特定業務従事者の定期健康診断

  • 2006.01.27 Friday
  • 06:41
今回は、平成17年労働安全衛生法問9―Bです。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

事業者は、強烈な騒音を発する場所における業務に常時従事する労働者に
対しては、当該業務への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回、定期に、
所定の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

この問題にある業務に従事する労働者は特定業務従事者です。
ですので、定期健康診断の頻度は「6か月以内ごとに1回」で正しくなります。

実は、平成17年に業務は違うのですが、もう1つ特定業務従事者について
出題されたんですね。
では、次の問題を見てください。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
 
【17−10−D】
事業者は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者に対しては、当該業務
への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回、定期に、所定の項目について
医師による健康診断を行わなければならない。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

こちらも正しい肢です。一方は問9、一方は問10、このように出されると
あれ、どちらかは間違い?なんて思ってしまいそうですよね。

択一式は70問、全部で350肢あるんですから、似たような肢が複数ある
ってこともあるんです。
そのような場合、惑わされないで下さいね。
作問者が意図的に出しているかもしれませんからね。

そこで、【17−10−D】については、次の問題を見てください。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【12−10−A】
事業者は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者に対しては、当該業務
への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回、定期に、所定の項目について
医師による健康診断を行わなければならない。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

まったく同じ内容で出題されていたんですよね。
深夜業に関することは、労働基準法の労働時間や割増賃金の規定に関しても
よく出題されますので、今後も注意しておきましょう。

一般健康診断と精密検査

  • 2006.01.22 Sunday
  • 07:04
今回は、平成17年労働安全衛生法問9―Cです。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

一般健康診断において、毎月100時間以上の時間外労働を行わせている
労働者について血圧測定、血中脂質検査、血糖検査及びBMIのいずれの
項目においても異常の所見があり、要精密検査と診断されたときは、
事業者は、当該精密検査を、当該一般健康診断の一環として、その責任に
おいて行わなければならない。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

一般に、事業者に対しては精密検査を実施する義務は課されていません
なので、誤りです。
この問題、過去問の応用ですね。
平成15年に出題された問題の難易度を上げたものと言えるのではないでしょうか。

では、次の問題を見てください。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
 
【15−9−C】
いわゆる一般健康診断において、ある労働者が要精密検査と診断された場合、
事業者は、当該一般健康診断実施義務の一環として、当該精密検査を、その
責任において行わなければならない。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

この問題にしても、17年の問題にしても
論点は「一般健康診断実施義務の一環として、当該精密検査を、その
責任において行わなければならない」という箇所です。
そのような責任はありませんので。
ちなみに、指針で
「有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質等障害予防規則等に規定されている
特殊健康診断については、再検査等の実施が義務づけられています」
なんてことを言っています。
それと、17年の問題文中に「毎月100時間以上の時間外労働を行わせている」
というのがありますが、安衛法の改正で、事業者は一定の労働者に対して面接指導を
行うことが義務付けられましたが、その労働者の要件(施行規則案)に「100時間を
超える時間外労働」というような内容が含まれています。
「面接指導」については、今後詳細が決定していきますが、要注意です。

派遣労働者の安衛法の適用

  • 2006.01.15 Sunday
  • 07:50
今回は、平成17年労働安全衛生法問8―Aです。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

労働者がその事業における派遣就業のために派遣されている派遣先の事業に
関しては、労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づく作業内容変更時の
安全衛生教育は派遣元事業主及び派遣先事業主が、同条第3項の特別の安全
衛生教育は派遣先事業主が、それぞれ行わなければならない。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

派遣労働者に関する適用の特例、元々、労働基準法でよく出題されていましたが、
安全衛生法からも出題されるようになりましたね。

この肢は正しい肢です。
「特別教育」、これは実際に働く場所でのことになるので、派遣先に義務
生じます。OK
なので、職長教育も派遣先ですね。

では、派遣労働者に関する安全衛生法の特例に関する、次の問題を見てください。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
 
【16−8−C】
派遣中の労働者が派遣就業中に労働災害により死亡し、又は休業した場合
における労働安全衛生規則第97条の規定に基づく労働者死傷病報告の提出は、
派遣先の事業者のみが行えば足りる。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

労働者死傷病報告の届出義務は、派遣先、派遣元、それとも両方?ってことを
聞いている問題で、かなり厳しい問題ですよね。

答えは、派遣元及び派遣先の事業者いずれにも適用されるので、誤りになります。

問題文の「派遣先の事業者のみが行えば足りる」の「のみ」これが何となく
怪しいのでは?
なんて思いつけば、誤りと判断できるのでしょう。
さらに、派遣労働者に対する労災保険の適用とか思いつけば、派遣元では?
と考えることもでき、正誤の理由はともかく、とりあえず誤りと判断できる
かもしれませんね。

でも、繰り返しますが、これは派遣先、派遣元どちらにも適用されますからね。

割増賃金と年俸制

  • 2006.01.11 Wednesday
  • 05:53
今回は、平成17年労働基準法問7―Bです。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

