平成21年−労災問6−C「障害補償給付の併合繰上げ」

  • 2009.12.26 Saturday
  • 08:25

 今回は、平成21年−労災問6−C「障害補償給付の併合繰上げ」です。



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障害等級表に該当する障害が2以上あって厚生労働省令の定める要件を満たす
場合には、その障害等級は、厚生労働省令の定めるところに従い繰り上げた
障害等級による。繰り上げた障害等級の具体例を挙げれば、次のとおりである。
1) 第8級、第11級及び第13級の3障害がある場合 第7級
2) 第4級、第5級、第9級及び第12級の4障害がある場合 第1級
3) 第6級及び第8級の2障害がある場合 第4級



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「障害補償給付の併合繰上げ」に関する問題です。



この規定については、とにかく、よく出題されます。
出題の形式も様々で、記述式からの出題もあり、択一式からの出題もあり、
択一式では1問構成の場合もあるし、単に1肢としての出題もあります。



ということで、次の問題をみてください。



☆☆======================================================☆☆


 

【 20−3−E 】


障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級については、同一の業務災害に
より第5級以上に該当する身体障害が2以上残った場合は、第1級を上限と
して、重い方の身体障害の障害等級を3級だけ繰り上げた障害等級による。


 

【 4−3−D 】


同一業務災害により、1手の中指を失い(障害等級第11級の身体障害)、
かつ、3歯に対し歯科補てつを加えた(障害等級第14級の身体障害)場合
は、障害等級第10級の障害補償一時金が支給される。


 

【 12−4−B 】


障害補償給付を支給すべき障害が二以上ある場合の障害等級は、重い方の
障害等級によるが、次の場合には、重い方の障害をそれぞれ当該各号に
掲げる等級だけ繰り上げた等級による。
1) 第13級以上の障害が二以上あるとき   1級
2) 第9級以上の障害が二以上あるとき   2級
3) 第6級以上の障害が二以上あるとき   3級


 

【 10−2−E 】


同一の業務災害により第4級と第5級の二つの身体障害を残した場合には、
原則として障害等級第1級の障害補償給付が支給される。


 


【 15−6 】


障害補償給付又は障害給付を支給すべき身体障害の障害等級は、労働者災害
補償保険法施行規則別表第1に定められているが、同表に掲げる身体障害が
二以上ある場合における身体障害の障害等級として、誤っているものはどれか。
A 第4級及び第5級の身体障害がある場合、第2級
B 第7級及び第8級の身体障害がある場合、第5級
C 第9級及び第14級の身体障害がある場合、第9級
D 第10級及び第12級の身体障害がある場合、第9級
E 第9級、第11級及び第13級の身体障害がある場合、第8級


 

【 8−記述 】


障害の系列を異にする身体障害について、障害等級が第( B )級以上に
該当するものが2以上あるときは、重い方の障害等級を2級だけ繰り上げた
障害等級により、障害等級が第( C )級以上に該当するものが2以上
あるときは、重いほうの障害等級を3級だけ繰り上げた障害等級によること
を原則とする。


 

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「障害等級の併合繰上げ」ですが、
複数の身体障害を残し、かつ、第13級以上の障害が2以上あるときは、その
障害等級に応じて重いほうの身体障害の等級を次のように繰り上げます。



(A) 第13級以上の障害が2以上あるとき ⇒ 1級繰り上げる。
(B) 第8級以上の障害が2以上あるとき  ⇒ 2級繰り上げる。
(C) 第5級以上の障害が2以上あるとき  ⇒ 3級繰り上げる。



障害の系列を異にする身体障害が2以上あるとき、それらを併せた状態としての
等級を定めるって、難しい面があるので、このような基準を設けて、決定する
ようにしています。



そこで、


【 21−6−C 】では、3つのパターンを挙げていますが、


1)第8級、第11級及び第13級の3障害がある場合は、
前記(A)に該当するので、第8級を1級繰上げ、第7級となります。


2)第4級、第5級、第9級及び第12級の4障害がある場合は、
前記(C)に該当するので、第4級を3級繰上げ、第1級となります。


3)第6級及び第8級の2障害がある場合は、
前記(B)に該当するので、第6級を2級繰上げ、第4級となります。


ということで、正しい内容です。

 

