平成25年−安衛法問8−A「面接指導」

  • 2013.11.29 Friday
  • 05:00

 今回は、平成25年−安衛法問8−A「面接指導」です。


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事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合に
おけるその超えた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が
認められる労働者であって、法定の除外事由に該当しないものに対し、労働
安全衛生規則で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければ
ならない。


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「面接指導」に関する出題です。




次の問題をみてください。




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【 21−9−A 】



事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合に
おけるその超えた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が
認められる労働者に対しては、本人の申出の有無にかかわらず、面接指導
を実施しなければならない。




【 18−選択 】



労働安全衛生法第66条の8の規定に基づき、事業者は、休憩時間を除き
1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が
1か月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者に
対し、当該労働者の申出により、医師による面接指導(問診その他の方法
により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行う
ことをいう)を行わなければならない。また、労働安全衛生規則第52条
の3第4項においては、産業医は、当該労働者に対して、当該申出を
行うよう( E )することができる旨規定されている。




【 19−1−A 】



労働安全衛生法第66条の8第1項に規定するいわゆる長時間労働者
に対する面接指導に関し、産業医は、所定の要件に該当する労働者に
対して、面接指導の申出を行うよう勧奨することができる。

 



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「面接指導」に関する出題です。



【 25−8−A 】と【 21−9−A 】は、面接指導の実施に関する問題で、
対象となる労働者の記載、
「休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合における
その超えた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認め
られる労働者」
という箇所は、いずれも正しいです。



そこで、事業者、これに該当する労働者すべてについて、面接指導を行わな
ければならないのかといえば、そうではありません。
労働者本人の申出があった場合に、事業者が行わなければならないものです。



ですので、
「本人の申出の有無にかかわらず」とある【 21−9−A 】は誤りです。



【 25−8−A 】には、申出について、直接的記載はありませんが、
「労働安全衛生規則で定めるところにより」とあります。
申出に基づき行うことは、労働安全衛生規則に規定されているので、
正しいと判断して構わないことになります。



申出に基づくという点、
定期健康診断については、労働者の申出の有無にかかわらず、常用労働者について
行わなければならないのとは違っていますので、注意しておきましょう。




【 18−選択 】と【 19−1−A 】は、論点が異なります。



前述したように、面接指導は、労働者の申出により行われるのですが、
労働者は、言い出し難いということがあります。
そうなると、要件に該当していたとしても申出をしないということが考えられます。



そこで、産業医が、労働者に対して
「面接指導の申出を行うよう勧奨することができる」
ようにしています。
産業医に勧奨されたということですと、申出がしやすくなりますから。



ということで、【 19−1−A 】は正しく、
【 18−選択 】の答えは「勧奨」です。



【 18−選択 】では、面接指導の要件の部分は、問題文にありますが、
空欄にはなっていません。
ただ、今後、「100時間」とか、「疲労の蓄積」なんて部分が空欄になるってこと
あり得ますので、出題されたときは、ちゃんと空欄を埋められるようにしておき
ましょう。

 

 

平成25年−労基法問7−エ「賃金全額払の原則」

  • 2013.11.22 Friday
  • 05:00

 今回は、平成25年−労基法問7−エ「賃金全額払の原則」です。


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いわゆる全額払の原則の趣旨は、使用者が一方的に賃金を控除することを
禁止し、もって労働者に賃金の金額を確実に受領させ、労働者の経済生活を
脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべきである
とするのが、最高裁判所の判例である。


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「賃金全額払の原則」に関する出題です。


次の問題をみてください。




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【 18−2−B 】

最高裁判所の判例によると、労働基準法第24条第1項本文の定めるいわゆる
賃金全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除する
ことを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済
生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべき
であるから、使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権
と相殺することを禁止する趣旨をも包含するものであるが、労働者がその
自由な意思に基づき当該相殺に同意した場合においては、当該同意が労働者
の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が
客観的に存在するときは、当該同意を得てした相殺は当該規定に違反する
ものとはいえないものと解するのが相当である、とされている。




【 12−4−C 】

最高裁判所の判例によると、適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、
労働基準法第24条第1項ただし書によって除外される場合に当たらなくても、
その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上
不当と認められないものであれば同項の禁止するところではない。




【 21−選択 】

賃金の過払が生じたときに、使用者がこれを精算ないし調整するため、
後に支払われるべき賃金から控除することについて、「適正な賃金の額を
支払うための手段たる相殺は、〔…(略)…〕その行使の時期、方法、金額
等からみて労働者の( B )との関係上不当と認められないものであれば、
同項(労働基準法第24条第1項)の禁止するところではないと解するのが
相当である」とするのが最高裁判所の判例である。



 

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これらの問題は、「賃金全額払」に関する判例です。



【 25−7−エ 】と【 18−2−B 】は同じ判例で、
【 12−4−C 】と【 21−選択 】は別の判例からの出題です。



で、択一式の問題は、いずれも正しいです。
どの問題にも、「経済生活」という言葉が入っていますが、
【 21−選択 】のBには、「経済生活の安定」が入ります。
これらの判例のキーワードといえるでしょう。



使用者側の一方的な相殺は認めないけど、
例外もあるということをいっています。



そこで、
判例の出題の場合ですが、単に規定の内容だけではなく、その趣旨も絡めた
文章になっていることが多いので、絶対に正しいという判断がし難いものが
あります。



選択式ですと、選択肢がないと空欄に入る言葉が思い浮かばないということも
あるでしょう。



ただ、繰り返し解いていれば、それらの部分についても、
しっかりと身に付くと思います。



とにかく、
最近は、択一式、選択式、いずれについても判例が頻出です。



ですので、過去に出題された判例は確実に押さえておきましょう。
1度出題されたもの、繰り返し出題されることが多いですからね。

 

