平成19年雇用保険法問1―D「派遣労働者への適用」

  • 2008.01.27 Sunday
  • 08:30
今回は、平成19年雇用保険法問1―D「派遣労働者への適用」です。

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いわゆる登録型の派遣労働者が、同一の派遣元事業主の下で期間2か月の
雇用契約による派遣就業を繰り返す場合、1つの雇用契約期間と次の雇用
契約期間との間に数日程度の間隔があっても、このような状態が通算して
1年以上続く見込みがあり、かつ、1週間の所定労働時間が20時間以上で
あれば、被保険者となる。

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登録型の派遣労働者が被保険者になるか否かを論点にした問題です。

登録型の派遣労働者の扱い、過去に何度か出題されています。
次の問題を見てください。

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【 13−1−D 】

いわゆる登録型派遣労働者が短期の派遣就業を繰り返す場合、各回の派遣先が
異なっていても、同一の派遣元で反復継続して6か月以上派遣就業することが
見込まれるならば、年収見込額のいかんを問わず、被保険者となる。


【 11−2−B 】

一般労働者派遣事業を行う者が、ある労働者と、週所定労働時間が15時間
で1年間派遣就業させることとして、雇用契約を結んだ。派遣就業によって
得られる賃金が、年額60万円程度しか見込まれなかったので、被保険者
として届け出なかった。

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登録型の派遣労働者は、次の要件を満たした場合には、被保険者となります。

1 一の派遣元事業主に1年以上引き続き雇用されることが見込まれること、
  又はその雇用契約期間が1年未満であっても、雇用契約と次の雇用契約の
  間隔が短く、その状態が通算して1年以上続く見込みがあること
2 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

雇用される期間が短かったり、所定労働時間が短いような場合は、被保険者と
しないことにしています。
短時間就労者なども、考え方は同じです。

そこで、【 19−1−D 】ですが、
これは要件を満たしているので正しくなります。

【 13−1−D 】は、「6か月以上」とあるので、これでは必ずしも要件を
満たしていません。ですから、誤りです。

【 11−2−B 】は、期間は1年間となっていますが、所定労働時間が15時間
と、この点で要件を満たせません。
ですので、被保険者にはならないので、届出をしないということで正しくなります。


ちなみに、【 13−1−D 】、【 11−2−B 】では、年収についても
取り上げていますが、以前は年収要件があったためです。
現在は、年収要件はありませんので、年収いくら以上なんて出題があれば、
それは誤りです。


派遣労働者の取扱い、様々な科目で出題されていますので、
今後も、注意しておかないといけない項目ですね。

平成19年労災保険法問5―A「傷病(補償)年金の支給」

  • 2008.01.20 Sunday
  • 08:16
今回は、平成19年労災保険法問5―A「傷病(補償)年金の支給」です。

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業務上の傷病又は通勤による傷病が療養開始後1年6か月を経過しても治らず、
かつ、当該傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当する
労働者は、所轄労働基準監督署長に所定の請求書を提出し、傷病補償年金又は
傷病年金の支給を受けることができる。なお、傷病補償年金又は傷病年金の支給
を受けることとなったときは、休業補償給付又は休業給付は支給されない。

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傷病補償年金等の支給に関する問題です。これは何度も出題されている論点です。

ということで、まず、次の問題を見てください。

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【 12−5−B 】

傷病補償年金は、休業補償給付に代えて支給されるものであるので、休業
補償給付の受給者が請求した場合に限り、支給される。


【 13−3−B 】

傷病補償年金は、傷病が療養開始後1年6か月を経過しても治らず、かつ、
障害の状態が所定の傷病等級に該当する場合に被災労働者の請求に基づき
支給されるのが原則であるが、療養開始後3年を経過しても傷病が治らず、
かつ、障害の状態が所定の傷病等級に該当する場合には、所轄労働基準監督
署長の職権によって休業補償給付から傷病補償年金へ切り替えられる。


【 16−5−A 】

傷病補償年金又は傷病年金は、当該傷病に係る療養の開始後1年6か月を経過
した日以後において当該傷病が治っておらず、かつ、当該傷病による障害の
程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当する場合に、請求に基づき支給
される。

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「傷病補償年金」、他の保険給付とは異なる点があるので、そこを狙った出題が
頻繁にあります。

