。
ちなみに、「就業規則の規定内容が合理的なもの」ってことに関してですが、
労働契約法7条に、
「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働
条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の
内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする」
という規定があります。
ということで、もしかしたら、労働契約法として、同じような内容が出題される
ってことも考えられます。