 

平成25年−労基法問6−C「労働条件の明示」

  • 2013.11.13 Wednesday
  • 05:00

 今回は、平成25年−労基法問6−C「労働条件の明示」です。


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使用者は、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に
当該労働契約を更新する場合があるものの締結の際に、労働者に対して、期間
の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項を、書面の交付に
より明示しなければならない。




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「労働条件の明示」に関する出題です。




次の問題をみてください。




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【 21−2−B 】



労働契約の期間に関する事項、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項は、
使用者が、労働契約の締結に際し、労働者に対して書面の交付によって明示し
なければならない事項に含まれている。




【 18−3−C 】



使用者は、労働基準法第15条(労働条件の明示)の規定に基づき、労働契約の
締結に際し、労働者に対して、「所定労働時間を超える労働の有無」及び「所定
労働日以外の日の労働の有無」について、書面の交付により明示しなければなら
ないこととされている。




【 14−2−C 】



労働基準法第15条では、使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して
賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならず、そのうち一定の
事項については書面の交付により明示しなければならないとされているが、
健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険及び雇用保険の適用に関する
事項もこの書面の交付により明示しなければならない事項に含まれている。

 



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労働契約の締結の際に明示すべき労働条件については、いろいろなものが
ありますが、それを論点にした問題、過去に何度も出題されています。



労働契約の締結に際し労働者に対して書面の交付により明示しなければならない
事項(書面明示事項)には、
1) 労働契約の期間に関する事項
2) 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項(期間の
 定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約
 を更新する場合があるものの締結の場合に限ります)
3) 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
4) 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、
 休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に
 関する事項
5) 賃金(退職手当等を除きます)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り
 及び支払の時期
6) 退職に関する事項(解雇の事由を含みます)
があります。



【 25−6−C 】では、
書面明示事項のうち、「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に
関する事項」を挙げており、正しくなります。



【 21−2−B 】では、
書面明示事項のうち、「労働契約の期間に関する事項」、「就業の場所及び従事
すべき業務に関する事項」を挙げており、これも正しいです。



【 18−3−C 】では、
「所定労働時間を超える労働の有無」と「所定労働日以外の日の労働の有無」
挙げています。
「所定労働時間を超える労働の有無」、つまり、残業の有無ですが、これは、
書面明示事項です。
これに対して、「所定労働日以外の日の労働の有無」、つまり、休日出勤の有無、
これは、書面明示事項には含まれていません。
ですので、誤りです。
この違いは、ひっかかりやすいところなので、注意しておく必要があります。



【 14−2−C 】では、
「健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険及び雇用保険の適用」を挙げて
います。いかにも、明示すべき事項に思えますが・・・・・
これも、書面明示事項には含まれていません。ってことで、誤りです。
社会保険の適用については、職業安定法に規定する職業紹介などの際に明示
すべき労働条件に含まれてはいますが、労働契約締結時の書面明示事項には
含まれていません。
この違いは、今後も狙われる可能性がありますから、押さえておきましょう。




労働契約締結時の書面明示事項については、該当する事項かどうかを論点と
することもあれば、就業規則の絶対的必要記載事項との比較を論点として
くることもあります。
ですから、書面明示事項は何か、就業規則の絶対的必要記載事項との違いは何か、
これらは確実に押さえておきましょう。


 

平成25年−労基法問5−D「均等待遇」

  • 2013.11.06 Wednesday
  • 05:00

 今回は、平成25年−労基法問5−D「均等待遇」です。


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労働基準法第3条は、すべての労働条件について差別待遇を禁止しているが、
いかなる理由に基づくものもすべてこれを禁止しているわけではなく、同条
で限定的に列挙している国籍、信条又は社会的身分を理由とする場合のみを
禁じている。


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「均等待遇」に関する出題です。




次の問題をみてください。




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【 23−1−A 】



労働基準法第3条は、法の下の平等を定めた日本国憲法第14条と同じ事由で、
人種、信条、性別、社会的身分又は門地を理由とした労働条件の差別的取扱
を禁止している。




【 19−1−E 】



均等待遇を定めた労働基準法第3条では、労働者の国籍、信条、性別又は社会的
身分を理由として賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱いをする
ことは禁止されている。




【 14−1−A 】



均等待遇を定めた労働基準法第3条では、労働者の国籍、信条又は社会的身分
を理由として賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱をすることは
禁止されているが、性別を理由とする労働条件についての差別的取扱は禁止され
ていない。




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「均等待遇」に関する出題です。



労働基準法3条では、
「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働
時間その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならない」
と規定しています。



で、ここで挙げた問題は、
どのようなことを理由とした差別が禁止なのかを論点とした問題です。
差別を禁止しているのは、「国籍、信条又は社会的身分」だけですね。
労働基準法の制定当時、これらについての差別が多々あったので、
この3つを掲げています。


そこで、
【 23−1−A 】では、
「人種」「性別」「門地」という記載が入っています。
これらについては、対象ではありませんから、誤りです。
それと、「国籍」が入っていないという点でも誤りです。
【 19−1−E 】には、「性別」が入っているので、やはり誤りです。
【 14−1−A 】は、
「性別を理由とする労働条件についての差別的取扱は禁止されていない」
とありますが、そのとおりなので、正しいです。
【 25−5−D 】は、
「国籍、信条又は社会的身分を理由とする場合のみ」としているので、
こちらも正しいです。

実際には規定されていないものを加えて誤りにする問題、
今後も出題されるでしょうが、基本的な規定ですから、
絶対に間違えないようにしましょう。




ちなみに、職業安定法において、
「何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合
の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的
取扱を受けることがない」
という規定がありますが、これと混同しないようにしましょう。


 

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