次に、【 20−3−E 】ですが、
前記(C)に該当するので、正しくなります。


【 4−3−D 】は、一方の障害が第14級です。
この場合、繰上げは行いません。
第13級以上の障害に第14級の障害を加えても、1つ上の等級として
評価するほどの状態にはならないので、繰上げを行いません。
ですので、【 4−3−D 】は誤りです。


【 12−4−B 】も誤りです。
「第9級」とあるのは「第8級」、「第6級」とあるのは「第5級」です。

 

【 10−2−E 】は正しい内容です。

 

【 15−6 】は、A肢が誤りです。
障害等級第5級以上の身体障害が2以上あるときは、重い方の障害等級を
3級繰り上げます。したがって、A肢の場合は第1級となります。

 

【 8−記述 】の解答は
A:8
B:5
です。


さすがに、これだけ出題されていますから、
今後も、繰り返し出題されるでしょうね。
ですので、この数字は、絶対覚えておかないといけない数字です。


この問題が出たときに、万が一、落とすようだと、
他の受験生に1点ハンディをあげたようなものですから。
絶対、落とさないようにしましょう。

 

 

平成21年−労災問4−A「休業補償給付の待期」

  • 2009.12.19 Saturday
  • 06:19

 今回は、平成21年−労災問4−A「休業補償給付の待期」です。

 

☆☆======================================================☆☆

 

休業補償給付は、業務上の傷病による療養のため労働することができないために
賃金を受けない日の第4日目から支給されるが、それまでの3日間については、
労働基準法第76条により使用者が直接に休業補償を行わなければならない。

 

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「休業補償給付の待期」に関する問題です。

休業補償給付の待期に関しては、過去に何度も出題されています。

次の問題をみてください。

 

☆☆======================================================☆☆

 


【 17−4−C 】


休業補償給付又は休業給付は、業務上の事由又は通勤による傷病の療養の
ため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給
される。

 


【 12−3−B 】


休業補償給付は、労働者が業務上の傷病による療養のため労働することが
できないために賃金を受けない日の属する週の翌週から支給される。

 


【 15−4−A 】


労働者が業務上の傷病による療養のため労働することができないために
賃金を受けない場合には、その第1日目から第3日目までは使用者が労働
基準法第76条の規定に基づく休業補償を行い、第4日目からは休業補償
給付が支給される。

 


【 15−4−B 】


労働者が通勤による傷病に係る療養のため労働することができないために
賃金を受けない場合には、使用者による休業補償はないが、給付費用の
一部負担金に相当する額を減額した休業給付が第1日目から支給される。

 


【 8−2−C 】


 労働基準法上使用者に補償義務が課されていない通勤による傷病に
基づく休業についても、休業給付は待期期間3日間を経過した第4日目
から支給される。

 


☆☆======================================================☆☆

 

休業補償給付等の待期に関する問題です。

 

休業補償給付、休業給付いずれについても支給開始は4日目からです。
基本中の基本です。
絶対に間違えてはいけないところです。

 

ですので、【 17−4−C 】は正しい。

 

【 12−3−B 】は誤りです。翌週ではありませんよね。

 


では、その次の2つの問題ですが・・・・

 

【 15−4−A 】は、待期期間中は労働基準法の規定に基づき休業補償が
行われることを出題したものです。その通り正しいですね。
【 21−4−A 】も同じですね。正しいです。

 

そもそも業務災害に関しては、使用者に災害補償の義務があるのですから、
労災保険の保険給付が行われないのであれば、使用者は災害補償をしなければ
なりませんので。

 

【 15−4−B 】ですが、通勤災害の場合、使用者の責任はないので、
休業補償はありません。だからといって、休業初日から支給されるのか
といえば、それはありませんよね。もちろん誤りです。

 

休業補償は、労働基準法の問題であって、労災保険とは関係ありません。
ですので、労災保険制度内において休業補償給付と休業給付とで支給開始
時期に差をつけるなんてことはありません。
いずれも4日目から支給です。

