平成26年−健保法問9−C「保険料の源泉控除」

  • 2015.04.24 Friday
  • 05:00
今回は、平成26年−健保法問9−C「保険料の源泉控除」です。


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勤務していた適用事業所を5月31日で退職し、被保険者資格を喪失した者
の健康保険料の源泉控除について、その者の給与支払方法が月給制であり、
毎月末日締め、当月25日払いの場合、事業主は、5月25日支払いの給与
(5月1日から5月31日までの期間に係るもの)で4月分及び5月分の健康
保険料を控除することができる。


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「保険料の源泉控除」に関する出題です。


次の問題をみてください。


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【 23−3−B 】

事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、
被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその
事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬
月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。


【 19−9−D 】

事業主は、被保険者に通貨をもって支払う給与から当該被保険者の負担
すべき前月分の保険料を源泉控除することができるが、当該被保険者が
その事業主に使用されなくなったときには、前月分に加えてその月分の
保険料も源泉控除することができる。


【 9−4−A 】

事業主は被保険者に給料を支払う場合、被保険者の負担すべき前月分の
保険料を給与から控除することができる。


【 13−2−A 】

被保険者が3月31日に退職した場合、事業主は被保険者の報酬から3月分
及び4月分の標準報酬月額に係る保険料を控除し、それぞれ翌月末日まで
納付する。


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「保険料の源泉控除」に関する問題です。

被保険者の負担すべき保険料、報酬から控除することが可能です。
で、控除することができるのは、原則、前月分の保険料です。
これは、保険料の納期限が翌月末日だからですね。

ただし、例外的に被保険者がその事業所に使用されなくなった、
この場合は、前月分だけではなく、その月分も控除することができます。
辞めてしまうのですから、その月に控除しておかないと、被保険者の負担
すべき分を取り損ねてしまうってこともあり得ますので。

ということで、
【 23−3−B 】、【 19−9−D 】、【 9−4−A 】は、
正しくなります。

ちなみに、「使用されなくなった」というのは、資格喪失を意味するの
ではなく、退職したってことです。
この点は、間違えないようにしましょう。


そこで、【 13−2−A 】、【 26−9−C 】について、
これらは事例的な出題です。

いずれについても、被保険者が月末に退職した場合の扱いです。
この場合、資格喪失は翌月1日です。
ということは、退職月分までの保険料は発生します。
【 13−2−A 】の場合は3月分まで、
【 26−9−C 】の場合は5月分まで発生します。

【 13−2−A 】では、
「3月分及び4月分の標準報酬月額に係る保険料を控除し」と、
4月分の保険料が発生するような記載はおかしいですね。
控除することができるのは、2月分と3月分です。
3月31日に退職した、つまり、3月31日に使用されなくなった場合は、
3月分の保険料は発生します。
誤りです。

これに対して、【 26−9−C 】では、
「4月分及び5月分の健康保険料を控除することができる」としているので、
正しいです。

条文ベースの出題では、簡単に正誤の判断ができるものでも、
具体的な出題になると混乱してしまうなんてこともあり得ます。
保険料の源泉控除については、このような出題がありますから、
ちゃんと対応できるようにしておきましょう。





 

平成26年−健保法問9−A「報酬又は賞与」

  • 2015.04.17 Friday
  • 05:00
今回は、平成26年−健保法問9−A「報酬又は賞与」です。


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労働基準法に基づく解雇予告手当又は退職を事由に支払われる退職金で
あって、退職時に支払われるもの若しくは事業主の都合等により退職前
に一時金として支払われるものは報酬又は賞与には含まれない。


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「報酬又は賞与」に関する出題です。


次の問題をみてください。


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【 10−2−C 】

退職時に支給される退職手当は、報酬に含まれる。


【 21−4−E 】

退職を事由に支払われる退職金であって、退職時に支払われるもの又は事業主
の都合等により退職前に一時金として支払われるものについては、報酬又は
賞与に該当しないものとみなされる。


