平成25年−労基法問4−オ「妊産婦の時間外労働等」

  • 2013.10.31 Thursday
  • 05:00

 今回は、平成25年−労基法問4−オ「妊産婦の時間外労働等」です。


☆☆======================================================☆☆




使用者は、労働基準法第66条第2項の規定に基づき、妊産婦が請求した場合
においては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかか
わらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。




※「次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからE
 までのうちどれか」という問題の1つの記述です。




☆☆======================================================☆☆




「妊産婦の時間外労働等」に関する出題です。




次の問題をみてください。




☆☆======================================================☆☆




【 20−6−C 】



使用者は、労働基準法第36条第1項に基づく労使協定が締結されている
場合であっても、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性が請求した
場合においては、同法第41条各号に掲げる者である場合を除き、時間外
労働又は休日労働をさせてはならない。




【 14−4−C 】



使用者は、労働基準法第66条第2項の規定により、妊娠中の女性及び
産後1年を経過しない女性(以下「妊産婦」という)が請求した場合に
おいては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定に
かかわらず、時間外労働又は休日労働をさせてはならないが、この第66条
第2項の規定は、妊産婦であっても同法第41条第2号に規定する監督又は
管理の地位にある者に該当するものには適用されない。




【 19−7−D 】



使用者は、労働基準法第66条第2項の規定により、妊産婦が請求した場合
においては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定に
かかわらず、時間外労働又は休日労働をさせてはならないが、この第66条
第2項の規定は、同法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある
妊産婦にも適用される。




☆☆======================================================☆☆




「妊産婦の時間外労働等」に関する出題です。
妊産婦の労働時間等の取扱い、よく出題されます。



そこで、まず、
【 20−6−C 】、【 14−4−C 】、【 19−7−D 】ですが、
これらは、
「労働時間等に関する規定が適用除外となる妊産婦の時間外労働・休日労働等」を
論点にしています。



妊産婦が請求した場合には、時間外労働又は休日労働をさせることはできません。
ただし、妊産婦が監督又は管理の地位にある者など労働時間等に関する規定が
適用除外となる者である場合は、させることができます。




【 20−6−C 】では、「第41条各号に掲げる者」である場合を除き、
としているので、労働時間等に関する規定の適用が除外される者のうち、監督
又は管理の地位にある者以外の者も含んだ表現になっていますが、
妊産婦に対する保護規定より、「労働時間等に関する規定の適用除外」の規定、
こちらが優先されます。
ですので、妊産婦であったとしても、
「労働時間等に関する規定の適用除外」に該当する者に対しては、
時間外労働又は休日労働をさせることができます。
したがって、
【 20−6−C 】は正しくなります。 



【 14−4−C 】では、
「監督又は管理の地位にある者に該当するものには適用されない」としているので、
時間外労働又は休日労働をさせることができるということになり、正しい内容ですね。



これらに対して、【 19−7−D 】は
「監督又は管理の地位にある妊産婦にも適用される」とあり、
時間外労働又は休日労働をさせることができないとしているので、誤りです。



で、【 20−6−C 】では、
「同法第41条各号に掲げる者である場合を除き」というように、
労働時間等に関する規定の適用が除外される者を除くことを明確にしています。



これに対して、【 25−4−オ 】では、これらを除くとはしていません。
比べてしまうと、誤りでは?と判断できてしまいそうですが・・・
出題の根拠となった規定である法66条2項では、
直接的に除くとはしていないので、正しいと判断をして構わないのです。



ただ、出題の仕方によっては、
「除いていないので誤り」となることもあるので、
この取扱いが出題されたときは、問題文を読む際、注意しましょう。

 

 

平成25年−労基法問3−E「労使協定の効力」

  • 2013.10.24 Thursday
  • 05:00

 今回は、平成25年−労基法問3−E「労使協定の効力」です。


☆☆======================================================☆☆




事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合において、使用者が、
その労働組合と36協定を締結し、これを行政官庁に届け出た場合、その協定
が有する労働基準法上の効力は、当該組合の組合員でない他の労働者にも及ぶ。




