平成20年−厚年法問2−E「保険料の徴収」

  • 2009.07.25 Saturday
  • 06:25

 今回は、平成20年−厚年法問2−E「保険料の徴収」です。


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平成20年4月30日に適用事業所に使用され、平成20年5月31日に当該
適用事業所に使用されなくなった厚生年金保険の被保険者(70歳未満であり、
退職後は国民年金の第1号被保険者となるものとする)の保険料は、4月分
と5月分の2か月分が徴収される。

 

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「保険料の徴収」に関する出題です。


この規定に関しては、頻繁に出題されるというほどではないのですが・・・
事例的に出題されることがあり、
そのような場合、意外と適切な判断ができないってことがあります。


ということで、次の問題をみてください。

 

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【 15−1−E 】


厚生年金保険の保険料は、被保険者の資格を取得した月はその期間が1日でも
あれば徴収され、資格を喪失した月の保険料は徴収されないが、月末付けで退職
したときは当該月の保険料は徴収される。

 

【 9−3−B 】


保険料は月単位で計算されるので、月の途中の入退社などがあっても、日割り
計算で徴収又は還付することはない。そのため、資格取得日がたとえ月末で
あっても1か月分の保険料を納めることとなる。

 

【 11−記述 】


厚生年金保険の保険料額は、( A )を取得した月から、( A )を
喪失した月の前月までの各月について、( B )に保険料率を乗じて得た
額とする。

 

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保険料の徴収については、
被保険者期間の計算の基礎となる各月について行われます。


つまり、
被保険者資格を取得した月から被保険者資格を喪失した月の前月までです。


【 15−1−E 】では、
「被保険者の資格を取得した月はその期間が1日でもあれば徴収され」
とあります。


【 9−3−B 】では、
「資格取得日がたとえ月末であっても1か月分の保険料を納めることとなる」
とあります。


その通りですね。

被保険者の資格を取得した月は、その期間の長短にかかわらず、徴収されます。
日割り計算ということもありません。
ですので、【 9−3−B 】は正しいですね。


【 15−1−E 】では、さらに、
「月末付けで退職したときは当該月の保険料は徴収される」
とあります。

被保険者資格の喪失は、退職した日の翌日です。
ですので、月末付けで退職したときは、翌月の1日に資格の喪失となります。
ということは、月末退職した月は、保険料が徴収されることになります。


ということで、【 15−1−E 】は正しいです。

 

【 20−2−E 】は、より具体的な問題です。


「平成20年4月30日に適用事業所に使用され」
とあります。
この場合、前述のように、4月は保険料が徴収されます。


また、「5月31日に当該適用事業所に使用されなくなった」
とあります。


この「使用されなくなった」という言葉、
勘違いしている人、たまにいます。


「資格喪失」という意味ではありませんからね。


「退職した」という意味です。


ですので、
5月31日に当該適用事業所に使用されなくなったのであれば、
資格喪失は6月1日となるので、5月分の保険料は徴収されます。


ということで、
4月分と5月分の保険料が徴収される
は、正しくなります。

 

【 11−記述 】の答えは
A:被保険者の資格
B:標準報酬月額(出題当時)

 

ちなみに、この論点は、


【 19−健保6−A 】


被保険者の保険料は月を単位として徴収され、資格取得日が月の最終日で
あってもその月分の保険料は徴収され、資格喪失日が月の最終日であっても
原則としてその月分の保険料は徴収されない。


と、出題されたこともあります。
これも正しいです。

 

平成20年−厚年法問1−B「加給年金額」

  • 2009.07.20 Monday
  • 06:31

 今回は、平成20年−厚年法問1−B「加給年金額」です。


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障害の程度が障害等級の1級又は2級に該当する者に支給される障害厚生年金
の額に加算されている配偶者の加給年金額は、配偶者の生年月日にかかわらず、
当該配偶者が65歳に達した日の属する月の翌月分から加算されなくなる。


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「加給年金額」に関する出題です。


配偶者を対象とした加給年金額、
配偶者が65歳以上となっても支給されるかどうか?

