平成20年労災保険法3−E「障害等級の併合繰上げ」

  • 2008.11.27 Thursday
  • 06:08
今回は、平成20年労災保険法3−E「障害等級の併合繰上げ」です。

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障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級については、同一の業務災害
により第5級以上に該当する身体障害が2以上残った場合は、第1級を上限
として、重い方の身体障害の障害等級を3級だけ繰り上げた障害等級による。

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「障害等級の併合繰上げ」に関する出題です。

この規定については、よく出題されます。
出題の形式も様々で、記述式からの出題もあり、択一式からの出題もあり、
択一式では1問構成の場合もあるし、単に1肢としての出題もあります。

ということで、次の問題をみてください。

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【 4−3−D 】

同一業務災害により、1手の中指を失い(障害等級第11級の身体障害)、
かつ、3歯に対し歯科補てつを加えた(障害等級第14級の身体障害)場合
は、障害等級第10級の障害補償一時金が支給される。


【 12−4−B 】

障害補償給付を支給すべき障害が二以上ある場合の障害等級は、重い方の
障害等級によるが、次の場合には、重い方の障害をそれぞれ当該各号に
掲げる等級だけ繰り上げた等級による。
1 第13級以上の障害が二以上あるとき   1級
2 第9級以上の障害が二以上あるとき   2級
3 第6級以上の障害が二以上あるとき   3級


【 10−2−E 】

同一の業務災害により第4級と第5級の二つの身体障害を残した場合には、
原則として障害等級第1級の障害補償給付が支給される。


【 15−6 】

障害補償給付又は障害給付を支給すべき身体障害の障害等級は、労働者災害
補償保険法施行規則別表第1に定められているが、同表に掲げる身体障害が
二以上ある場合における身体障害の障害等級として、誤っているものはどれか。
A 第4級及び第5級の身体障害がある場合、第2級
B 第7級及び第8級の身体障害がある場合、第5級
C 第9級及び第14級の身体障害がある場合、第9級
D 第10級及び第12級の身体障害がある場合、第9級
E 第9級、第11級及び第13級の身体障害がある場合、第8級

【8−記述】

障害の系列を異にする身体障害について、障害等級が第( A )級以上に
該当するものが2以上あるときは、重い方の障害等級を2級だけ繰り上げた
障害等級により、障害等級が第( B )級以上に該当するものが2以上
あるときは、重いほうの障害等級を3級だけ繰り上げた障害等級によること
を原則とする。


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「障害等級の併合繰上げ」ですが、
複数の身体障害を残し、かつ、第13級以上の障害が2以上あるときは、その障害
等級に応じて重いほうの身体障害の等級を次のように繰り上げます。

1) 第13級以上の障害が2以上あるとき ⇒ 1級繰り上げる。
2) 第8級以上の障害が2以上あるとき ⇒ 2級繰り上げる。
3) 第5級以上の障害が2以上あるとき ⇒ 3級繰り上げる。

障害の系列を異にする身体障害が2以上あるとき、それらを併せた状態として
の等級を定めるって、難しい面があるので、このような基準を設けて、決定する
ようにしています。

そこで、
【 20−3−E 】は3)に該当するので、正しくなります。

【 4−3−D 】は、一方の障害が第14級です。
この場合、繰上げは行いません。
第13級以上の障害に第14級の障害を加えても、1つ上の等級として評価する
ほどの状態にはならないので、繰上げを行いません。
ですので、【 4−3−D 】は誤りです。

【 12−4−B 】も誤りです。
「第9級」とあるのは「第8級」、「第6級」とあるのは「第5級」です。

【 10−2−E 】は正しい内容です。

【 15−6 】は、A肢が誤りです。
障害等級第5級以上の身体障害が2以上あるときは、重い方の障害等級を3級
繰り上げます。したがって、A肢の場合は第1級となります。

【8−記述】の解答は A:8  B:5 です。

これだけ出題されていますから、今後も、繰り返し出題されるでしょうね。

平成20年労災保険法3−A「療養(補償)給付の請求」

  • 2008.11.19 Wednesday
  • 06:29
今回は、平成20年労災保険法3−A「療養(補償)給付の請求」です。

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療養補償給付又は療養給付の請求書は、療養の給付又は療養の費用のいずれ
についても、療養を受ける病院、診療所等を経由し所轄労働基準監督署長に
提出しなければならない。