☆☆======================================================☆☆




「労使協定の効力」に関する出題です。




次の問題をみてください。




☆☆======================================================☆☆




【 12−4−A 】



事業場の過半数の労働者で組織する労働組合が使用者と締結した労働協約
の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのは、その
労働協約の適用を受ける労働者に限られる。




【 22─7−A 】



労働基準法第36条第1項等に定める労働基準法上の労使協定が有する労働
基準法の規制を解除する効力(労働基準法上の基準の強行的・ 直律的効力
〔13条〕の解除、労働基準法上の罰則〔117条以下〕の適用の解除)は、
労使協定の締結に反対している労働者には及ばない。

 



☆☆======================================================☆☆




労使協定と労働協約、
この2つを混同してしまい、違いがわかっていないということ、
ありがちです。



で、まず、その効力の範囲ですが、
【 12−4−A 】で、
「労働協約の適用を受ける労働者に限られる」とあるように、
労働協約というのは、労働条件を定めるものですから、
原則として、その労働協約を締結した労働組合の組合員に限り、
適用されることになります。



【 12−4−A 】は、正しいです。



これに対して、労使協定というのは、
労働協約とは異なり、その効力は、当該労使協定を締結した事業場の
すべての労働者に及びます。
ですので、労使協定を締結した労働組合の組合員でない他の労働者にも
及ぶことになります。



労使協定というのは、労働条件そのものを定めるものではなく、
免罰効果のみ発生させるので、労働協約とは効力の範囲が異なっています。



【 25─3−E 】では、
「当該組合の組合員でない他の労働者にも及ぶ」
としていますが、そのとおりです。
ですので、正しいです。



【 22─7−A 】では、
「反対している労働者には及ばない」
としているので誤りです。
反対している労働者にも効力が及ぶことになるので。



ちなみに、「強行的・ 直律的効力〔13条〕の解除」という部分ですが、
「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分に
ついては無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で
定める基準による」
という規定、これが適用されないってことです。
つまり、本来の基準を下回っても構わないということです。
で、「罰則〔117条以下〕の適用の解除」は、罰則の適用は受けないということです。



ということで、
労使協定と労働協約との違い、
ちゃんと理解しておきましょう。


 

平成25年−労基法問3−B「端数処理」

  • 2013.10.17 Thursday
  • 05:00

 今回は、平成25年−労基法問3−B「端数処理」です。


☆☆======================================================☆☆




1日及び1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の
合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ
以上を1時間に切り上げること、1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円
未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に
切り上げること並びに1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々
の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り
捨て、それ以上を1円に切り上げることは、いずれも労働基準法第24条及び
第37条違反としては取り扱わないこととされている。


☆☆======================================================☆☆




「端数処理」に関する出題です。


次の問題をみてください。


☆☆======================================================☆☆




【 24−1−A 】

1カ月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には、控除後の額)
に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことは、
労働基準法第24条違反としては取り扱わないこととされている。


【 18−5−A 】

1カ月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額)
に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことは、
賃金支払の便宜上の取扱いと認められるから、労働基準法第24条違反と
しては取り扱わないこととされている。


【 10−4−C 】

1時間当たりの割増賃金の額を法定の割増賃金率に従って計算したときに、
1円未満の端数が生じた場合、当該端数について切り捨てたとしても、労働
基準法違反としては取り扱わないものとされている。


【 15−3−B 】

1カ月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には、控除した額)
に100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上
を100円に切り上げて支払うことは、労働基準法第24条違反としては取り
扱わないこととされている。


【 12−4−D 】

割増賃金の計算の便宜上、1カ月における時間外労働、休日労働及び深夜
労働の各時間数の合計に1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数
を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げる措置は法違反として取り扱わ
ないこととされている。


【 19−3−E 】

割増賃金の計算の便宜上、1日における時間外労働、休日労働及び深夜労働
の各時間数に1時間未満の端数がある場合は、1日ごとに、30分未満の端数
を切り捨て、30分以上の端数を1時間に切り上げて計算する措置は、法違反
として取り扱わないこととされている。

 

