平成18年健康保険法問5―D「国庫補助」

  • 2007.04.26 Thursday
  • 17:13
今回は、平成18年健康保険法問5―D「国庫補助」です。

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国庫補助が行われない保険給付は、出産手当金、出産育児一時金、家族出産
育児一時金、埋葬料(埋葬費)及び家族埋葬料である。

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国庫補助に関する問題、論点の多くは何に対して行われるのかとその割合です。
この問題は、この2つのうち「何に対して行われるのか」のほうですね。

国庫補助の対象とならない保険給付を訊いています。
では、次の問題を見てください。

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【 14−8−E 】

政府管掌健康保険に係る国庫補助金は、療養の給付等の保険給付に要する費用
(療養の給付については、一部負担金に相当する額を控除するものとする)の
1,000分の130並びに老人保健拠出金及び介護納付金の納付に要する費用の1,000
分の164である。

【 16−10−A 】

政府管掌健康保険については、当分の間、主な保険給付費及び老人保健拠出金の
1000分の130を国庫が補助する。

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まず、【 14−8−E 】ですが、
「療養の給付等の保険給付」とあります。これでは、保険給付すべてが国庫補助
の対象ということになってしまいます。ですので、誤りです。
保険給付のうち出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料、家族埋葬料には
国庫補助はありません。
【 18−5−D 】には、1つ余計なものが入っていますよね。
「出産手当金」です。
国庫補助の対象とならない保険給付、考え方として一時金的な保険給付ですので、
手当金は国庫補助の対象になります。

【 14−8−E 】については、「老人保健拠出金」という言葉、
これも正しくないですね。
「老人保健拠出金」には、事務費拠出金及び医療費拠出金があり、国庫補助の対象は
医療費拠出金です。
ここは、ひっかかりやすいので注意しておかないといけませんね。

【 16−10−A 】でも、「老人保健拠出金」とありますよね。
ですから、こちらも誤りです。
保険給付のほうは、「主な保険給付費」とあるので、正しいと解釈しても問題ない
でしょう。

それと、国庫補助の割合、【 14−8−E 】は正しいのですが、【 16−10−A 】は、
間違いですね。
主な保険給付費には、1,000分の130の国庫補助が行われますが、
「医療費拠出金」に対する国庫補助の割合は、1,000分の164です。

保険給付や医療費拠出金などに対する国庫補助の規定、平成6年の記述式でも
出題されています。
その際、「医療費拠出金」「130」「164」は空欄になっていましたから、
これらは、しっかりと覚えておかなければならないところです。

平成18年健康保険法問4―A「資格喪失後の出産育児一時金」

  • 2007.04.22 Sunday
  • 06:38
今回は、平成18年健康保険法問4―A「資格喪失後の出産育児一時金」です。

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1年以上被保険者であった者が資格喪失後6月以内に出産し、夫の被扶養者と
なっている場合、出産育児一時金を受給するか、家族出産育児一時金を受給する
かは、請求者が選択することができる。

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被保険者資格を喪失した後に被扶養者となっていた、そのような場合、要件を
満たしていれば、自らの資格喪失後の出産育児一時金の支給を受けることも
可能ですし、その夫が家族出産育児一時金の支給を受けることも可能です。
このような場合、保険給付の基本的な考え方、2つはもらえないですね。
どちらかを選ぶ、この選択権は、本人にあります。
法的にどちらかを優先するのではありません。

では、次の問題を見てください。

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【 15−8−C 】

被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった者
の被扶養者である配偶者が被保険者の資格を喪失した日後6月以内に出産した
ときは、家族出産育児一時金として、被保険者に対し、35万円が支給される。

【 13−6−B 】

被保険者の資格を喪失した日の前日まで1年以上被保険者であった者が、資格
喪失後6ヶ月以内に出産したときは、出産育児一時金及び出産手当金を受ける
ことができる。

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まず、【 15−8−C 】ですが、
健康保険の保険給付は誰に支給するものなのか、それは被保険者。
被保険者の被扶養者が出産すれば、家族出産育児一時金は支給されますが、
元被保険者の被扶養者の出産では支給されることはありません。
ですので、誤りです。
【 13−6−B 】、これは元々正しい肢の出題です。ただ、改正で資格喪失後
の出産に関する給付は、出産育児一時金のみを支給することとしたので、
現在は誤りです。

ところで、資格喪失後の給付についてですが
【 15−8−C 】と【 13−6−B 】では
「資格を喪失した日の前日まで(引き続き)1年以上被保険者であった者」
としています。
これに対して、正しい肢の【 18−4−A 】では、単に「1年以上被保険者で
あった者」としています。
いつまでとか、継続していたとか記載がないんですよね。

この場合、そもそも論点ではないってこともありますが・・・
条文に沿った表現なので問題ないのです。
【 18−4−A 】の根拠となる規定の1つは健康保険法106条です。
この規定では、「1年以上被保険者であった者」と規定しているんですよね。

この辺は、法条文の構成を知らないと誤解をしてしまうところで、
2条前の104条で「前日まで引き続き1年以上被保険者」という表現があり、
そこで、106条では「1年以上被保険者であった者」と規定しているのです。
ですので、106条ベースだと単に「1年以上被保険者であった者」で正しいという
解釈ができてしまうんですよね。

とはいえ、「引き続き」、これが論点にされた問題も過去にはあります。
ですから、何を論点にしているのか、まずは、ここをしっかり見極められるよう
にしましょう。

平成18年健康保険法問3―C「海外療養費の支給額」

  • 2007.04.15 Sunday
  • 08:11
今回は、平成18年健康保険法問3―C「海外療養費の支給額」です。

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被保険者又は被扶養者が海外の病院等において療養等を受けた場合に支給
される海外療養費は、療養を受けた日の外国為替換算率を用いて算定する。

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海外で療養を受けた場合、そこは保険医療機関等ではないので、現物給付が
行われることはありませんよね。
ですので、とりあえず、費用の支払をしておき、後日、申請をして、費用の
支給を受けることになるのですが、その支払、海外ですから、日本円で支払う
わけではありません。
とはいえ、保険者が被保険者へ現金給付するのは日本円です。
そのため、外国で支払った額を日本円に換算しなければならないわけで・・・
で、その換算は、いつの外国為替換算率を用いるのかというのが、
この問題の論点です。

この論点、何度か出題されています。
次の問題を見てください。

☆☆==============================================================☆☆

【 14−3−C 】

海外出張中の被保険者が海外の病院で療養を受けた場合、その療養費の支給
申請は事業主を経由して行い、事業主が代理受領することになっており、
また、支給額の算定に用いる邦貨換算率は、支給申請日における外国為替換算率
を用いる。

【 11−9−A 】

海外における療養費支給の算定の基礎となる邦貨換算率は、その療養を受けた日
の外国為替換算率を用いる。

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外国為替換算率について、
【 18−3−C 】と【 11−9−A 】では、「療養を受けた日」
【 14−3−C 】では「支給申請日」のものを用いるとしています。

これらは、いずれも誤りです。
「支給決定日」の外国為替換算率を用います。
保険者サイドとしては、保険給付をする時点、つまり、「支給決定日」
ベースで決定しますってことですね。
療養を受けた時点や申請をした時点では、まだ保険給付が行われる決まった
わけではないですからね。

海外療養費については、平成10年や13年にも異なる論点で出題されている
ので、しっかりと確認しておきましょう。

平成18年健康保険法問2―B「標準報酬月額の等級区分の改定」

  • 2007.04.10 Tuesday
  • 06:26
今回は、平成18年健康保険法問2―B「標準報酬月額の等級区分の改定」です。

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標準報酬月額の上限該当者が、3月31日において全被保険者の1.5%を超え、
その状態が継続すると認められるときは、厚生労働大臣は社会保障審議会の
意見を聴いてその年の9月1日から上限を改定することができる。ただし、
改定後の上限該当者数が9月1日現在で全被保険者数の1%未満であっては
ならない。

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標準報酬月額の最高等級の上にさらに等級区分を加える標準報酬月額の等級
区分の改定に関する問題です。
まずは、次の問題を見てください。

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【 16−1−B 】

毎年3月31日における標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の
被保険者総数に占める割合が100分の5を超える場合において、その状態が
継続すると認められるときは、政令で等級区分の改定を行うことができる。

【 14−2−C 】

標準報酬月額の最高等級に該当する被保険者数が、3月31日現在、全被保険者
数の1.5%を超え、その状態が継続すると認められるときは、その年の9月1日
から政令により当該最高等級の上に更に等級を加えることができるが、その年の
3月31日において改定後の標準報酬月額の最高等級に該当する被保険者数が、
全被保険者数の1%を下回ってはならないこととされている。この等級区分の改定
にあたっては、社会保障審議会の意見を聴くことが必要である。

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最高等級に占める被保険者の割合、これが一定以上となれば、さらに上に等級を
加えることができますが、その基準と手続などを出題しています。

で、まず、その基準ですが、
最高等級に占める被保険者の割合が全被保険者の1.5%を超えていること、
さらに、その状態が継続することです。
この1.5%は改正点ですよね。ですので、問題文を改題しているのですが、
この数字は論点にされやすいところです。
選択式でも空欄にされる可能性がある箇所です。

そこで、【 16−1−B 】ですが、この数字が100分の5となっているので、
誤りです。

そして、もう1つ基準があります。
それは「最高等級に該当する被保険者数が全被保険者数の1%を下回っては
ならない」というものです。
【 18−2−B 】【 14−2−C 】ともに、この点については正しいです。
でも、いつの時点というところが違ってますよね。
【 18−2−B 】では、9月1日現在。
【 14−2−C 】では、3月31日現在。
となっています。
これは年度末で見ていくことになるので、【 14−2−C 】が正しくなります。

この規定は、空欄を作りやすい規定ですから、選択対策を怠らないように
しましょう。
健康保険の選択式、数字が空欄になる確率、極めて高いですからね。

平成18年健康保険法問1―C「任意継続被保険者」

  • 2007.04.06 Friday
  • 06:23
今回は、平成18年健康保険法問1―C「任意継続被保険者」です。

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被保険者資格喪失の前日まで継続して2月以上任意包括被保険者であった者が、
任意包括脱退により資格を喪失した場合、任意継続被保険者となることができる。

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任意継続被保険者の資格の取得に関する問題です。
まずは、次の問題を見てください。

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【 9−3−C 】

資格喪失日の前日まで継続して2月以上政府管掌健康保険の被保険者(日雇
特例被保険者を除く)であった者は、任意継続被保険者となることができる。

【 11−5−A 】

任意包括被保険者がその資格を喪失した場合には、任意継続被保険者となる
ことはできない。

【 14−9−C 】

任意継続被保険者の資格を取得するには、被保険者資格喪失の日の前日までに
通算して2ヶ月以上の被保険者期間が必要である。

【 16−9−A 】

任意継続被保険者は、被保険者資格を喪失した者であって、喪失の日まで継続
して2月以上一般の被保険者であったもののうち、保険者に申出て、継続して
当該保険者の被保険者となった者をいう。

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任意継続被保険者の資格の取得に関する問題は、色々なパターンで出題されます。

一番の論点は「継続して2月以上被保険者であったこと」ですね。
それも資格喪失日の前日まで。
【 14−9−C 】は「通算」としているので誤りですね。
この違いは、皆さん、かなり意識しているでしょうから、間違いに気が付く
でしょうが、【 16−9−A 】の誤り、「喪失の日」ではなく「喪失の日の前日」
という点、この辺は見落としがちですから、注意しましょう。

もう一つよく論点にされるのは、資格喪失事由です。どのような事由で資格を喪失
した場合に、任意継続被保険者になれるのかという点です。
退職や適用除外に該当したことによる資格の喪失の場合ですね。
【 18−1−C 】は、事業所が認可を受けて適用事業所でなくなったことによる
資格の喪失ですから、任意継続被保険者となることはできません。
なので、誤りです。
【 11−5−A 】は、資格喪失事由を明らかにしていませんよね。
ですから、必ずしも任意継続被保険者となることができないわけではありません。
誤りです。
「任意包括被保険者」というのは、任意適用事業所に使用される被保険者のこと
を指していますが、これにより、事業所が認可を受けて適用事業所でなくなった
ことにより資格を喪失したと思わせようとしたんでしょうね。
でも、退職などによるのであれば、任意継続被保険者となり得ますからね。

それと、現在の法条文では「任意継続被保険者とは、適用事業所に使用されなく
なったため、又は適用除外に該当するに至ったため被保険者(日雇特例被保険者
を除く)の資格を喪失した者であって、喪失の日の前日まで継続して2月以上被保険者
(日雇特例被保険者、任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く)
であったもののうち、保険者に申し出て、継続して当該保険者の被保険者となった者を
いう」としています。
平成9年の問題は、「被保険者(日雇特例被保険者、任意継続被保険者又は共済組合
の組合員である被保険者を除く)」とすべき箇所が「被保険者(日雇特例被保険者
を除く)」ですが、正しい肢でした。
現在、このような文章では誤りと解釈せざるを得ません。
そうなると、条文に沿った表現での出題となるのですが、今度は文章が長くなって
しまうということが考えられます。
そこで、【 16−9−A 】の問題文にある 「2月以上一般の被保険者」という表現、
今後、このような表現を用いた出題が考えられます。
この表現は、正しいと解釈すべきでしょうから。

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