これを論点にした問題、ときどき出題されます。

ということで、次の問題をみてください。


☆☆======================================================☆☆


【 15−3−E 】

大正15年4月1日以前に生まれた配偶者に係る老齢厚生年金の加給年金額に
ついては、配偶者が65歳に達しても加給年金額の加算が停止されることは
ない。



【 12−7−A 】

老齢厚生年金の受給権者の配偶者が昭和9年4月1日以前の生まれの場合
には、その配偶者には65歳に達しても老齢基礎年金が支給されないため、
引き続き当該老齢厚生年金に加給年金額が加算される。



【 8−10−C 】

老齢厚生年金の受給権者の配偶者が大正15年4月1日以前の生まれ
の場合には、その配偶者には65歳に達しても老齢基礎年金が支給
されないため、引き続き老齢厚生年金に加給年金額が加算される。


 

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【 20−1−B 】は、障害厚生年金の加給年金額に関する問題です。
残りの3問は、老齢厚生年金の加給年金額に関する問題です。

いずれについても、扱いは同じです。

配偶者が65歳になれば、自らの老齢基礎年金が支給されます。

つまり、配偶者自らに所得保障が行われることになるわけで・・・
であれば、加給年金額を加算する必要性に欠けるってことです。

そのため、配偶者が65歳になると、加給年金額が加算されなく
なります。

ただ、老齢基礎年金が支給されないってことですと・・・・・
加給年金額を加算しておく必要があります。



そこで、配偶者が、
老齢基礎年金の支給されない人、
そう、旧法が適用される人、
つまり、大正15年4月1日以前生まれの人
だったら、65歳になっても、加給年金額を引き続き加算することに
しています。



【 20−1−B 】では、
「配偶者の生年月日にかかわらず・・・・・加算されなくなる」
とあるので、誤りです。



【 15−3−E 】は、
「大正15年4月1日以前に生まれた配偶者」について、
「65歳に達しても・・・・加算が停止されることはない」
としているので、正しくなります。


【 12−7−A 】は、配偶者の生年月日が
「昭和9年4月1日以前の生まれ」
となっています。

これは、違いますよね。
誤りです。


【 8−10−C 】は、そのとおり、正しいですね。
他の問題の解説文になりそうな文章です。



配偶者に関する加給年金額、
単純に、原則論として訊いてこられたら、
「65歳に達した場合」に「加算されなくなる」で、正しいのですが、
生年月日を絡めてきたら、注意です。

65歳に達しても、引き続き加給年金額が加算される場合がありますので。

 

平成20年−厚年法問1−A「保険給付の制限」

  • 2009.07.12 Sunday
  • 07:07

 今回は、平成20年−厚年法問1−A「保険給付の制限」です。


☆☆======================================================☆☆

 

社会保険庁長官は、障害厚生年金の受給権者が、重大な過失により、その障害の
程度を増進させたときは、当該障害厚生年金の額の一部につき、その支給を停止し、
又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するもの
として、当該障害厚生年金の額の改定を行うことができる。

 

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「保険給付の制限」に関する出題です。

保険給付の制限に関しては、似たような規定があり・・・・・
混同してしまっている受験生も多いのではないでしょうか?

ということで、次の問題をみてください。


☆☆======================================================☆☆

 

【 12−6−E 】


障害等級に該当する程度の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を
有する子が、重大な過失によりその障害の回復を妨げたときは、年金たる保険給付
の支給は全部を停止する。

 

【 17−2−E 】


被保険者又は被保険者であった者が正当な理由なくて療養に関する指示に従わ
なかったことにより障害の回復を妨げたときは、保険給付の全部又は一部を行わ
ないことができ、また、その者が障害厚生年金の受給権者であった場合には、
現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして給付額の改定を行う
ことができる。

 

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まず、厚生年金保険法の給付制限ですが、


障害厚生年金の受給権者が、故意もしくは重大な過失により、又は正当な
理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を
増進させ、又はその回復を妨げたときは、年金額の改定を行わず、又は
その者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当する
ものとして、改定を行うことができる。


という規定があります。


さらに、


障害等級に該当する程度の障害の状態にあることにより、年金たる保険給付
の受給権を有し、又はその者について加算が行われている子が、故意もしくは
重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないこと
により、その障害の回復を妨げたときは、年金たる保険給付の額の全部又は
一部につき、その支給を停止することができる。


という規定もあります。

 

