平成23年−労基法問1−C「公民権行使の保障」

  • 2011.09.27 Tuesday
  • 05:40

 今回は、平成23年−労基法問1−C「公民権行使の保障」です。


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公職の就任を使用者の承認にかからしめ、その承認を得ずして公職に就任した者
を懲戒解雇に付する旨の就業規則条項は、公民権行使の保障を定めた労働基準法
第7条の趣旨に反し、無効のものと解すべきであるとするのが最高裁判所の判例
である。


 

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「公民権行使の保障」に関する判例からの出題です。



次の問題をみてください。



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【 16─1−D 】

公職に就任することが会社業務の遂行を著しく阻害するおそれのある場合に
おいては、公職の就任を使用者の承認にかからしめ、その承認を得ずして
公職に就任した者を懲戒解雇に付する旨の就業規則の条項を適用して従業員
を懲戒解雇に付することも許されるとするのが最高裁の判例である。



 

【 9─2−B 】

「市議会議員をはじめとする公職に就任しようとするときは、会社の承認を
受けなければならず、これに反して承認を得ずに公職に就任した者は懲戒
解雇に付する」旨の就業規則の規定は、労働基準法第7条の趣旨に反し、無効
である。



 

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労働基準法、ここのところ判例がかなり出題されています。

で、1度出題された判例、
繰り返し出題されているもの、いくつもあります。

選択式でも、ここのところ判例の出題がかなりあります。

で、今回取り上げた判例、ご覧のとおり3回出題されています。
いずれも択一式からの出題ですが。

労働基準法7条で、

使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、
又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んで
はならない。ただし、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求
された時刻を変更することができる。

と規定しています。

この規定は、
労働時間中の公民権行使及び公の職務の執行を保障したものです。

ですので、公職の就任を使用者の承認によること、すなわち、承認なくして
公職に就任した者を懲戒解雇にするなんていうのは、この規定の趣旨から
考えて、認めるわけにはいきません。

ということで、そのようなものは無効となります。

【 16─1−D 】は誤りで、
【 23─1−C 】【 9─2−B 】は正しいです。




今後も、繰り返し出題される可能性、高いですから、
しっかりと確認しておきましょう。




 

平成23年−労基法問1−A「均等待遇」

  • 2011.09.23 Friday
  • 06:12

 今回は、平成23年−労基法問1−A「均等待遇」です。


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労働基準法第3条は、法の下の平等を定めた日本国憲法第14条と同じ事由で、
人種、信条、性別、社会的身分又は門地を理由とした労働条件の差別的取扱を
禁止している。



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「均等待遇」に関する出題です。



次の問題をみてください。



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【 19─1−E 】

均等待遇を定めた労働基準法第3条では、労働者の国籍、信条、性別又は
社会的身分を理由として賃金、労働時間その他の労働条件について差別的
取扱いをすることは禁止されている。



 

【 14−1−A 】

均等待遇を定めた労働基準法第3条では、労働者の国籍、信条又は社会的
身分を理由として賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱を
することは禁止されているが、性別を理由とする労働条件についての差別的
取扱は禁止されていない。



 

【 61−記述 】

使用者は、労働者の( B )、信条又は社会的身分を理由として、賃金、
労働時間その他の( C )について、差別的取扱いをしてはならない



 

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「均等待遇」に関する出題ですが、
労働基準法3条においては、

「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、
労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」

と規定しています。

差別を禁止しているのは、「国籍、信条又は社会的身分」だけですね。

【 23─1−A 】では、
「人種、性別又は門地」という記載が入っています。
これらについては、対象ではありませんから、誤りです。

【 19─1−E 】には、「性別」が入っているので、やはり誤りです。

【 14−1−A 】は、
「性別を理由とする労働条件についての差別的取扱は禁止されていない」
とありますが、そのとおりなので、正しいです。




ちなみに、職業安定法において、

何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、
労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等
について、差別的取扱を受けることがない。

という規定がありますが、これと混同しないようにしましょう。




【 61−記述 】の答えは、
B:国籍
C:労働条件
です。




この規定、基本中の基本ですから、
出題されたときは、絶対に間違えないようにしましょう。

 

 

平成23年−労基法−選択式「年次有給休暇」

  • 2011.09.16 Friday
  • 06:02

 今回は、平成23年−労基法−選択式「年次有給休暇」です。



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「〔年次有給〕休暇の時季指定の効果は、使用者の適法な時季変更権の行使を
( B )として発生するのであって、年次休暇の成立要件として、労働者に
よる「休暇の請求」や、これに対する使用者の「承認」の観念を容れる余地は
ないものといわなければならない。」とするのが、最高裁判所の判例である。



☆☆======================================================☆☆



「年次有給休暇」に関する判例からの出題です。



次の問題をみてください。



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【 20−5−A 】

年次有給休暇の権利は、労働基準法第39条所定の要件を満たすことによって
法律上当然に労働者に生ずる権利であって、労働者の請求をまって始めて生ずる
ものではないとするのが最高裁判所の判例である。




【 22−6−B 】

労働者の時季指定による年次有給休暇は、労働者が法律上認められた休暇日数
の範囲内で具体的な休暇の始期と終期を特定して時季指定をし、使用者がこれを
承認して初めて成立するとするのが最高裁判所の判例である。




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いずれも「白石営林署事件」という判例からの出題です。




【 23−選択 】の答えは、「解除条件」
【 20−5−A 】は正しく、【 22−6−B 】は誤りです。




年次有給休暇の権利は、法律上当然に労働者に生ずる権利であって、
労働者の請求をまって始めて生ずるものではありません。

ですので、使用者の承認とかを必要とするものではありません。

ただ、使用者には時季変更権があります。
そこの部分が【 23−選択 】で、
「使用者の適法な時季変更権の行使を解除条件として発生する」
というように出題されました。




年次有給休暇の取得は、労働者の時季指定に基づきます。
ただ、使用者側にも時季変更権があり、適法な時季変更権が行使されれば、
時季の変更になりますが、行使がなければ、
指定によって年次有給休暇が成立し、当該労働日における就労義務が消滅する
ってことになります。




労働基準法、最近、判例がかなり出題されています。

択一式で出題された判例が、選択式で出題されるってこと、
何度もありますので、
択一式で出題されている判例、きちんと確認をしておきましょう。

 

 

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