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「療養(補償)給付の請求」に関する出題です。

請求書の提出に関しては、経由について、何度も論点にされています。

次の問題をみてください。

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【15−3−D】

療養補償給付又は療養給付を受けようとする者は、療養の給付又は療養の費用
の支給のいずれについても、所定の請求書を当診療養に係る病院若しくは診療
所、薬局又は訪問看護事業者を経由して所轄労働基準監督署長に提出しなければ
ならない。


【10−2−A】

療養補償給付の請求書は、必ず療養を受けている病院を経由して所轄労働基準
監督署長に提出しなければならない。


【8−7−A】

療養の給付を受けようとする者は、所定の請求書を、当該療養の給付を受け
ようとする指定病院等を経由して所轄労働基準監督署長に提出しなければなら
ない。

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療養の給付は、指定病院等で現物給付として支給を受けます。
指定病院等は、当然、労災保険と関係がある病院等なので、
「療養補償給付たる療養の給付請求書」は、その療養を受ける病院等
を経由して提出しなければなりません。

これに対して、療養の費用の支給は、労災保険となんら関係のない
病院等で療養を受けた場合に支給されるものです。
労災保険と関係のない病院等、労災保険への請求書を出されても・・・
困ってしまいますよね。
ですので、
「療養補償給付たる療養の費用請求書」は、直接、所轄労働基準監督
署長へ提出しなければなりません。
病院等を経由して提出することはできません。

【15−3−D】と【20−3−A】は、いずれも療養の費用の請求に
ついて、病院等を経由して提出するとしているので、
誤りです。

【10−2−A】は、「療養補償給付」としています。
つまり、療養の費用の支給も含まることになるので、誤りですね。

これに対して、
【8−7−A】は療養の給付の請求だけですので、「指定病院等を経由」
ということで、正しくなります。

指定病院等を経由するのは、現物給付の「療養の給付」の場合だけです。
間違えないようにしてくださいね。
特に、「療養補償給付」として出題されたときは、注意です。

平成20年労災保険法2−A「通勤による疾病」

  • 2008.11.14 Friday
  • 06:17
今回は、平成20年労災保険法2−A「通勤による疾病」です。

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通勤による疾病については、通勤による負傷に起因する疾病のほか、業務上の
疾病の範囲を定める厚生労働省令の規定が準用される。


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「通勤による疾病」に関する出題です。

最近、これに関しては、よく出ます。

次の問題をみてください。

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【 13−1−C 】

通勤による疾病は、厚生労働省令で定めるものに限られる。


【 17−2−A 】

業務上の事由による疾病として療養補償給付の対象となる疾病の範囲は、
厚生労働省令(労働基準法施行規則別表第1の2)で定められており、
通勤による疾病として療養給付の対象となる疾病の範囲も、この厚生
労働省令の規定が準用される。


【 14−2−D 】

通勤による疾病の範囲は、通勤による負傷に起因する疾病のほか、業務
上の疾病の範囲に準じて厚生労働大臣告示において具体的に疾病の種類
が列挙されている。


【 19―1−B 】

通勤による疾病とは、通勤途上で生じた疾病その他厚生労働省令で
定める疾病をいう。


【 18−選択 】

労働者災害補償保険法による保険給付の事由となる業務災害及び通勤災害
のうち業務上の疾病の範囲は、( A )で、通勤災害のうち通勤による
疾病の範囲は、( B )で定められている。
 業務上の疾病として( A )の別表第1の2に掲げられている疾病の
うち同表第9号に掲げられている疾病は、その他( C )である。
 通勤による疾病として( B )に定められている疾病は、( D )に
起因する疾病その他( E )である。


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「通勤による疾病」ですが、【 13−1−C 】にあるように、「厚生労働省令
で定めるものに限る」とされています。
で、厚生労働省令では、
「通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病」
とされています。

この厚生労働省令というのは、「労働者災害補償保険法施行規則」です。
「労働基準法施行規則」ではありませんので。

業務災害は労働基準法の災害補償がベースになっていますが、
通勤災害は、労災保険で独自に保護していますから、根拠は、労災保険法に
あるので、疾病の範囲も「労働者災害補償保険法施行規則」で規定しています。

なので、
業務上の疾病の範囲を定める厚生労働省令の規定が準用されているのではあり
ません。

また、【 14−2−D 】にあるように
「厚生労働大臣告示において具体的に疾病の種類が列挙されている」
ってことはありません。

ということで、
【 20―2−A 】、【 17−2−A 】、【 14−2−D 】は誤り。
【 13−1−C 】は正しくなります。

それと、
【 19―1−B 】には、「通勤途上で生じた疾病」とありますが、
これらすべてが「通勤による疾病」に該当するわけではありません。
通勤途上であっても、通勤に起因しないことで生じる疾病もあります
から。
ですので、誤りです。