【 23−5−A 】

退職を事由に支払われる退職金は、健康保険法に定める報酬又は賞与には該当
しないものであり、事業主の都合等により在職中に一時金として支払われた
場合であっても、報酬又は賞与には該当しないため、前払い退職金制度(退職
金相当額の全部又は一部を在職時の毎月の給与に上乗せする制度)を設けた
場合、その部分については報酬又は賞与に該当するものではない。


【 16−1−A 】

被保険者の在職時に、退職金相当額の全部又は一部が報酬又は賞与に上乗せ
して支払われる場合は、報酬又は賞与に該当するものとみなされるが、事業
主の都合により退職前に退職一時金として支払われるものについては、報酬
又は賞与に該当しないものとされている。


【 18−2−D 】

事業所の業務不振で従業員が解雇される場合に支払われる解雇予告手当も
退職一時金も、報酬には含まれない。


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退職金が報酬や賞与に該当するか否かを論点にした問題ですが、
報酬にしても、賞与にしても、
名称を問わず、労働者が、労働の対償として受けるものです。

では、退職を事由に支払われる退職金は、これに該当するのかといえば、
保険料や保険給付額の算定の基礎とするのは適当ではないので、
一般的な退職金は、報酬や賞与には含まれません。

なので、単に「退職手当は、報酬に含まれる」としている
【 10−2−C 】は誤りですね。

退職を事由に支払われる退職金だけど、事業主の都合で退職前に支払われた
場合は、どうなるのかといえば、たまたま支払時期がちょっとズレたという
程度ですから、そのような場合であっても、一般的な退職金として扱われます。
つまり、報酬や賞与に該当しません。
ということで、【 21−4−E 】は正しいです。

で、【 23−5−A 】、【 16−1−A 】では、
退職金相当額を在職時の報酬や賞与に上乗せする制度の場合
どうなるのかという点を出題しています。
前払い退職金制度によって在職中に支払われる退職金相当額・・・
これは、報酬又は賞与に該当します。
このように支払われる場合、
労働の対償としての性格が明確であり、被保険者の通常の生計費にあてられる
経常的な収入としての意義を有することになりますから。
ですので、
「報酬又は賞与に該当するものではない」としている
【 23−5−A 】は誤りで、
「報酬又は賞与に該当するものとみなされる」としている
【 16−1−A 】は正しいです。

それと、【 26−9−A 】と【 18−2−D 】では
「解雇予告手当」についても、あわせて出題していますが、
解雇予告手当は、そもそも労働の対償ではありませんから、
報酬にも、賞与にも含まれませんので、いずれも正しいです。

報酬や賞与については、単純に定義を出題してくることもありますが、
事例的な出題もかなりあります。
ですので、事例的な出題にも対応できるようにしておきましょう。





 

平成26年−健保法問8−C「少年院等にある場合の給付制限」

  • 2015.04.09 Thursday
  • 05:00
今回は、平成26年−健保法問8−C「少年院等にある場合の給付制限」です。


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保険者は、被保険者が少年院その他これに準ずる施設に収容されたときには、
疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産
手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る)を行わないが、
被扶養者に係る保険給付を行うことは妨げられない。


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「少年院等にある場合の給付制限」に関する出題です。


次の問題をみてください。


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【 22−4−E 】

被扶養者が少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき、疾病、負傷
または出産につき、その期間に係る保険給付はすべて行わない。


【 13−4−B[改題]】

被保険者が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されている
とき、埋葬料(費用の支給を含む)を除き、被保険者及び被扶養者に対して
その期間に係る給付は行われない。


【 10−7−C[改題]】

被保険者が刑事施設等にいるときは、公費負担があることからすべての保険
給付が制限されるが、その場合においても、被扶養者に係る保険給付が制限
されることはない。




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「少年院等に収容されている場合の保険給付の制限」に関する出題です。

被保険者や被扶養者が少年院等の施設に収容されたときは、
保険給付が制限されます。
で、制限されるのは、収容されている者に限られます。
収容されていない者について制限する必要はありませんからね。

