平成18年厚生年金保険法問1―C「遺族厚生年金」

  • 2007.05.27 Sunday
  • 06:25
今回は、平成18年厚生年金保険法問1―C「遺族厚生年金」です。

☆☆==============================================================☆☆

被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後5年を経過する日前に、
被保険者であった間に初診日がある傷病により死亡したとき、保険料納付要件
を満たしている場合には、その者の遺族に遺族厚生年金が支給される。

☆☆==============================================================☆☆

遺族厚生年金の支給要件に関する出題です。

まずは、次の問題を見てください。

☆☆==============================================================☆☆

【 6−8−A 】

被保険者の資格を喪失した後に被保険者であった間に初診日がある傷病により
死亡した場合に支給される遺族厚生年金は、その死亡日が初診日から3年を
超えたときは支給されない。

【 9−5−D 】

厚生年金保険の被保険者であった者が、被保険者期間中に発傷病日(昭和61年
4月1日以後の発傷病日に限る)がある傷病により、当該発傷病日から起算して
5年を経過する日前に死亡したときは、その者の遺族に遺族厚生年金を支給する。

☆☆==============================================================☆☆

まず、【 18−1−C 】ですが、
「資格を喪失した後5年を経過する日前」の死亡としています。
これに対して、
【 6−8−A 】では、
「死亡日が初診日から3年を超えたときは支給されない」と、
【 9−5−D 】では、
「発傷病日から起算して5年を経過する日前」とあります。

これらいずれも誤りです。
まず、いつからかといえば、「初診日から」起算します。
そして、何年以内かといえば、「5年」です。

ですので、資格喪失から5年ではすでに初診日から5年を経過して
しまっていることもあり、必ずしも要件を満たすことにはなりません。

それと、「発傷病日」と「初診日」、これは必ずしも同じ日とは
限りませんよね。
ですので、「発傷病日」では誤りになります。

では、次の問題をみてください。

☆☆==============================================================☆☆

【 17−5−D 】

被保険者であった平成13年4月1日に初診日がある傷病により、被保険者
資格喪失後の平成17年5月1日に死亡した者について、死亡日の前日において
保険料納付要件を満たしている場合には、その者の遺族に対して遺族厚生年金
が支給される。

☆☆==============================================================☆☆

これは事例としての問題です。
法律上の要件「初診日から起算して5年」の範囲内の死亡に該当しています。
ですので、正しくなります。

このような規定は、具体的な事例での出題もあるので、それに対応できるように
しておきましょう。

平成18年健康保険法問10―A「不服申立て制度」

  • 2007.05.20 Sunday
  • 07:30
今回は、平成18年健康保険法問10―A「不服申立て制度」です。

☆☆==============================================================☆☆

不服申立て制度は2審制がとられており、第1次審査機関として各都道府県に
独任制の社会保険審査官が置かれ、第2次審査機関として合議制の社会保険
審査会が置かれている。

☆☆==============================================================☆☆

不服申立て制度に関する出題です。
不服申立てに関する問題、審査請求の対象となる処分や請求できる期間などを
論点にしたものが多いですが、審査官や審査会がどこに置かれているのか、この
論点もときどき出題されます。

では、次の問題を見てください。

☆☆==============================================================☆☆

【 14−社一9−A 】

各社会保険事務所に置かれた社会保険審査官は、石炭鉱業年金基金法の規定
による審査請求の事件も取り扱う。

【 7−社一9−D 】

社会保険に関する処分に不服がある場合の審査機関として地方社会保険事務局
に社会保険審査官が置かれている。また、社会保険審査官の審査決定に不服が
ある場合の上級審査機関として、厚生労働省に社会保険審査会が置かれている。

【 5−社一−記述 】

第2次審査機関として、合議制の社会保険審査会があり、社会保険審査官が
行った決定に不服がある者は、これに対し再審査請求をすることができる。
この社会保険審査会は、( A )に設置されており、( B )の同意を
得て( C )が任命した委員長及び5人の委員により組織されている。

☆☆==============================================================☆☆

択一式の3問、社会保険審査官について、それぞれ
「各都道府県」、「各社会保険事務所」、「地方社会保険事務局」
に置くとしています。

社会保険審査官は定数が102人です。これは、平成17年に出題されていますが、
もし、社会保険事務所ごとに置かれているとなると、102人では足りません。
社会保険事務所、東京だけでも20以上ありますからね。