【 18−選択 】の【 解答 】は

A:労働基準法施行規則
B:労働者災害補償保険法施行規則
C:業務に起因することの明らかな疾病
D:通勤による負傷
E:通勤に起因することの明らかな疾病

です。

これだけ出ていますからね、
今後出題されたときは、絶対に間違えてはいけませんよ。

平成20年労働安全衛生法10−A「統括安全衛生責任者」

  • 2008.11.08 Saturday
  • 06:13
今回は、平成20年労働安全衛生法10−A「統括安全衛生責任者」です。

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特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者が同一の場所で混在
して仕事をすることによって生ずる労働災害を防止するため、労働安全衛生法施行
令第7条第2項で定める仕事の区分により、統括安全衛生責任者を選任しなければ
ならないが、この場合、その労働者及び関係請負人の労働者が常時40人のずい道
の建設の仕事については、統括安全衛生責任者を選任する必要はない。


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「統括安全衛生責任者」に関する出題です。

最近、「統括安全衛生責任者」については、出題されていませんでした。
ですので、久々の出題です。

次の問題をみてください。

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【61−10−D】

建設業の特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者数が一の場所
において作業を行う場合に、これらの労働者の数が一定数以上であるときは、
統括安全衛生責任者を選任しなければならない。


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特定元方事業者の労働者と関係請負人の労働者の数を合計した数が、一定数
以上の場合には、特定元方事業者に統括安全衛生責任者の選任が義務付けられ
ています。

ですので、【61−10−D】は正しくなります。

【20−10−A】では、
「その労働者及び関係請負人の労働者が常時40人」と具体的な人数で出題
しています。

統括安全衛生責任者は、同一の場所において、その労働者及び関係請負人の
労働者の数の合計が、原則として50人以上の場合に選任をしなければなり
ませんが、
ずい道等の建設の仕事、一定の橋梁の建設の仕事、圧気工法による作業を
行う仕事の場合は、その労働者及び関係請負人の労働者の数の合計が30人
以上の場合に、選任しなければなりません。

ですので、常時40人のずい道の建設の仕事では選任が必要となります。
ということで、【20−10−A】は誤りですね。
50人以上でないので、選任が必要ないのでは?なんて思わせようとした
出題です。

では、続いて、次の問題をみてください。

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【 57−記述 】

元方事業者のうち( A )又は( B )に属する事業を行う特定元方事業者
は、その労働者及び関係請負人の労働者が同一の場所で混在して作業すること
から生ずる労働災害を防止するため、これらの労働者の数が常時50人(ずい道等
の建設の仕事、橋梁の建設の仕事(一定の場所において行われるものに限る)、
( C )による作業を行う仕事にあっては、常時30人)以上であるときは、
( D )を選任し、協議組織の設置・運営等の一定の事項を( E )させ
なければならない。


【 5−記述 】

建設業の元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者が一の場所(これら
の労働者の数が常時50人以上である場所等に限る)で作業を行うときは、作業
が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、
( A )及び( B )を選任し、( A )に( B )の指揮をさせる
とともに( C )の設置・運営等の一定の事項を統括管理させなければなら
ない。この場合に関係請負人は、( D )を選任し、( A )との連絡等
を行わせなければならない。

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統括安全衛生責任者に関しては、このように記述式から出題されたことがあり
ます。

答えは

【 57−記述 】 
A:建設業        
B:造船業    
C:圧気工法  
D:統括安全衛生責任者  
E:統括管理 

【 5−記述 】 
A:統括安全衛生責任者  
B:元方安全衛生管理者  
C:協議組織       
D:安全衛生責任者

です。
労働者数については、空欄になっていませんが。
今後、労働者数を空欄にした出題があるかもしれませんね。

【 5−記述 】については、Eの空欄部分は省略していますが、
いずれも安衛法だけで1問として出題れているんですよね。

5つの空欄のうち、3つが労基法、2つが安衛法というルール、
ありませんから、こういう出題もあり・・・

このような安衛法だけの出題、今後あるかといえば、その可能性は低い
でしょうが、万が一、出題されたら・・・
で、もし安衛法を捨てていたなんてことですと、
かなり厳しい状況になってしまいます。

安衛法、択一式で3問しか出ないから、捨ててしまおうなんて
安易に考えるのは、やめたほうがよいですね。

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