【 22−4−E 】では、「保険給付はすべて行わない」としています。
被扶養者が少年院等の施設に収容されたときは、その収容された被扶養者に
関する保険給付(疾病、負傷又は出産に関するもの)は、行われませんが、
「被保険者」や「他に被扶養者がある場合における、その被扶養者」に関する
保険給付は制限されません。ですので、誤りです。
 
【 13−4−B[改題]】では、「被保険者が刑事施設、労役場その他これらに
準ずる施設に拘禁されている」という状況で、被扶養者に関する保険給付も
行わないとしています。誤りですね。
被保険者が刑事施設等に拘禁されていても、被扶養者に関する保険給付は制限
されません。
ですので、「被扶養者に係る保険給付を行うことは妨げられない」とある
【 26−8−C 】は正しいです。

 そこで、【 10−7−C[改題]】ですが、こちらは、
「被扶養者に係る保険給付が制限されることはない」
としています。この点は正しいです。
ただ、被保険者に関して「すべての保険給付が制限される」としています。
制限されるのは、「疾病、負傷又は出産」に関する保険給付です。
これらについては、公費により面倒をみてもらうことができるからです。
で、死亡については、そうではないので、健康保険から保険給付は行われます。
ということで、【 10−7−C[改題]】は誤りです。

それと、【 26−8−C 】に「傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、
厚生労働省令で定める場合に限る」とあります。
これは、未決拘留中の期間は支給を制限せず、刑が確定した後について、
支給を制限するということを意味していて、そのとおりです。


この規定については、これらの問題にあるように、
誰が制限の対象となるのか、どの保険給付が制限の対象となるのか、
どちらも論点にされるので、出題されたときは、どちらについても、
ちゃんと確認しましょう。


 

平成26年−健保法問7−A「不正利得の徴収等」

  • 2015.04.03 Friday
  • 05:00
今回は、平成26年−健保法問7−A「不正利得の徴収等」です。


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保険者は、指定訪問看護事業者が偽りその他不正の行為によって訪問看護
療養費の支払を受けたときは、当該指定訪問看護事業者に対しその支払った
額についてのみ返還させることができ、その返還額に一定割合を乗じて得た
額を支払わせることはできない。


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「不正利得の徴収等」に関する出題です。


次の問題をみてください。


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【 17−7−A 】

保険医療機関が不正の行為によって、保険者から療養の給付等に関する費用の
支払いを受けたときは、保険者は当該保険医療機関に対して、その支払った額
につき返還させるほか、その額に100分の40を乗じた額を支払わせることが
できる。


【 23−7−A 】

保険者は、保険医療機関等が偽りその他不正の行為によって療養の給付に関する
費用の支払を受けたときは、当該保険医療機関等に対し、その支払った額につき
返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせる
ことができる。




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「不正利得の徴収等」に関する問題です。

偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者があるときは、保険者は、
その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができます。

保険医療機関などが診療報酬などについて不正な請求をして、その支払を
受けたときは、その支払われた額を返還させます。

受けることができないものを受けたのですから。

で、保険医療機関などは、保険給付を受ける立場ではなく、支給する側です。
そのような立場であるにもかかわらず、不正を行うということは、極めて悪質
といえます。

そこで、単に返還させるだけではなく、加算金を支払わせるようにしています。
具体的には、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせること
ができます。

【 26−7−A 】は、
「その返還額に一定割合を乗じて得た額を支払わせることはできない」
としているので、誤りです。

【 17−7−A 】と【 23−7−A 】は正しいです。

そこで、「100分の40」という割合について、
雇用保険法の「返還命令等」の規定で、
「不正の行為により支給を受けた失業等給付の額の2倍に相当する額以下の
金額を納付することを命ずることができる」
としていて、このような内容と置き換えて誤りを作ることもあり得るので、
混同しないようにしましょう。

それと、
加算金を加算することができる規定は、保険医療機関、保険薬局、指定訪問看護
事業者について、不正に費用の支払を受けた場合に適用されます。
被保険者などの不正受給については、この加算金はありません。
この点も、間違えないようにしましょう。


 

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