平成18年一般常識問5―E

  • 2007.03.30 Friday
  • 07:13
今回は、平成18年一般常識問5―Eです。

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個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律は、労働契約の存否その他の
労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間に生じた
民事に関する紛争について、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停
の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない
場合には、審判による解決を図ることを目的とする。

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個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に関する問題です。
まずは、次の問題を見てください。

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【14−4−A】

個別労働紛争解決促進法の目的は、労働条件その他労働関係に関する事項に
ついての個々の労働者と事業主との間の紛争について、迅速かつ適正な解決を
図ることである。解雇、労働条件の変更等の労働条件に関する紛争はこの法律
の対象になるが、労働者の募集及び採用に関する個々の求職者と事業主との間
の紛争はこの法律の対象にならない。

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【18−5−E】、【14−4−A】ともに
個別労働紛争解決促進法の目的について出題しています。
いずれも「労働者と事業主との間の紛争」という点では同じですが、
【18−5−E】では、調停や審判により解決を図るということを言っています。
個別労働紛争解決促進法には、そのような解決手法は準備されてませんよね。
目的で「あっせんの制度を設ける」ということを明らかにしています。
つまり、【18−5−E】は「個別労働紛争解決促進法」の目的ではありません。
紛争の解決を図る点では同じですが、これは「労働審判法」の目的です。

では、【14−4−A】は正しいのでしょうか?

その前に、次の問題を見てください。

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【16−5−C】

個別労働紛争法においては、労働条件その他労働関係に関する事項について
の個々の労働者と事業主との間の紛争(以下「個別労働関係紛争」という)
について、当該個別労働関係紛争(労働者の募集及び採用に関する事項に
ついての紛争を含む)の当事者の双方又は一方からあっせんの申請があった
場合で、都道府県労働局長が当該個別労働関係紛争の解決のために必要がある
と認めるときは、同法に基づいて設置された紛争調整委員会にあっせんを行わせ
るものとしている。

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あっせん制度に関する問題です。

そこで、【14−4−A】ですが、
労働者の募集及び採用に関する個々の求職者と事業主との間の紛争は対象
ではないとしています。
これに対して、【16−5−C】では、
労働者の募集及び採用に関する事項についての紛争を含むとしています。

法律の対象ではなく、あっせんの対象となるとしたら、矛盾してしまいます。
ということは、どちらか、また両方が誤りということになります。

まず、目的ですが、
個別労働紛争解決促進法では、「労働者の募集及び採用に関する事項について
の個々の求職者と事業主との間の紛争を含む」としています。
法律としては、契約関係にない求職者と事業主との間の紛争も対象としているのです。

しかし、個別労働紛争解決促進法に規定するあっせんの制度においては、
契約関係にない求職者と事業主との間の紛争は対象にしていません。
契約関係がない上、企業の人事配置上の観点から両者が納得できるようなあっせん案を
示すことがかなり難しいということなどから、制度になじまないんですね。
ですから、対象にはしていません。

ということで、法律の対象ではあるが、あっせんの対象ではないということで、
【14−4−A】、【16−5−C】はともに誤りです。

個々の労働者と事業主との間の紛争の解決手法は、男女雇用機会均等法にも
規定されているので、そちらとも比較しておいたほうがよいでしょうね。
男女雇用機会均等法は改正がありましたからね。

平成18年一般常識問3―E

  • 2007.03.20 Tuesday
  • 06:51
今回は、平成18年一般常識問3―Eです。

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基礎調査によると、平成17年6月30日現在の労働組合数や労働組合員数は
ともに前年に比べて減少し、推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の
割合)は低下したものの20%にとどまった。

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労働組合の推定組織率に関する問題です。
労働に関する一般常識の問題、特に労働経済関係は、その時々の旬なものを
出題してきたりすることが多く、繰り返し出題されるという項目は、そう
多くはありません。
ですので、推定組織率、一般常識の中では、比較的出題頻度が高いと言える
項目ですね。