で、都道府県は、社会保険の事務を担当していません。
そうなると、地方社会保険事務局ってことになります。

【 18−10−A 】と【 14−社一9−A 】は誤りで、【 7−社一9−D 】は
社会保険審査官に関する部分は正しいとなります。

では、「厚生労働省に社会保険審査会が置かれている」という部分ですが、
【 5−社一−記述 】で空欄とされています。
地方社会保険事務局の上級庁だから社会保険庁だなんて思われてしまう方も
いるかもしれませんね。
そうではありません。厚生労働省なんですね。
審査機関というのは、たとえば、厚生年金基金に関することや健康保険組合に
関することも扱うので、そうなると、監督官庁である厚生労働省ってことに
なりますからね。
それと、社会保険審査会の構成については、
【 17−社一10−D 】で、
社会保険審査会は、委員長及び5人の委員をもって組織する。

と出題されているので、どこにだけではなく、何人とかも押さえておいたほうが
よいでしょう。

【 5−社一−記述 】の答えは、次の通りです。
A:厚生労働省
B:両議院
C:厚生労働大臣

平成18年健康保険法問9―C「傷病手当金に係る時効」

  • 2007.05.14 Monday
  • 05:45
今回は、平成18年健康保険法問9―C「傷病手当金に係る時効」です。

☆☆==============================================================☆☆

傷病手当金の受給権は、労務につかなかった日の翌日から2年を経過した
ときは、時効によって消滅する。

☆☆==============================================================☆☆

傷病手当金の時効に関する出題です。
健康保険法からの時効に関する問題は、時効までの期間だけではなく、
その起算日が論点にされることが多いんですよね。

では、次の問題を見てください。

☆☆==============================================================☆☆

【 10−7−D 】

傷病手当金を受ける権利については、労務不能であった日の翌日から起算
して2年で消滅する。

【 12−選択 】

健康保険法では保険給付の受給権の消滅時効の期間が2年となっている。
この場合、消滅時効の起算日は、療養費は( A ) 、高額療養費は
( B ) 、傷病手当金は( C ) 、移送費は( D )である。
また、保険給付を受ける権利を保護するため、健康保険法では保険給付を
受ける権利の譲渡、差し押さえを禁止しているが、この権利には( E )
を受ける権利は含まれない。

☆☆==============================================================☆☆

【 18−9−C 】と【 10−7−D 】、ほぼ同じ内容です。
いずれも正しい肢です。

ただ、【 18−9−C 】は、危なっかしい文章ですよね。
厳密に判断すれば、誤りともとれます。
とはいえ、公式に正しいとされた肢ですが。

傷病手当金というのは、単に労務に就かない日に支給されるのではなく、
労務不能であった日に支給されるのですから・・・
もし、支給要件が論点であれば、「労務につかなかった日」では誤りですね。

さらに、「翌日から2年」というのも・・・言葉が足りていません。
「翌日から起算して2年」が正しいんですが。

ところで、【 12−選択 】ですが、ほとんどが起算日を論点にしています。
選択肢は掲載していませんが、選択肢からも明らかでした。

たとえば、Cの空欄に対応する選択肢として
「労務不能であった日ごとにその翌日」と「労務不能であった日ごとに
その当日」とがありました。
AとDも同じような選択肢があったんですね。

記憶が曖昧だと、どっちだっけということになってしまいます。

でも、この問題、実際にこの年に合格した方で、どっちかわからないけど、
最低3箇所は当たるように解答したという方がいました。
BとEは、わかっていたという前提があるのですが。

翌日か、当日か、どちらか自信がない・・・ということで、分けて解答した
そうです。1つと2つに。
ですので、どちらに転んでも、最低3点は確保できるってことですが。

答練や模試で、そんな方法で点を取っても、意味はないですが・・・
本試験では、こういう機転が利くかどうかが、岐路になるかもしれない
ですからね。

正答は、次の通りです。
A 療養に要した費用を支払った日の翌日
B 診療を受けた月の翌月の1日
C 労務不能であった日ごとにその翌日
D 移送に要した費用を支払った日の翌日
E 療養の給付

平成18年健康保険法問7―B「日雇特例被保険者の出産育児一時金」

  • 2007.05.07 Monday
  • 15:01
今回は、平成18年健康保険法問7―B「日雇特例被保険者の出産育児一時金」
です。

☆☆==============================================================☆☆

日雇特例被保険者が出産した場合、その出産の日の属する月の前2月間に通算して
26日分以上の保険料がその者について納付されているとき、出産育児一時金が支給
される。

☆☆==============================================================☆☆

日雇特例被保険者の出産育児一時金の出題です。
日雇特例被保険者に関する問題は、一時期ほとんど出題がなかったのですが、
ここ3〜4年、それなりに出題されています。

では、次の問題を見てください。

☆☆==============================================================☆☆

【 14−4−B 】

日雇特例被保険者が出産したとき、出産の日の属する月の前2ヵ月間に、通算
して26日分以上の保険料を納付している場合は、出産育児一時金が支給される。

☆☆==============================================================☆☆

【 18−7−B 】と【 14−4−B 】、ほぼ同じ内容です。

出産育児一時金の支給要件の1つは、
「出産の日の属する月の前4月間に通算して26日分以上の保険料が納付されて
いる」ことです。
問題文では、前2ヵ月間に通算して26日分以上納付しているとしています。
ということは、前4月間に通算して26日分以上という要件に該当します。