 

ということで、【 8−2−C 】は、正しいということです。

 

基本的な内容でも、問題文の中に言い訳じみたことが書かれていたりすると、
ひっかかってしまうなんてこともあるので、そのような言葉に騙されない
ようにしましょう。


 

平成21年−労災問3−A「療養の給付」

  • 2009.12.12 Saturday
  • 06:18

 今回は、平成21年−労災問3−A「療養の給付」です。

 

☆☆======================================================☆☆

 

療養補償給付のうち、療養の給付は、指定病院等において行われるほか、
厚生労働大臣が健康保険法に基づき指定する病院等においても行われる。

 

☆☆======================================================☆☆

 

「療養の給付」が行われる場所に関する問題です。


この論点は、過去に何度も出題されています。


次の問題をみてください。

 

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【 14−2−B−改題 】


療養補償給付は、療養の給付を原則としており、この療養の給付は、社会復帰
促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定
する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問看護事業者において行うほか、
都道府県労働局長の指定がなくても、厚生労働大臣が健康保険法に基づき指定
する病院若しくは診療所又は薬局若しくは訪問看護事業者であれば行うことが
できる。

 

【 19−4−A 】


療養の給付は、労災保険法第29条第1項の事業として設置された病院若しくは
診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問
看護事業者において行われる。

 

【 17−7−E−改題 】


療養の給付は、社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は
厚生労働大臣の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問看護事業者に
おいて行われる。

 

【 5−3−B−改題 】


療養の給付は、社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は
都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問看護事業者
において行う。

 


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療養の給付は、


1)社会復帰促進等事業として設置された病院又は診療所
2)都道府県労働局長の指定する病院もしくは診療所、薬局又は訪問看護事業者


において行われます。


【 21−3−A 】と【 14−2−B−改題 】では、

「健康保険法の規定に基づき指定する病院・・・・」
つまり、保険医療機関等で療養の給付が行われるといっています。


健康保険の指定と労災保険の指定は別物です。制度が違うのですから。
健康保険の保険医療機関等であっても、労災保険の指定を受けていない
のであれば、労災保険の療養の給付を行うことはできません。


ですので、いずれも誤りです。


そこで、
指定病院に係る指定ですが、
【 17−7−E−改題 】では、厚生労働大臣が行うとしています。
厚生労働大臣ではありませんよ。
この指定は、都道府県労働局長が行います。


ということで、【 17−7−E−改題 】は誤りで、
【 19−4−A 】、【 5−3−B−改題 】は正しいです。


この部分は、今後も出題されるでしょうから、
確実に正誤の判断ができるようにしておきましょう。


 

平成21年−労災問2−C「給付基礎日額の端数処理」

  • 2009.12.04 Friday
  • 06:06

 今回は、平成21年−労災問2−C「給付基礎日額の端数処理」です。


☆☆======================================================☆☆


給付基礎日額に1円未満の端数があるときは、それが1円に切り上げ
られる。


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給付基礎日額の端数処理に関する問題です。

まずは、次の問題をみてください。


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【15‐1‐E】

給付基礎日額に1円未満の端数があるときは、これを切り捨てるもの
とする。



【8‐2‐B】

給付基礎日額は、原則として、労働基準法第12条の平均賃金に相当する
額とされており、給付基礎日額に1円未満の端数があるときは、これを
切り上げるものとされている。

 

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給付基礎日額の端数処理に関する出題ですが、
いずれも1円未満の端数をどう処理するかという点が論点です。

自動変更対象額は、10円未満の端数を処理し、10円単位にしますが、
給付基礎日額の端数処理は1円単位にします。

まず、この違いは押さえてかなければならない点です。

で、給付基礎日額の1円未満の端数は、一律に切り上げます。

切り捨てたり、四捨五入をしたりするのではありません。
ということで、
【20‐1‐C】と【8‐2‐B】は正しいです。
【15‐1‐E】は、「切捨て」としているので誤りです。


給付基礎日額の端数処理は、
労働者側に有利になるようになっていると考えておけば、
「切上げ」だということが、すぐに出てくるでしょう。


 

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