ということで、次の問題を見てください。

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【5−3−E】

労働組合の推定組織率(雇用者に占める労働組合員の数の割合)は、昭和30年
ごろから昭和50年頃までは上昇傾向となっていたが、その後は一定水準で推移
している。

【12−3−E】

近年における我が国の労働組合推定組織率は低下傾向にあり、労働省「労働組合
基礎調査」によれば、1999年には約22%であった。しかし振り返ってみると、
労働組合推定組織率が5割を超えた年もある。労働組合推定組織率が5割を超え
ていたのは、労働組合法が制定されて間もない1940年代後半であった。

【15−3−E】

厚生労働省「平成14年労働組合基礎調査」によると、労働組合数も労働組合員数
も前年に比べ減少し、労働組合の推定組織率は20.2%と前年に比べてわずかに
低下し、推定組織率の低下傾向が続いている。なお、こうした中で、パートタイム
労働者の組合員数は前年より増加しているが、パートタイム労働者にかかる推定
組織率は3%を下回る状況である。

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推定組織率は、長期的に低下傾向にあります。
平成15年には20%を下回り19.6%となり、その後も平成16年19.2%、
平成17年18.7%、平成18年18.2%と低下が続いています。

ということで、
【18−3−E】は誤りです。20%を下回っていますからね。
【5−3−E】も誤りです。
昭和30年ごろから昭和50年頃までは一定水準で推移していたのですが、
その後は低下傾向となっています。

これに対して
【12−3−E】と【15−3−E】は正しい内容です。
1999年には約22%であったというのは、その通りですし、過去においては
50%を超えていた時代もありました。

それと、【15−3−E】ではパートタイム労働者の推定組織率を取り上げて
いますが、こちらは、最近、上昇傾向にあります。
平成14年の調査では3%に満たない状況でしたが、平成15年には3.0%、
平成16年は3.3%、平成17年3.3%、平成18年4.3%となっています。

パートタイム労働者の推定組織率、この上昇傾向は、今後、出題されるかも
しれませんね。

平成18年雇用保険法(労働保険徴収法)問10―B

  • 2007.03.14 Wednesday
  • 06:11
今回は、平成18年雇用保険法(労働保険徴収法)問10―Bです。

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事務組合に委託をすることが可能な事業主は、事務組合としての認可を
受けた事業主団体又はその連合団体の構成員に限られ、これらの団体又は
連合団体の構成員以外の者は含まれない。

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労働保険事務組合に係る委託事業主の範囲に関する問題です。
委託事業主に関する問題、よく出題されますが、いくつかの論点があります。

ということで、次の問題を見てください。

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【15−雇用9−B】

事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる事業主は、事務組合
の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を有するものに限られる。

【13−雇用8−C】

事業主の団体が事務組合の認可を受けた場合には、当該事業主の団体の構成員
以外の事業主であっても、その事業主に係る労働保険事務の処理を当該事業主
の団体に委託することが必要であると認められるものについては、当該委託を
することができる。

【12−雇用8−B】

労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる事業主の
範囲は、原則として、常時300人以下の労働者を使用する事業主とされて
いるが、労働保険事務組合の認可を受けた事業主団体の構成員である事業主
については、その使用する労働者数にかかわらず当該労働保険事務組合に
事務を委託することができる。

【10−労災8−C】

労働保険事務組合に労働保険に関する事務処理を委託することができる事業主
の範囲は、金融業、保険業、不動産業、小売業又はサービス業を主たる事業と
するものについては、常時100人以下の労働者を使用する事業主とされている。

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まず、1つ目の論点は、委託できる事業主は「事業主団体又はその連合団体の
構成員」でなければならないのかという点です。

この点については、「事業主団体又はその連合団体の構成員」に限定されて
いません。労働保険事務の処理を委託することが必要であると認められる事業主
であれば委託することができます。
【18−雇用10−B】は誤りで、【13−雇用8−C】は正しくなります。

次は規模要件です。委託することができるのは中小事業主に限られます。
その中小事業主というのは
原則として常時300人以下の労働者を使用する事業主です。
ただし、金融業、保険業、不動産業又は小売業の事業主については50人以下、
卸売業又はサービス業の事業主については100人以下の労働者を使用する事業主
とされています。
ですので、【10−労災8−C】は誤りです。
【12−雇用8−B】については、事業主団体の構成員である場合は例外的な
扱いをするような内容となっていますが、そのような例外はありません。
構成員であるか、ないかを問わず、中小事業主でなければ、委託すること
はできません。
【12−雇用8−B】も誤りです。

