平成30年−厚年法問1−A「適用事業所の一括」
- 2019.05.24 Friday
- 05:00
今回は、平成30年−厚年法問1−A「適用事業所の一括」です。
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2以上の船舶の船舶所有者が同一である場合には、当該2以上の船舶を1つ
の適用事業所とすることができる。このためには厚生労働大臣の承認を得な
ければならない。
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「適用事業所の一括」に関する問題です。
次の問題をみてください。
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【 17−厚年2−C[改題]】
同一の事業主による二以上の適用事業所(船舶を除く)は厚生労働大臣の承認を
受けて一の適用事業所となることができるが、この承認があったときは、当該二
以上の事業所は適用事業所ではなくなったとみなされる。
【 25−厚年5−D 】
2以上の適用事業所(船舶を除く)の事業主が同一である場合には、当該事業主は、
厚生労働大臣に届け出れば、当該2以上の事業所を1つの適用事業所とすることが
できる。
【 9−厚年−記述 】
2以上の適用事業所(( D )を除く)の事業主が同一である場合には、
当該事業主は、( E )の承認を受けて、当該2以上の事業所を一の適用
事業所とすることができる。
【 25−厚年5−E 】
2以上の船舶の船舶所有者が同一である場合には、当該2以上の船舶は、1つ
の適用事業所とする。この場合において、当該2以上の船舶は、厚生年金保険法
第6条に定める適用事業所でないものとみなす。
【 11−厚年10−B 】
二以上の船舶の船舶所有者が同一である場合には、当該二以上の船舶は、一の適用
事業所とするが、この場合、当該二以上の船舶についても、それぞれ厚生年金保険法
第6条の適用事業所とみなす。
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「適用事業所の一括」に関する問題です。
厚生年金保険の適用は、事業所を単位にしています。
つまり、事業所ごとに適用します。
ただ、事業主の事務処理の便宜などを考慮して、同一事業主の適用事業所で
あれば、まとめて1つの適用事業所とすることができます。
で、この取扱いは例外ですから、当然に行われるものではなく手続が必要と
なります。
その手続、単に届け出るということでは、認められません。
厚生労働大臣の承認が必要となります。
ですから、【 17−厚年2−C[改題]】は正しく、【 25−厚年5−D 】は誤りです。
この手続に関して、船舶は一般の事業所と異なっています。
そのため、これらの問題文に「船舶を除く」とあります。
船舶は、そもそも船員保険法で適用を受けていたという経緯があるので、それを
引き継ぎ、一般の事業所とは異なる扱いをしているのです。
船舶の場合、特段の手続をすることなく、一括されます。
この点、【 30−厚年1−A 】では、「厚生労働大臣の承認を得なければならない」
としているので、誤りです。
それと、一括された場合ですが、すべての事業所をまとめて1つの適用事業所と
します。つまり、個々の事業所は適用事業所ではなくなります。
この扱いは、船舶も同一です。
現実的にいえば、ある企業の所有する船舶は、全部で1つの適用事業所としてしまい
ますということです。
ですので、【 25−厚年5−E 】は正しいのですが、【 11−厚年10−B 】の後段
部分は誤りです。
全部まとめて1つの事業所なので、個々の船舶については、適用事業所とは扱いません。
ちなみに、労働保険徴収法の継続事業の一括は、ある1つの事業に保険関係を集約する
という考え方を採っているので、「一括」といっても、考え方が違いますね。
【 9−厚年−記述 】の答えは、
D:船舶 E:厚生労働大臣 です。