平成26年−安衛法問10−E「派遣労働者に係る安全衛生教育」

  • 2014.11.28 Friday
  • 05:00
今回は、平成26年−安衛法問10−E「派遣労働者に係る安全衛生教育」です。


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労働安全衛生法第59条第1項に規定するいわゆる雇入れ時の安全衛生教育は、
派遣労働者については、当該労働者が従事する「当該業務に関する安全又は
衛生のために必要な事項」(労働安全衛生規則第35条第1項第8号)も含めて、
派遣元の事業者がその実施義務を負っている。


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「派遣労働者に係る安全衛生教育」に関する出題です。


次の問題をみてください。


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【 19−9−E 】

労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づくいわゆる作業内容変更時の安全
衛生教育の実施の義務は、派遣先事業者のみに課せられている。


【 17−8−A 】

労働者がその事業における派遣就業のために派遣されている派遣先の事業に
関しては、労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づく作業内容変更時の安全
衛生教育は派遣元事業主及び派遣先事業主が、同条第3項の特別の安全衛生教育
は派遣先事業主が、それぞれ行わなければならない。


【 19−9−D 】

労働安全衛生法第59条第1項の規定に基づくいわゆる雇入れ時の安全衛生教育
の実施の義務は、派遣先事業者及び派遣元事業者の双方に課せられている。




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派遣労働者に係る安全衛生教育は、
派遣元が行うのか、派遣先が行うのか、それとも双方に義務があるのか、
それが論点になっています。

作業内容変更時の安全衛生教育について、【 19−9−E 】では、派遣先のみ
としていて、【 17−8−A 】では双方となっています。
作業内容の変更は、派遣元においても、派遣先においても起こり得ます。
なので、作業内容変更時の教育については、派遣先も事業者とみなされます。
つまり、本来は派遣元がすべきだけど、派遣先にも同じ義務が発生するという
ことになり、派遣元事業者及び派遣先事業者の双方に実施義務が課せられます。
ですので、
【 19−9−E 】:誤り
【 17−8−A 】:正しい
です。

【 17−8−A 】では、
特別の安全衛生教育についても論点にしていますが、一定の危険有害業務に
関する教育、これは実際に就業する場所でのことになるので、派遣先事業主に
義務が課されています。

【 26−10−E 】と【 19−9−D 】は、雇入れ時の安全衛生教育に関する
問題です。
雇入れ時の安全衛生教育は、必要最小限の基本的なことを教育するものなので、
派遣前に行われるべきものです。ですので、雇入れ時の安全衛生教育の実施の
義務は、派遣元事業者に課せられています。派遣先には実施義務はありません。

ということで、【 26−10−E 】は正しく、【 19−9−D 】は誤りです。

どの教育は、どちらに義務があるのか、双方に義務があるのか、
これらは整理しておいたほうがよいですね。


 

平成26年−安衛法−選択式「安全衛生診断」

  • 2014.11.21 Friday
  • 05:00
今回は、平成26年−安衛法−選択式「安全衛生診断」です。


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労働安全衛生法第80条においては、都道府県労働局長は、同法第78条第1項
の規定に基づき事業者に対して安全衛生改善計画の作成の指示をした場合に
おいて、専門的な助言を必要とすると認めるときは、当該事業者に対し、労働
安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントによる安全又は衛生に係る
診断を受け、かつ、安全衛生改善計画の作成について、これらの者の意見を聴く
べきことを( E )ことができる旨規定されている。


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「安全衛生診断」に関する出題です。


次の問題をみてください。


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【 18−8−D 】

都道府県労働局長は、労働安全衛生法第78条第1項の規定に基づいて事業者
に対して安全衛生改善計画の作成の指示をした場合において、専門的な助言を
必要とすると認めるときは、同法第80条の規定に基づき、当該事業者に対し、
労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントによる安全又は衛生に
係る診断を受け、かつ、安全衛生改善計画の作成について、これらの者の意見
を聴くべきことを勧奨することができる。


【 10−9−D 】

都道府県労働局長は、安全衛生改善計画の作成を指示した場合において、専門
的な助言を必要とすると認めるときは、当該事業者に対し、労働安全コンサル
タント又は労働衛生コンサルタントによる診断を受け、かつ、安全衛生改善
計画の作成について、これらの者の意見をきくことを命ずることができる。


【 15−10−D 】

都道府県労働局長は、労働安全衛生法の規定により事業者に対し安全衛生改善
計画を作成すべきことを指示した場合において、必要があると認めるときは、
当該事業者に対し、併せて、当該計画の実施状況について、一定の期間ごとに
労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントによる安全衛生監査を受け
るべきことを勧奨することができる。


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「安全衛生診断」に関する問題です。

まず、【 26−選択 】の答えは、「勧奨する」です。

で、択一式の3問については、文章の前半はいずれも同じような記述です。
「安全衛生改善計画の作成を指示した場合」であって、
「必要があるとき」にという内容です。これらの部分は正しいといえます。
ところが、後半部分はそれぞれ異なったことをいっています。