【 20−1−A 】では、
「障害の程度を増進させた」⇒「支給を停止」
とあります。


回復を妨げたときは、支給停止もありますが、増進させたときは、支給停止の
対象ではありません。


さらに、「減額改定する」ともありますが、
減額改定をするのではなく、増額改定を行わないということになります。


ですので、誤りです。


ここは、けっこう紛らわしいところですよね。


よくなるのに、それを妨害したら、
支給を停止したり、よくなったとして減額改定するって扱いをし・・・

悪くなったとしても・・・元々の障害に関する部分は保障する
ってことで、支給を停止するのではなく、増額改定しないだけになるんですね。

 

【 12−6−E 】は「全部を停止」とあるので、
誤りですね。
「全部又は一部」ですから。

 

【 17−2−E 】は、受給権者となる前に「障害の回復を妨げた」場合も
論点としていますが、この場合は、まだ受給権がない状態ですから、「停止」
ではなく、「全部又は一部を行わない」で、正しくなります。
後半部分は、受給権者についてで、「回復を妨げた⇒減額改定」とあり、
正しいですね。


これらの給付制限、
出題頻度が極めて高いってものではありませんが、
出題されるときは、
「正解の肢」を選び難くするようなものとして、出題してくるので、


どのような場合に、どのような制限が行われるのか、
きちっと整理しておいたほうがよいでしょう。


類似規定と混同して・・・・
取れる問題を・・・1つ失ってしまうなんてことにならないように。


平成20年−国年法問10−E「遺族基礎年金の失権」

  • 2009.07.06 Monday
  • 05:53

 今回は、平成20年−国年法問10−E「遺族基礎年金の失権」です。


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遺族基礎年金の失権事由のうち妻と子に共通するものは、受給権者が、死亡した
とき、婚姻をしたとき、及び直系血族又は直系姻族以外の養子になったときである。


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「遺族基礎年金の失権事由」に関する出題です。


失権事由は、妻に限るものや子に限るもの、共通のものとありますが、
この問題は、共通のものについて出題しています。


そこで、失権事由に関して、次の問題をみてください。

 

☆☆======================================================☆☆

 

【 7−3−C 】


遺族基礎年金の受給権は、受給権者が祖父の養子となった場合には、消滅
する。

 

【 16−3−C 】


夫の死亡により遺族基礎年金の受給権者となった妻が、夫の父と養子縁組を
した場合、当該遺族基礎年金の受給権は消滅しない。

 

【 15−2−A 】


遺族基礎年金の受給権を有する妻とその子のうち、すべての子が直系血族又は
直系姻族の養子になった場合、妻と子の受給権は消滅する。

 

【 19−3−B 】


妻に支給する遺族基礎年金は、加算事由に該当する子が1人のときは、その
子が妻以外の養子となったときに消滅するが、その子が直系血族又は直系
姻族の養子になったときは、この限りではない。

 

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遺族基礎年金の妻と子に共通する失権事由は、


1) 死亡したとき
2) 婚姻をしたとき
3) 直系血族又は直系姻族以外の養子になったとき


の3つです。


ですので、【 20−10−E 】は正しい内容です。


そこで、そのほかの問題ですが、
いずれも養子となった場合の取扱いです。


【 7−3−C 】では、「祖父の養子となった⇒失権」としています。
祖父は直系血族ですから、失権事由に該当しません。

ですので、誤りです。


これに対して、
【 16−3−C 】は「夫の父と養子縁組⇒失権しない」としています。
夫の父は直系姻族になりますから、この場合は、失権しません。

ということで、【 16−3−C 】は正しいですね。

 

【 15−2−A 】は、
「すべての子が直系血族又は直系姻族の養子になった」とあります。
この場合、妻は子のない妻となってしまいます。
ですので、妻は失権します。


では、子は、といえば、
直系血族又は直系姻族の養子ですから、失権しませんね。

にもかかわらず、この問題では、
妻も子も、いずれも失権としていますから、誤りです。

 

最後の【 19−3−B 】は、【 15−2−A 】と同じといえますね。


「子が直系血族又は直系姻族の養子になった」ということは、
子が妻以外の者の養子となったのですから、
妻は子のない妻になったことになります。
ですので、失権します。


子や妻が養子となった場合の取扱い、
色々なパターンで出題されてきますので、


考え方を、きちっと理解しておきましょう。

 

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