しかし、この2つの問題は誤りなのです。
事例としての出題と考えれば、正しいということになるのですが、これらの問題は
法律上の要件はどのようになっているでしょうか?
ということを訊いているのです。
となると、「前4月間」と「前2ヵ月間」が違う、だから誤りとなるのです。

では、次の問題を見てください。

☆☆==============================================================☆☆

日雇特例被保険者が出産した場合において、その出産の日の属する月の
前4月間に通算して26日分以上の保険料がその者について納付されている
ときは、出産の日以前42日から出産の日後56日以内までの間において
労務に服さなかった期間、出産手当金が支給される。その額は、1日につき、
出産の日の属する月の前4月間の保険料が納付された日に係る標準賃金日額
の各月ごとの合算額のうち最大のものの30分の1に相当する金額である。

☆☆==============================================================☆☆

出産手当金に関する問題です。
保険料の納付については、
「前4月間に通算して26日分以上の保険料」とあるので、こちらは正しく
なります。
ただ、支給額について
「各月ごとの合算額のうち最大のものの30分の1」
とありますが、「30分の1」ではありません。「45分の1」ですね。
一般の被保険者は、「標準報酬日額×2/3」の支給ですが、
日雇特例被保険者についても、同じように支給するという考えから、
「45分の1」となっています。
「合算額」、これを標準報酬月額と考えれば、1/30が日額、そして、
その2/3が支給額、つまり、「1/30×2/3=1/45」ってことです。

出産育児一時金、出産手当金については、平成7年にも出題されています。
日雇特例被保険者に関する規定の中では、出題頻度が高い規定になるので、
確認を怠らないように。

平成18年健康保険法問6―A「高額療養費の多数回該当」

  • 2007.05.02 Wednesday
  • 06:23
今回は、平成18年健康保険法問6―A「高額療養費の多数回該当」です。

☆☆==============================================================☆☆

転職により、健康保険組合の被保険者から政府管掌健康保険の被保険者に変更
した場合や、政府管掌健康保険を管轄する社会保険事務所が変更された場合には、
高額療養費の算定に当たっての支給回数は通算されない。

☆☆==============================================================☆☆

高額療養費の多数回該当に関しては3年連続の出題です。

まず、次の問題を見てください。

☆☆==============================================================☆☆

【 17−4−D 】

高額療養費の支給回数は、健康保険組合の被保険者から政府管掌健康保険の
被保険者に変わった場合には通算されない。

【 16−4−E 】

高額療養費の多数回該当については、転職により健康保険組合の被保険者で
あった者が政府管掌健康保険の被保険者に変わった場合でも、高額療養費の
支給回数は通算される。

☆☆==============================================================☆☆

【 17−4−D 】では支給回数は通算されないとあり、
【 16−4−E 】では支給回数は通算されるとあり、
まったく逆のことをいっています。ですから、どちらかが誤りです。

支給回数については、保険者ごとで判断します。
つまり、保険者が変われば通算されないということになります。
【 17−4−D 】:正しい
【 16−4−E 】:誤り

では、【 18−6−A 】ですが
単に、健康保険組合の被保険者から政府管掌健康保険の被保険者に変更した
場合だけでなく、
政府管掌健康保険を管轄する社会保険事務所が変更された場合という論点も
加わっています。
健康保険組合の被保険者から政府管掌健康保険の被保険者に変更となったら、
当然、通算はされないわけですが、
管轄する社会保険事務所が変更されたという場合、これは、保険者は政府に
変わりはないので、支給回数は通算されます。
ですので、支給回数は通算されないというのは誤りです。

ちなみに、被保険者が複数の事業所に使用される場合、
被保険者は、同時に2以上の事業所に使用される場合において、保険者が2以上
あるとき、又はその権限を行う「地方社会保険事務局長又は社会保険事務所長」
が2以上あるときは、その被保険者の保険を管掌する「地方社会保険事務局長又は
社会保険事務所長」又は健康保険組合を選択しなければならない。
という規定がありあります。
これは、政府管掌健康保険においても、被保険者の事務をどの社会保険事務所が
担当するのかを決める必要があるので、社会保険事務所を1つの保険者として扱い、
選択させることにしたものですが・・・
高額療養費の支給回数の通算は、社会保険事務所ごとに1保険者という扱いは
しませんので、混同しないようにしましょう。

PR

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< May 2007 >>

selected entries

categories

archives

recommend

recommend

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM