平成22年−労基法問6−E「年次有給休暇」

  • 2010.10.29 Friday
  • 05:41

 今回は、平成22年−労基法問6−E「年次有給休暇」です。



☆☆======================================================☆☆


 

年次有給休暇を労働者がどのように利用するかは労働者の自由であるが、
使用者の時季変更権を無視し、労働者がその所属の事業場においてその業務
の正常な運営の阻害を目的として一斉に休暇届を提出して職場を放棄する
場合は、年次有給休暇に名をかりた同盟罷業にほかならないから、それは
年次有給休暇権の行使ではない。


 

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「年次有給休暇権の行使」に関する出題です。

まず、次の問題をみてください。


 

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【14−5−D】



労働基準法第39条の年次有給休暇を労働者がどのように利用するかは、労働者
の自由であるが、労働者がその所属の事業場においてその業務の正常な運営の
阻害を目的として一斉に年次有給休暇を届け出て職場を放棄する場合は、年次
有給休暇に名をかりた同盟罷業にほかならないから、それは年次有給休暇権の
行使ではない。労働者が、他の事業場における争議行為に年次有給休暇をとって
届け出て参加するような場合も、同様にそれは年次有給休暇権の行使ではない。

 



【19−6−B】



労働基準法第39条の年次有給休暇を労働者がどのように利用するかは、労働者
の自由であるが、ある事業場の労働者が、同じ企業に属する他の事業場における
争議行為に年次有給休暇を届け出て参加する場合は、年次有給休暇に名をかりた
同盟罷業にほかならないから、それは年次有給休暇権の行使ではない。


 

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年次有給休暇を労働者がどのように利用するかは、労働者の自由です。



利用目的については、労働基準法においては、なんら規制していません。


 

ただ、

労働者がその所属の事業場において、その業務の正常な運営の阻害を目的として
一斉に年次有給休暇を届け出て職場を放棄する場合、

このような場合は、年次有給休暇権の行使とはいえません。


年次有給休暇に名をかりた同盟罷業(ストライキ)です。



これに対して、

労働者が、他の事業場における争議行為に年次有給休暇をとって参加するような
場合、

これは、その事業場でストライキをしようというのではなく、
労働者の任意の行動ですので、年次有給休暇権の行使となります。


 

ということで、

【22−6−E】は正しいです。
【14−5−D】【19−6−B】は誤りです。

 

どのような場合に、年次有給休暇権の行使といえるのかどうか、
この点は、再び出題される可能性ありますから、
考え方、ちゃんと理解しておきましょう。

 

 

平成22年−労基法問5−D「労働時間の通算」

  • 2010.10.22 Friday
  • 05:56

 今回は、平成22年−労基法問5−D「労働時間の通算」です。


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労働基準法第38条第1項に定める事業場を異にする場合の労働時間の通算に
ついては、同一事業主に属する異なった事業場において労働する場合にのみ
適用されるものであり、事業主を異にする複数の事業場において労働する場合
には適用されない。

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「労働時間の通算」に関する出題です。



まず、次の問題をみてください。


 

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【 2─5−A 】



労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の
適用について通算されることはない。


 

【 5−7−A 】



労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の
適用については通算される。


 

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「時間計算」の規定、久々の出題です。

労働基準法の適用は、事業単位です。


ただ、「労働時間」、これは、「労働者単位」といえます。

一人の労働者が複数の事業場で働いた場合、
事業場ごとに法定労働時間の規定が適用されるのではなく、
労働者ごとに通算されます。

つまり、労働者1人につき、
1日に働かせることができる時間は8時間ってことです。

で、この通算は、

事業主が同一であるか否かは問いません。

「事業場を異にする場合」とは、事業主を異にする場合も含みますので。


ですので、

【 22−5−D 】は、
「事業主を異にする複数の事業場において労働する場合には適用されない」
としているので、誤りです。

【 2−5−A 】は
「通算されることはない」
としているので、誤りです。

【 5−7−A 】は正しいです。


この通算、派遣労働者についても適用されます。

一定期間に相前後して複数の事業場に派遣された場合には、労働基準法の
労働時間に関する規定の適用については、それぞれの派遣先の事業場に
おいて労働した時間が通算される。