これらの問題はすべて誤りです。
理由は、簡単ですよね。
どれも傷病補償年金の支給は請求に基づくものといっています。
でも、傷病補償年金の支給の決定は、請求によるのではありませんよね。
所轄労働基準監督署長が職権で支給を決定するものです。

この論点は、ほんとうによく出題されます。
でも、レベルの高い話ではないので、出題されたときは、必ず正解できるよう
にしないといけませんね。
このような問題を落としてしまうと、致命傷になりかねませんからね。

平成19年労災保険法問4―A「療養(補償)給付に係る指定病院等」

  • 2008.01.12 Saturday
  • 09:09
今回は、平成19年労災保険法問4―A「療養(補償)給付に係る指定病院等」
です。

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療養の給付は、労災保険法第29条第1項の事業として設置された病院若しくは
診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは
訪問看護事業者において行われる。

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療養の給付は、どこで行われるのかということを論点にした問題です。
この論点、よく出題されます。

ということで、まず、次の問題を見てください。

☆☆==============================================================☆☆

【 17−7−E 】

療養の給付は、社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は
厚生労働大臣の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問看護事業者
において行われる。

【 5−3−B 】

療養の給付は、社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所
又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問
看護事業者において行う。

【 14−2−B 】

療養補償給付は、療養の給付を原則としており、この療養の給付は、社会
復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長
の指定する病院若しくは診療所、薬局若しくは訪問看護事業者において行う
ほか、都道府県労働局長の指定がなくても、厚生労働大臣が健康保険法に
基づき指定する病院若しくは診療所又は薬局若しくは訪問看護事業者で
あれば行うことができる。

【 15−3−E 】

二次健康診断等給付は、労災保険法第29条第1項の社会復帰促進等事業
として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長が療養の給付
を行う病院若しくは診療所として指定した病院若しくは診療所において行う。


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療養の給付が行われる場所、単に「指定病院等」なんて覚えていると出題者
の思うツボですね。
指定病院等というのは、労災病院等と指定医療機関であり、これらって、
具体的に何かといえば、労災病院等は社会復帰促進等事業として設置された
病院もしくは診療所です。
では、指定医療機関というのは、指定された医療機関ですが、誰が指定する
のでしょうか。厚生労働大臣ではありませんね。
都道府県労働局長が指定します。

ということで、【 17−7−E 】は誤りで、
【 19−4−A 】、【 5−3−B 】は正しいですね。

健康保険の保険給付の「療養の給付」を担当する病院などの1つに、
「保険医療機関等」というものがありますが、こちらは厚生労働大臣による
指定制を採っています。
この辺りは、次の【 14−2−B 】にも関連してくるポイントですね。

【 14−2−B 】、文章の前半は特に問題はないですね。
後半部分ですが、「健康保険法の規定に基づき指定する病院・・・・」
つまり、保険医療機関等で療養の給付が行われるといっています。
健康保険の指定と労災保険の指定は別物です。制度が違うのですから。
健康保険の保険医療機関等であっても、労災保険の指定を受けていない
のであれば、労災保険の保険給付を行うことはできません。誤りの肢です。

別物という点では、【 15−3−E 】もそうですね。
療養の給付に係る指定と二次健康診断等給付に係る指定、これも別物です。
ですので、療養の給付に係る指定を受けていたとしても、二次健康診断等
給付に係る指定がなければ、二次健康診断等給付は行えません。
こちらも誤りの肢です。

平成19年労災保険法問3―E「内払」

  • 2008.01.08 Tuesday
  • 06:29
今回は、平成19年労災保険法問3―E「内払」です。

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同一の傷病に関し、休業補償給付又は休業給付を受けている労働者が障害補償
給付若しくは障害給付又は傷病補償年金若しくは傷病年金を受ける権利を有する
こととなり、かつ、休業補償給付又は休業給付は行われないこととなった場合
において、その後も休業補償給付又は休業給付が支払われたときは、その支払
われた休業補償給付又は休業給付は、当該障害補償給付若しくは障害給付又は
傷病補償年金若しくは傷病年金の内払とみなされる。

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内払に関する問題です。
この規定と似たような規定に「充当」がありますが、違いがいま一つよく
わかっていないという方もいるのではないでしょうか?

ということで、まず、次の問題を見てください。

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【16−6−D】

同一の傷病に関し、休業補償給付又は休業給付を受けている者が傷病補償年金
若しくは障害補償給付又は傷病年金若しくは障害給付を受ける権利を有すること
となり、かつ、休業補償給付又は休業給付を行わないこととなった場合において、
その後もなお休業補償給付又は休業給付が支払われたときは、その支払われた
休業補償給付又は休業給付は、過誤払が行われたものとして返還されるべきもの
であるが、支給されるべき傷病補償年金若しくは障害補償給付又は傷病年金若しく
は障害給付に充当することもできる。


【5−1−D】

遺族補償年金の受給権者が、その後障害補償年金の受給権を有することとなり、
かつ、遺族補償年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の
翌月以後の分として遺族補償年金が支払われたときは、その支払われた遺族
補償年金は、障害補償年金の内払いとみなすことができる。

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まず、【19−3−E】ですが、これは正しい内容です。
休業補償給付などを受けていた者が、傷病が治ゆし、休業補償給付などが
支給されなくなり、かつ、障害(補償)給付を受ける権利が発生した場合など
において、休業補償給付などが引き続き支給された場合、本来は返還すべき
ものですが、支払うべき障害(補償)給付などがあれば、その内払として処理
してしまうことになります。
返してもらったり、また支払ったりっていうのは面倒ですからね。

そこで、
【16−6−D】ですが、過誤払分は充当の処理をするといっています。
そうではありませんよね。
【19−3−E】にあるよう、内払の処理をします。

元々支給されていた保険給付も、新たに支給される保険給付も、同一人に対する
保険給付なので、この場合は内払の処理をします。

充当は、本人が死亡してしまったため、内払の処理ができない場合に、
行われるものです。

そこで、【5−1−D】ですが、遺族補償年金の過誤払について、内払の処理を
することとしています。
遺族補償年金、これは扱いが違います。
転給制度があるので、ある受給権者が失権した場合、その後の権利は次順位者に
移ります。
ですので、過誤払された分は、失権した者の分ではありません。
ということで、その後に支払われる障害補償年金の内払とみなすことはできません。
誤りです。

遺族(補償)年金については、転給というシステムがあるので、他の
保険給付とは扱いが異なる、この点は、注意しておかないといけない
ところです。

平成19年労災保険法問2―E「一時金の給付基礎日額」

  • 2008.01.04 Friday
  • 07:52
今回は、平成19年労災保険法問2―E「一時金の給付基礎日額」です。

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障害補償一時金若しくは障害一時金又は遺族補償一時金若しくは遺族一時金
の額の算定に用いる給付基礎日額のスライドは、年金たる保険給付の額の
算定に用いる給付基礎日額のスライドに準ずる。

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一時金たる保険給付の額の算定の基礎となる給付基礎日額のスライド制に
関する問題です。

まず、次の問題を見てください。

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【15−1−D】

障害補償一時金若しくは遺族補償一時金又は障害一時金若しくは遺族一時金の
額の算定に用いる給付基礎日額のスライドは、休業補償給付又は休業給付の額
の算定に用いる給付基礎日額のスライドに準ずる。

【8−1−C】

障害補償年金前払一時金の給付基礎日額についてはスライド制の適用があるが、
障害補償一時金の給付基礎日額についてはスライド制の適用はない。

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【19−2−E】では、一時金の給付基礎日額のスライドは年金給付基礎日額に
準ずるとしていますが、【15−1−D】では休業給付基礎日額に準ずると
しています。【8−1−C】ではスライド制の適用はないとしています。

まず、障害補償一時金の給付基礎日額について、スライド制の適用があるか、
ないかといえば、あります。
ですので、【8−1−C】は誤りです。

では、年金給付基礎日額に準ずるのか、休業給付基礎日額に準ずるのか
といえば、年金給付基礎日額に準じます。

【19−2−E】が正しく、【15−1−D】は誤りです。

一時金は、事故などが起きて、すぐ支給されるとは限らないので、
スライド制は適用されますが、年金給付基礎日額と同様の方法による
スライド制が適用されます。

ちなみに、年齢階層別の最低限度額・最高限度額は適用されませんね。

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