それと、もう一つの論点は地域的な要件です。
労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を有する
事業主に限って委託することができるかどうかですが、これは限定されません。

隣接した都道府県に事務所を有する事業主も委託することは可能です。
ですから、【15−雇用9−B】は誤りです。

ただし、委託事業主のうち労働保険事務組合の主たる事務所の所在する都道府県
に隣接する都道府県に主たる事務所が所在する事業の事業主が全委託事業主の
20%以内であることが労働保険事務組合の認可基準の1つになっていますので、
いくらでも委託ができるわけではありませんので。
ちなみに、この認可基準に関しては、平成9年に出題されています。

ということで、委託事業主に関する問題の論点は
1 団体の構成員に限定されるかどうか
2 事業の規模が中小事業かどうか
3 地域的な制限があるかどうか
の3つです。この3つをしっかりと確認しておきましょう。

平成18年雇用保険法(労働保険徴収法)問9―B

  • 2007.03.06 Tuesday
  • 06:14
今回は、平成18年雇用保険法(労働保険徴収法)問9―Bです。

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事業主は、雇用保険に係る保険関係が消滅したとき、日雇労働被保険者を
使用しなくなったとき(保有する雇用保険印紙の等級に相当する賃金日額
の日雇労働被保険者を使用しなくなったときを含む)、又は雇用保険印紙が
変更されたときのいずれかに該当する場合においては、その保有する雇用
保険印紙の買戻しを申し出ることができるが、雇用保険印紙が変更された
場合の買戻しの期間は、雇用保険印紙が変更された日から6か月間である。

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労働保険徴収法の印紙保険料に関する問題です。
印紙保険料に関する問題は、よく出題されます。
その中でも雇用保険印紙の買戻しについては、1問構成で出題されるときは、
必ず1つの肢になっているのではないかと言えるほど、よく出ます。

ということで、次の問題を見てください。

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【12−雇用9−E】

雇用保険印紙が変更された場合、事業主は、変更の日から6か月間に限り、
雇用保険印紙を販売する郵便局に、その保有する変更前の雇用保険印紙の
買戻しを申し出ることができる。

【14−雇用9−E】

日雇労働被保険者を使用しなくなったために雇用保険印紙が不要となった
場合、事業主は、買戻しを申し出ることができるが、買戻しの期間は、
日雇労働被保険者を使用しなくなった日から6か月間とされている。

【15−雇用10−B】

雇用保険に係る保険関係が消滅したとき、日雇労働被保険者を使用しなく
なったとき又は保有する雇用保険印紙の等級に相当する賃金日額の日雇
労働被保険者を使用しなくなったときは、事業主は、その保有する雇用
保険印紙の買戻しを申し出ることができるが、その際には、雇用保険印紙
購入通帳にその事由に該当することについてあらかじめ所轄公共職業安定
所長の確認を受けなければならない。

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雇用保険印紙の買戻しに関しては、簡単に言えば、
「保険関係が消滅した」
「日雇労働被保険者を使用しなくなった」
「印紙保険料が変更された」
いずれかの場合に限って、行うことができます。

その場合、買戻しの期限が定められているものがあります。
また、公共職業安定所長の確認が必要となるものがあります。
出題の論点の多くは、この点です。

【18−雇用9−B】は、買戻しの期限が論点です。
雇用保険印紙が変更された場合に限り、期限があるので、正しいということに
なります。
ですので、【12−雇用9−E】も正しいですね。
これに対して、【14−雇用9−E】は、日雇労働被保険者を使用しなくなった
場合の買戻しです。
この場合は、買戻し期間に制限はないので、誤りです。
ただ、公共職業安定所長の確認が必要となります。
【15−雇用10−B】では、そこを論点にしていて、正しい内容です。
ということで、
どの場合に期限があるのか、確認が必要なのか、整理しておきましょう。

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