という内容の通達があり、
この辺が出題されるってこともあるでしょうから、
確認しておきましょう。


 

平成22年−労基法問5−A「1カ月単位の変形労働時間制」

  • 2010.10.14 Thursday
  • 06:03

 今回は、平成22年−労基法問5−A「1カ月単位の変形労働時間制」です。


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労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を
採用する場合には、労使協定による定め又は就業規則その他これに準ずる
ものにより、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定める
ことを要し、変形期間を平均して週40時間の範囲内であっても、使用者が
業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当
しない。

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「1カ月単位の変形労働時間制」に関する出題です。

まず、次の問題をみてください。


☆☆======================================================☆☆


【 18─4−A 】

労働基準法第32条の2に規定するいわゆる1か月単位の変形労働時間制に
ついては、当該変形期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間の範囲内
である限り、使用者は、当該変形期間の途中において、業務の都合によって
任意に労働時間を変更することができる。




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変形期間の途中に
「任意に労働時間を変更することができるか否か」
が論点です。

【 22−5−A 】では、
「任意に労働時間を変更するような制度」は、
1カ月単位の変形労働時間制に該当しないとしています。


【 18−4−A 】では、
「任意に労働時間を変更することができる」
としています。


1カ月単位の変形労働時間制を採用するには、
あらかじめ、変形期間における各日、各週の労働時間を
具体的に定めておく必要があります。


ですので、
「使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度」は、
1カ月単位の変形労働時間制には該当しません。


【 22−5−A 】は正しく、
【 18−4−A 】は誤りですね。


続いて、次の問題をみてください。


☆☆======================================================☆☆



【 9−5−B 】


労働基準法第32条の4に規定するいわゆる1年単位の変形労働時間制に関する
労使協定の中に、「労使双方の合意があれば、協定期間中であっても変形労働
時間制の一部を変更することができる」旨の規定を設け、これを所轄労働基準
監督署長に届け出た場合には、使用者は、これに基づき変形労働時間制の変更
を行うことができる。



☆☆======================================================☆☆



1年単位の変形労働時間制に関する問題ですが、
対象期間中に変形労働時間制の一部を変更することができるかどうかを
論点にしています。



1年単位の変形労働時間制は、対象期間中の
労働日とその労働日ごとの労働時間を、あらかじめ定めておく必要があります。



ですので、途中で変更することはできません。



誤りです。



変更することができるかどうか、
この点は、「1カ月単位の変形労働時間制」「1年単位の変形労働時間制」
どちらからも出題があり得ますので、併せて押さえておきましょう。


 

平成22年−労基法問4−D「災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等」

  • 2010.10.08 Friday
  • 05:53

 今回は、平成22年−労基法問4−D「災害等による臨時の必要がある場合の
時間外労働等」です。



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労働基準法第33条第1項に定める災害等による臨時の必要がある場合の時間外
労働、休日労働については、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において
行わせることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇が
ない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならないとされている。


 

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「災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等」に関する出題です。

まず、次の問題をみてください。


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【 3─4−A 】

災害によって臨時の必要がある場合には、労働基準監督署長の許可を受け、
又は事後に遅滞なく届け出ることにより、時間外労働協定を締結して
いなくても、法定労働時間を超えて労働させることができる。




【 11─3−E 】

使用者は、労使協定の締結がなくとも、災害その他避けることができない
事由によって、臨時の必要がある場合においては、行政官庁の許可を
受けることにより、法定労働時間を超えて労働させることができるが、
事態急迫のために許可を受ける時間的余裕がない場合は、当該年度の
終了時までに行政官庁に報告すれば足りる。


 

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災害等による臨時の必要がある場合には、36協定を締結しなくとも、