【 18−8−D 】は、正しい内容です。
【 10−9−D 】、【 15−10−D 】は、いずれも誤りです。

【 10−9−D 】では、「意見をきくことを命ずることができる」としていますが、
命令はできません。勧奨、つまりお勧めするだけです。

【 15−10−D 】では、計画ができてしまった後の話をしています。
「実施状況について」といっていますので。
でも、そうではありません。作成段階で意見を聴くことを勧めるのです。
計画を作れといわれても、事業者は専門家ではありませんし、その事業場に
専門家がいるとは限りません。
計画の作成には専門的な知識を必要とすることもあり、
その知識がないと適切な計画ができないってこともあります。
ですので、専門家のアドバイスなどが必要な場合には、
アドバイスを受けたほうが良いですよと勧めることができるようにした規定です。

労働安全衛生法って、理屈というか、「何で」、ということがはっきりしているので、
そういうところから入っていくと、意外と取り組みやすいかもしれませんよ。
単に暗記で対応しようとしたら、多くの人は嫌いになってしまうような法律ですからね。
覚えるのは最後、まずは考え方から入りましょう。


 

平成26年−安衛法問9−ア「総括安全衛生管理者に係る行政措置」

  • 2014.11.14 Friday
  • 05:00
今回は、平成26年−安衛法問9−ア「総括安全衛生管理者に係る行政措置」です。


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都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者
に対し、総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる。


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「総括安全衛生管理者に係る行政措置」に関する出題です。


次の問題をみてください。


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【 19−8−D 】

都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括
安全衛生管理者の業務の執行について事業者にその改善を命令することができる。


【 61−10−B 】

労働基準監督署長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者
に対し、総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる。


【 2−8−A 】

都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者
に対し総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる。




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総括安全衛生管理者に関する行政措置の問題です。
まず、
【 61−10−B 】は労働基準監督署長、
【 26−9−ア 】【 2−8−A 】は都道府県労働局長とありますが、
いずれにしても誤りです。
解任命令ができるという規定はありません。

さらに、【 19−8−D 】では「改善を命令することができる」とありますが、
このような命令もできません。
つまり、すべて誤りです。

総括安全衛生管理者に関する行政措置としては、
都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括
安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる
とされています。

できるのは、「命令」ではなく「勧告」です。

安全管理者や衛生管理者については、増員、解任の命令制度が設けられていますが、
総括安全衛生管理者については、勧告制度です。
総括安全衛生管理者は、その事業場の最高責任と権限を有している者なので、
必要がある場合に改善勧告を行うほうが適当だという考えから、このような
制度にしています。

安全管理体制においては、安全や衛生に関する事項を管理したり、業務を担当
したりする者の選任が義務づけられていますが、
行政措置がある場合、ない場合があります。
また、ある場合は、誰が措置を講じるのか、都道府県労働局長なのか、労働基準
監督署長なのか、この辺は、整理しておいたほうがよいでしょう。


 

平成26年−労基法問7−オ「就業規則の作成手続」

  • 2014.11.06 Thursday
  • 05:00
今回は、平成26年−労基法問7−オ「就業規則の作成手続」です。


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労働基準法第90条に定める就業規則の作成又は変更についての過半数労働組合、
それがない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴取する義務について
は、文字どおり労働者の団体的意見を求めるということであって、協議をする
ことまで使用者に要求しているものではない。


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「就業規則の作成手続」に関する出題です。


次の問題をみてください。


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【 21−3−D 】

使用者は、就業規則の作成だけでなく、その変更についても、当該事業場に
労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働者の
過半数で組織する労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の意見
を聴かなければならない。


【 20−2−B 】

就業規則を作成又は変更するに当たっては、使用者は、その事業場に労働者の
過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織
する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者の同意を得なければなら
ない。


【 8−6−E 】

就業規則が法令又は労働協約に抵触するため所轄労働基準監督署長がその変更
を命じた場合であっても、使用者は当該就業規則の変更について、当該事業場
に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、
労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を
代表する者の意見を聴かなければならない。




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「就業規則の作成や変更に際しての手続」に関する出題です。

就業規則を作成する場合、
労働者が知らない間に苛酷な労働条件が定められたり、労働者の知らない規定に
よって制裁を受けたりしないよう、
使用者は、過半数労働組合等の意見を聴かなければなりません。
 
で、この「意見を聴く」とは、諮問をするとの意味であり、労働者の団体的意見を
求めるということであって、協議をすることまで使用者に要求しているもの
ではありません。

ですので、【 26−7−オ 】は正しいです。

【 21−3−D 】では、就業規則を変更する場合も、作成の際と同様に意見を
聴く必要があるかどうかを論点にしています。

これは、そのとおりですね。
 
就業規則を変更する場合にも、作成する場合と同様に、過半数労働組合等の
意見を聴かなければなりません。
 
【 20−2−B 】では、意見を聴くのではなく、「同意を得なければならない」
としています。

就業規則の作成・変更については、同意まで求めていないので、誤りです。

この点は、寄宿舎規則の作成の場合との違いという点で、注意しておく必要が
ある箇所です。
 
次に、【 8−6−E 】ですが、こちらは、「意見を聴かなければならない」と
あります。
ただ、使用者が自らの考えで変更するというのではなく、変更命令があり、
それにより変更するという場合です。

このような場合であっても、やはり、変更の手続にはかわりませんので、意見を
聴かなければなりません。
ですので、正しくなります。
 
就業規則の作成・変更の手続については、
「意見聴取」なのか、「同意が必要」なのか、
これを論点とすることもありますが、
そのほかにも、「変更命令」があった場合は、どうなのか?
届出の際は、どうするのか?

この辺を論点にしてくることもあるので、あわせて、押さえておきましょう。





 

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