年間賃金額を予め定めるいわゆる年俸制を採用する事業場において、
就業規則により、決定された年俸の16分の1を月例給与とし、決定
された年俸の16分の4を2分して6月と12月にそれぞれ賞与として
支給し、他に交通費実費分の通勤手当を月々支給することを定めて支給
しているような場合には、割増賃金の支払いは、月例給与に賞与部分を
含めた年俸額を基礎として計算をして支払わなければならない。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

この問題にある「賞与」は一般的にボーナスなんて呼ばれていたとしても
労働基準法では「賞与」に該当しません。OK
ですので、割増賃金の算定の基礎になります

この問題は、平成14年の問題に、「通勤手当」の話を加えて、ちょっと
難しくしただけで、基本的な論点は同じですから、14年の問題を解いていれば、
簡単に正誤の判断ができたのではないでしょうか。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
 
【14−3−D】
年間賃金額を予め定めるいわゆる年俸制を採用し、就業規則により、例えば
決定された年俸の17分の1を月例給与として支給し、決定された年俸の
17分の5を二分して6月と12月に賞与として支給することを定めて支給
しているような場合には、これらの賞与は、労働基準法第37条の割増賃金の
計算の基礎となる賃金から除外することはできない。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

これも正しい肢です。
賞与とは、その額があらかじめ確定しないものをいうので、あらかじめ確定
していれば、賞与にはなりません。

就業規則の適用

  • 2006.01.06 Friday
  • 07:16
今回は、平成17年労働基準法問6―Bです。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

新たな就業規則の作成又は変更によって、既得の権利を奪い、労働者に
不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないと解す
べきであるが、労働条件の集合的処理、特にその統一的かつ画一的な決定を
建前とする就業規則の性質からいって、当該規則条項が合理的なものである
かぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その
適用を拒否することは許されないと解すべきであるとするのが最高裁の判例
である。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

これは最高裁の判例からの出題です。
とはいえ、完全に定番になった問題です。
就業規則の不利益変更は原則ダメ
合理的な就業規則なら、個々の労働者が知っているかどうかとか、
納得したかどうかとかに関係なく適用される

ということですね。OK

では、次の過去問を見てください。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
 
【9―2−C】
就業規則の定めは、その定めが合理的なものである限り、労働条件の決定は
その就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして法的規範
としての性質を有するので、当該事業場の労働者は、就業規則の存在及び
内容を知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別に同意を
与えたかどうかを問わず、当然にその適用を受けるというのが最高裁判所の
判例の趣旨である。

【14―6−A】
就業規則に関しては、新たな就業規則の作成又は変更によって、既得の権利を
奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として許され
ないが、当該規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、
これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されない、
とする旨の最高裁判決がある。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

いずれも同じ判例(秋北バス事件)からの出題で正しい肢です。
今後も繰り返し出題される可能性があるでしょうから、ちゃんと内容を
確認しておきましょう。

妊娠中の軽易業務への転換

  • 2006.01.04 Wednesday
  • 08:09
今回は、平成17年労働基準法問5―Eです。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

労働基準法第65条第3項の規定に基づき、使用者は、妊娠中の女性が請求した
場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。この場合、
使用者は、原則としてその女性が請求した業務に転換させなければならないが、
新たに軽易な業務を創設して与えるまでの必要はない。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

その通りです。
他に仕事がないんだから、しょうがないですよね。
無理矢理作れっていうのは、使用者への負担が大きすぎますからね

軽易な業務への転換の規定、出題されると続いて出るんですよね。
ずーっと昔、平成4年に出たら、平成6年に出題。
今回は、平成15年に出題されたのに続いたって感じで。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
 
【15−6−C】
使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換
させなければならないが、この規定は、妊娠中の女性であって管理監督者に
該当するものにも適用される。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

管理監督者にも適用されます
管理監督者が適用除外となるのは、労働時間等の規定ですからね。
そういえば、
この問題は70号でも取り上げてますよね。
そちらの論点でももう一度確認しておいてくださいね。

育児休業と計画的付与

  • 2006.01.01 Sunday
  • 09:24
 今回は、平成17年労働基準法問5―Cです。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

年次有給休暇は、労働義務のある日についてのみ請求できるものであるから、
育児休業申出後には、育児休業期間中の日について年次有給休暇を請求する
余地はない。また、育児休業申出前に育児休業期間中の日について、労働基準
法第39条第5項の規定に基づく年次有給休暇を与える時季に関する定めを
した場合においても、同様に、当該日には年次有給休暇を取得したものとは
解されない。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

前半部分は正しいのですが、後半が誤りです。
労働の義務が消滅する前に計画的付与が行われ、その後、育児休業の申出が
あったのですから、有給休暇は成立します。
どちらが先かという時間的な問題なのです。
計画的付与が行われてしまえば、いくら育児休業期間中であっても、
有給休暇が優先
されてしまいます。

では、次の過去問を見てください。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
 
【9―5−D】
労働者の育児休業の申出の前に、育児休業期間中の日について労使協定に
基づくいわゆる年次有給休暇の計画的付与が行われた場合には、当該日に
ついては、当該労働者は年次有給休暇を取得したものと解される。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

その通り、正しい肢です。
「育児休業の申出の前」に計画的付与が行われているのですからね。

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