行政官庁の許可を受ける
又は
事後に遅滞なく届け出る

ことにより、時間外労働・休日
労働を行わせることができます。

ですので、【 22─4−D 】と【 3─4−A 】は、正しいです。


これに対して、【 11─3−E 】では、
許可を受けなかった場合の事後の手続について、
「年度の終了時までに報告する」としています。

これは、そんなにのんびりしていてよいものではありません。

「事後に遅滞なく届け出なければならない」ですね。

誤りです。


それと、許可について、誰が許可をするのかという点、

【 22─4−D 】では「行政官庁」
【 3─4−A 】では「労働基準監督署長」

としています。

どちらかでないと誤りってことはありません。

労働基準法では「行政官庁」としていて、
具体的には、労働基準法施行規則で「労働基準監督署長」としているので、
これは、どちらでも正しいことになります。

もし、ここが「都道府県労働局長」とあれば・・・・誤りですよ。


 

平成22年−労基法問2−B「休業手当」

  • 2010.10.01 Friday
  • 06:04

 今回は、平成22年−労基法問2−B「休業手当」です。


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使用者が労働基準法第20条の規定による解雇の予告をすることなく労働者を
解雇した場合において、使用者が行った解雇の意思表示が解雇の予告として
有効であり、かつ、その解雇の意思表示があったために予告期間中に解雇の
意思表示を受けた労働者が休業したときは、使用者は解雇が有効に成立する
までの期間、同法第26条の規定による休業手当を支払わなければならない。




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「休業手当」に関する出題です。

まず、次の問題をみてください。




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【 9−4−D 】

使用者が解雇予告をせずに即時解雇の通知をしたため、労働者がこれを誤信
して予告期間中に休業して就職活動をした場合には、その即時解雇の通知が
解雇予告として有効と認められるときであっても、使用者は、解雇が有効に
成立するまでの期間について、休業手当を支払う必要はない。



 

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休業手当は、

「使用者の責に帰すべき事由による休業」

があった場合に、使用者に支払が義務づけられているものです。

そこで、
「即時解雇の通知が解雇予告として有効と認められるとき」に、
労働者が、その間、休業をした場合は、
「使用者の責に帰すべき事由による休業」
に該当するかどうかというのが、いずれの問題でも論点とされています。

このような場合、
「使用者の責に帰すべき事由による休業」となります。

労働者が勝手に休んだのではありませんからね。

ですので、使用者は、
解雇が有効に成立する日までの期間、休業手当を支払わなければなりません。

【 22−2−B 】は正しく、【 9−4−D 】は誤りです。



この休業手当については、具体的例を挙げて、支払が必要かどうかを問うことが
あります。




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【 61−2−B 】

使用者は、円の急騰による輸出不振のため一時休業する場合には、労働者に
労働基準法第26条の規定による休業手当を支払わなければならない。





【 15−3−E 】

労働安全衛生法第66条の規定による健康診断の結果に基づいて、使用者が、
ある労働者について、私傷病のため、同法第66条の5第1項の定めるところ
に従い、健康診断実施後の措置として労働時間の短縮の措置を講じて労働
させた場合には、使用者は、当該労働者に対し、労働の提供のなかった限度
において賃金を支払わなくても差し支えない。




【 22−3−E 】

労働基準法第26条に定める休業手当は、使用者の責に帰すべき事由による休業の
場合に支払が義務付けられるものであり、例えば、親工場の経営難により、下請
工場が資材、資金を獲得できず休業した場合、下請工場の使用者は休業手当の
支払義務を負わない。





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【 61−2−B 】では、

「輸出不振のため一時休業」の場合、休業手当の支払が必要としています。

これは、「使用者の責に帰すべき事由」に該当するので、正しいです。


【 15−3−E 】では、

「健康診断実施後の措置として労働時間の短縮の措置を講じた」場合、
「賃金を支払わなくても差し支えない」

としています。労働していない分については、通常の賃金の支払は不要です。

では、休業手当の支払が必要かといえば、
この場合、「使用者の責に帰すべき事由」に該当しません。

ですので、支払わなくても、まったく問題はないので、正しいです。


【 22−3−E 】では、

「親工場の経営難により、下請工場が資材、資金を獲得できず休業した」場合、
「支払義務を負わない」

としています。
この場合は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当します。
ですので、休業手当の支払が必要です。

このように具体例を挙げて、支払が必要かどうかを判断させる問題、
今後も出題されるでしょう。

ということで、どのような場合に
「使用者の責に帰すべき事由による休業」
に該当するのか、判断できるようにしておきましょう。


 

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