☆☆======================================================☆☆




「賃金全額払の例外」の端数処理に関する出題です。

この端数処理に関する規定は、金額に関するもの、時間に関するもの・・・
といくつかありますが、ぽつぽつと出題されていますね。

これら端数処理については、
常に労働者の不利となるようなものは認めないけれど、
必ずしもそうではないものは、事務簡素化を図る趣旨から認められています。


そこで、

【 24−1−A 】と【 18−5−A 】ですが、かなりの高額を翌月に繰り
越すってものではなく、細かい額、紙幣ではなく、硬貨で払わなければ
ならない額、これを翌月に支払う程度ですから、労働基準法違反にはなり
ません。正しいです。


【 10−4−C 】は、常に切り捨てるということなので、労働者に不利に
なります。ですから、このような扱いは認められません。誤りです。
ちなみに、50銭未満は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げるという端数
処理は、認められています。


【 15−3−B 】、これは正しいです。
それぞれ四捨五入のような扱いというのは、認められるんですよね。
単に切り捨てるというのはダメです。


【 12−4−D 】も、常に労働者が不利となるものではないので、事務簡素化
を目的としたものと認められ、法違反として取扱われません。
ですので、正しいですね。

で、【 12−4−D 】は1カ月分について、端数処理ができるとしています。
これに対して、【 19−3−E 】は1日ごとに端数処理ができるとしています。
【 25−3−B 】についても、そのような内容が含まれています。

この時間の端数処理、1日単位では認められていません。
これを認めると、労働者にとって極端に不利益になることがあります。

たとえば、1カ月の時間外労働の時間数が40時間25分だったら、この25分が
切捨てになりますよね。
これに対して、ある日の労働時間が8時間20分だったとします。
この20分の切捨てを認めてしまうと・・・
もし、21日分なら、合計で7時間です。
これだけの時間を合法的にカットできるなんてことですと、
労働者にとっては、たまったもんじゃありません。
ですから、「1日単位」での端数処理は認められないのです。

ということで、【 19−3−E 】と【 25−3−B 】は誤りです。

とにかく、単位に注意です。
「1カ月」の時間、金額か、「1時間」の金額か、
1円単位か、100円単位か、1,000円単位か・・・

どの規定も、再び出題される可能性があるので、
きちんと確認しておきましょう。


 

平成25年−労基法問3−A「労使協定」

  • 2013.10.11 Friday
  • 05:00

今回は、平成25年−労基法問3−A「労使協定」です。




☆☆======================================================☆☆






労働組合のない事業場において、労働基準法第36条の規定に基づく時間外
労働・休日労働に係る労使協定(以下「36協定」という。)を締結する場合、
労働者側の締結当事者たる「労働者の過半数を代表する者」を選出するとき
の当該事業場の労働者数の算定に当たっては、当該事業場で雇用されて働い
ているパート、アルバイト等は含まれるが、当該事業場に派遣されて現に
指揮命令を受けて働いている派遣労働者は含めない。




☆☆======================================================☆☆






「労使協定」に関する出題です。






次の問題をみてください。




☆☆======================================================☆☆




【 13−5−B 】



労働者の過半数で組織する労働組合がない事業場において36協定を締結する
場合、労働者側の締結当事者たる「労働者の過半数を代表する者」の「労働者」
の範囲には、そもそも労働時間の規定の適用がない労働基準法第41条第2号
に該当する監督又は管理の地位にある者は含まれない。




【 14−1−B 】



労働組合のない事業場において、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・
休日労働に係る労使協定を締結する場合、労働者側の締結当事者たる「労働者
の過半数を代表する者」を選出するときの当該事業場の労働者数の算定に当たっ
ては、当該事業場においては時間外労働及び休日労働が全く予定されていない
ようなパートタイム労働者なども含めなければならないが、長期間の病気などに
より休職発令を受けて休職中の労働者で当該協定期間中に出勤が全く予想され
ないものは含まれない。




【 15−1−A 】



労働組合のない事業場において、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・
休日労働に係る労使協定(以下「36協定」という)を締結する場合、労働者側
の締結当事者たる「労働者の過半数を代表する者」を選出するときの当該事業場
の労働者数の算定に当たっては、当該事業場に派遣されて現に指揮命令を受けて
働いている派遣労働者も含めなければならない。




☆☆======================================================☆☆




労使協定は、「労使」とあるように、労働者と使用者で締結するものです。



で、その「労働者」側ですが、労働者の過半数で組織する労働組合があれば、
その労働組合となり、そのような労働組合がなければ、労働者の過半数を
代表する者となります。



はい、そこで、「労働者の過半数を代表する者」の「労働者」には、どのような
労働者を含めるのでしょうか?
ここに挙げた問題は、これを論点としたものです。



【 13−5−B 】は、誤りです。
ここでいう労働者というのは、その協定の適用を受けるとか、受けないとかは
関係なく、単にその事業場に属する労働者を指します。つまり、労働時間等の
規定の適用が除外される者であっても、労働者であれば、過半数の算定の基礎
となる労働者に含まれます。



ということから、【 14−1−B 】では、出勤がまったく予想されないものは
含まないとしていますが、そのような労働者も当然含まれますので、
やはり誤りです。




では、派遣先で働く派遣労働者はどうなるのでしょうか?



派遣労働者は、派遣元の労働者です。
ですので、派遣先の労働者数に含めることはできません。
ということで、
【 25−3−A 】は正しく、【 15−1−A 】は誤りです。



現に派遣先において指揮命令を受けて働いている派遣労働者であっても、
36協定の締結の主体となる「労働者の過半数を代表する者」の労働者として
カウントされるのは、「派遣元」においてです。



派遣労働者の取扱いは、よく出るので、注意しておきましょう。


 

平成25年−労基法問2−ウ「年次有給休暇」

  • 2013.10.03 Thursday
  • 05:00

 今回は、平成25年−労基法問2−ウ「年次有給休暇」です。


☆☆======================================================☆☆




労働基準法第39条に定める年次有給休暇の付与要件の1つである「継続勤務」
には、私傷病により休職とされていた者が復職した場合の当該休職期間は含まれ
ない。

※「次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまで
 のうちどれか」という問題の1つの記述です。


☆☆======================================================☆☆




「年次有給休暇」に関する出題です。




次の問題をみてください。




☆☆======================================================☆☆




【 24─6−ウ 】



労働基準法第39条に定める年次有給休暇権の発生要件の1つである「継続
勤務」は、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものと解される。したがって、
この継続勤務期間の算定に当たっては、例えば、企業が解散し、従業員の待遇
等を含め権利義務関係が新会社に包括承継された場合は、勤務年数を通算しな
ければならない。




【 61−4−D 】



使用者は、同一会社のA支店からB支店へ転勤した労働者については、B支店
での勤務期間が6カ月以上となるまでの間は、年次有給休暇を与えないことが
できる。




☆☆======================================================☆☆




年次有給休暇の付与要件の1つである「継続勤務」に関する問題です。



この継続勤務とは、労働契約の存続期間、すなわち在籍期間をいいます。



で、継続勤務か否かについては、勤務の実態に即し実質的に判断すべきもので
あって、実質的に労働関係が継続している限り勤務年数は通算されます。
したがって、次に掲げるような場合は、勤務年数は通算されます。
● 定年退職による退職者を引き続き嘱託等として再採用している場合
● 在籍型の出向をした場合
● 休職とされていた者が復職した場合
● 臨時工、パート等を正規職員に切替えた場合
● 会社が解散し、従業員の待遇等を含め権利義務関係が新会社に包括承継された
 場合 等



【 25─2−ウ 】では、「休職とされていた者が復職した場合」について、
「休職期間は含まれない」としています。
含まれるので、誤りです。



【 24─6−ウ 】では、「企業が解散し、従業員の待遇等を含め権利義務関係が
新会社に包括承継された場合」について、「勤務年数を通算しなければならない」
としているので、正しいです。




そこで、【 61−4−D 】ですが、転勤した場合の取扱いです。
異なる事業場で勤務していますが、「同一会社」とあります。
この場合、勤務期間は通算されるので、
B支店での勤務期間が6カ月とならなくても、通算した勤務期間(継続勤務)
が6カ月以上となるのであれば、年次有給休暇を与えなければなりません。
ということで、誤りです。



この点は、事例的な問題をいろいろと作れるので、
事例として出題されたとしても、ちゃんと正誤の判断ができるようにして
おきましょう。


 

PR

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2013 >>

selected entries

categories

archives

recommend

recommend

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM