平成30年−労災法問6−E「障害(補償)給付・併合繰上げ」

今回は、平成30年−労災法問6−E「障害(補償)給付・併合繰上げ」です。

 


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障害等級表に該当する障害が2以上あって厚生労働省令の定める要件を満たす
場合には、その障害等級は、厚生労働省令の定めに従い繰り上げた障害等級に
よる。具体例は次の通りである。
1)第5級、第7級、第9級の3障害がある場合 第3級
2)第4級、第5級の2障害がある場合 第2級
3)第8級、第9級の2障害がある場合 第7級

 


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「障害(補償)給付・併合繰上げ」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 21−6−C 】

 

障害等級表に該当する障害が2以上あって厚生労働省令の定める要件を満たす
場合には、その障害等級は、厚生労働省令の定めるところに従い繰り上げた
障害等級による。繰り上げた障害等級の具体例を挙げれば、次のとおりである。
1)第8級、第11級及び第13級の3障害がある場合 第7級
2)第4級、第5級、第9級及び第12級の4障害がある場合 第1級
3)第6級及び第8級の2障害がある場合 第4級

 


【 20−3−E 】

 

障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級については、同一の業務災害に
より第5級以上に該当する身体障害が2以上残った場合は、第1級を上限として、
重い方の身体障害の障害等級を3級だけ繰り上げた障害等級による。

 


【 4−3−D 】

 

同一業務災害により、1手の中指を失い(障害等級第11級の身体障害)、かつ、
3歯に対し歯科補てつを加えた(障害等級第14級の身体障害)場合は、障害
等級第10級の障害補償一時金が支給される。

 


【 10−2−E 】

 

同一の業務災害により第4級と第5級の二つの身体障害を残した場合には、
原則として障害等級第1級の障害補償給付が支給される。

 

 

【 12−4−B 】

 

障害補償給付を支給すべき障害が二以上ある場合の障害等級は、重い方の
障害等級によるが、次の場合には、重い方の障害をそれぞれ当該各号に
掲げる等級だけ繰り上げた等級による。
1)第13級以上の障害が二以上あるとき 1級
2)第9級以上の障害が二以上あるとき 2級
3)第6級以上の障害が二以上あるとき 3級

 


【 15−6 】

 

障害補償給付又は障害給付を支給すべき身体障害の障害等級は、労働者災害
補償保険法施行規則別表第1に定められているが、同表に掲げる身体障害が
二以上ある場合における身体障害の障害等級として、誤っているものはどれか。
A 第4級及び第5級の身体障害がある場合、第2級
B 第7級及び第8級の身体障害がある場合、第5級
C 第9級及び第14級の身体障害がある場合、第9級
D 第10級及び第12級の身体障害がある場合、第9級
E 第9級、第11級及び第13級の身体障害がある場合、第8級

 


【 8−記述 】

 

障害の系列を異にする身体障害について、障害等級が第( B )級以上に
該当するものが2以上あるときは、重い方の障害等級を2級だけ繰り上げた
障害等級により、障害等級が第( C )級以上に該当するものが2以上ある
ときは、重いほうの障害等級を3級だけ繰り上げた障害等級によることを原則
とする。

 


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「障害等級の併合繰上げ」に関する問題です。


この規定については、ご覧のように、とにかく、よく出題されます。
出題の形式も様々で、記述式からの出題もあり、択一式からの出題もあり、
択一式では1問構成の場合もあるし、単に1肢としての出題もあります。

 

「障害等級の併合繰上げ」ですが、
複数の身体障害を残し、かつ、第13級以上の障害が2以上あるときは、
その障害等級に応じて重いほうの身体障害の等級を次のように繰り上げます。

(1)第13級以上の障害が2以上あるとき ⇒ 1級繰り上げる。
(2)第8級以上の障害が2以上あるとき ⇒ 2級繰り上げる。
(3)第5級以上の障害が2以上あるとき ⇒ 3級繰り上げる。

 

ですので、【 12−4−B 】は、誤りです。
「第9級」とあるのは「第8級」、「第6級」とあるのは「第5級」です。

障害の系列を異にする身体障害が2以上あるとき、それらを併せた状態としての
等級を定めるって、難しい面があるので、このような基準を設けて、決定する
ようにしています。

 

そこで、【 30−6−E 】と【 21−6−C 】では、事例として3つのパターンを
挙げていますが、
【 30−6−E 】の2)の場合、前記の(3)に該当するので、第4級を3級
繰り上げた第1級となるため、誤りです。

【 21−6−C 】については、
1)第8級、第11級及び第13級の3障害がある場合は、
前記(1)に該当するので、第8級を1級繰り上げ、第7級となります。
2)第4級、第5級、第9級及び第12級の4障害がある場合は、
前記(3)に該当するので、第4級を3級繰り上げ、第1級となります。
3)第6級及び第8級の2障害がある場合は、
前記(2)に該当するので、第6級を2級繰り上げ、第4級となります。
ということで、正しい内容です。

 

次に、【 20−3−E 】と【 10−2−E 】ですが、
これらは、いずれも(3)に該当するので、正しいです。

 

【 4−3−D 】は、一方の障害が第14級です。
この場合、繰上げは行いません。
第13級以上の障害に第14級の障害を加えても、1つ上の等級として評価
するほどの状態にはならないので、繰上げを行いません。
【 4−3−D 】では1級繰り上げた内容となっているので、誤りです。

 

【 15−6 】は、Aが誤りです。
障害等級第5級以上の身体障害が2以上あるときは、重いほうの障害等級を
3級繰り上げます。したがって、肢Aの場合は第1級となります。

 

【 8−記述 】の答えは
A:8
B:5
です。

 

さすがに、これだけ出題されていますから、今後も、繰り返し出題されるで
しょうね。ですので、労災保険で、まず覚えるのは、この数字です。
この問題が出たときに間違えるようだと、はっきりいって、他の受験生に1点
ハンディをあげたようなものですから。
絶対に、間違えないようにしましょう。

 


平成30年−労災法問5−E「休業補償給付の額」

今回は、平成30年−労災法問5−E「休業補償給付の額」です。

 


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業務上の傷病により、所定労働時間の一部分についてのみ労働する日の休業
補償給付の額は、療養開始後1年6か月未満の場合には、休業給付基礎日額
から当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額の100分の60に
相当する額である。

 


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「休業補償給付の額」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 21−4−D 】

 

業務上の傷病の療養のため所定労働時間の一部しか労働できなかった日の休業
補償給付の額は、給付基礎日額から当該労働に対して支払われた賃金の額を
差し引いた額(その額が最高限度額を超える場合には最高限度額に相当する額)
の100分の60に相当する額となる。

 


【 18−2−C[改題]】

  

労働者が業務上の傷病の療養のため所定労働時間の一部分について労働する
ことができない日に係る休業補償給付の額は、給付基礎日額から実際に労働
した部分についての賃金額を控除して得た額(当該控除して得た額が最高限度
額を超える場合にあっては、最高限度額に相当する額)の100分の60に相当
する額である。
※「給付基礎日額」とは、年齢階層別の最高限度額が給付基礎日額となる場合
 にあっては、その適用がないものとした場合における給付基礎日額をいう、
 とされています。

 


【 13−2−A[改題]】

 

労働者が業務上の傷病による療養のため所定労働時間のうちその一部分に
ついて労働する日に係る休業補償給付の額は、給付基礎日額から実際に労働
した部分についての賃金額を控除して得た額(当該控除して得た額が最高
限度額を超える場合にあっては、最高限度額に相当する額)の100分の60
に相当する額である。
※「給付基礎日額」とは、年齢階層別の最高限度額が給付基礎日額となる場合
 にあっては、その適用がないものとした場合における給付基礎日額をいう、
 とされています。

 


【 15−4−C 】

 

労働者が業務上の事由又は通勤による傷病に係る療養のため所定労働時間の
うちその一部分についてのみ労働する日に係る休業補償給付又は休業給付の
額は、給付基礎日額(労災保険法第8条の2第2項第2号に定める額(以下
この問において「最高限度額」という)を給付基礎日額とすることとされて
いる場合にあっては、同号の適用がないものとした場合における給付基礎
日額)から当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額(当該
控除して得た額が最高限度額を超える場合にあっては、最高限度額に相当
する額)の100分の60に相当する額である。

 


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一部労働、一部休業の場合の休業補償給付の額に関する問題で、
いずれも正しい内容です。

 

一部労働、一部休業の場合って、
単純に考えれば、1日の一部を休んだんだから、休んだ部分について休業
補償給付が支給される、
つまり、給付基礎日額から働いた分の賃金を控除した部分が休んだ部分なので、
その60%を支給するってことです。

 

しかし、これらの問題は、給付基礎日額について年齢階層別の最高限度額の
適用との関係が論点にされているため、少しややこしい文章になっています。

とはいえ、休んだ部分について支給するという考えなのですから、当初の給付
基礎日額から賃金を控除した額、これが支給額の算定の基礎となり、そこに
年齢階層別の最高限度額を適用するってことになります。

 

たとえば、所定労働時間が8時間で、給付基礎日額が20,000円の労働者、
ある日、6時間働き、2時間休んだとしたら、15,000円の賃金が支払われます。
この労働者が25歳未満なら、年齢階層別の最高限度額は13,264円です。
当初の給付基礎日額に年齢階層別の最高限度額を適用すると20,000円を13,264円
に引き下げることになりますが、そこから働いた分の賃金(この場合は、15,000円)
を控除するとマイナスになってしまいます。
これでは、支給額を算定できませんよね。

そんなこともあり、当初の給付基礎日額には年齢階層別の最高限度額を適用せず、
働いた分の賃金を控除した後、そこに年齢階層別の最高限度額を適用するように
しています。

 

それと、【 30−5−E 】では、年齢階層別の最高限度額の記載がありませんが、
療養開始後1年6カ月を経過していると、休業給付基礎日額に年齢階層別の最高
限度額が適用されます。
この問題では「療養開始後1年6か月未満」とあるので、年齢階層別の最高限度額
は適用されません。
ですので、年齢階層別の最高限度額の記述がなくても正しいです。


年齢階層別の最高限度額の適用と給付額の算定、これを組み合わせた問題、
今後も出題される可能性があるので、仕組みを理解しておきましょう。

 

 

 


平成30年−労災法問5−A「休業(補償)給付の待期」

今回は、平成30年−労災法問5−A「休業(補償)給付の待期」です。

 


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休業補償給付は、業務上の傷病による療養のため労働できないために賃金を
受けない日の4日目から支給されるが、休業の初日から第3日目までの期間
は、事業主が労働基準法第76条に基づく休業補償を行わなければならない。

 


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「休業(補償)給付の待期」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 21−4−A 】

 

休業補償給付は、業務上の傷病による療養のため労働することができないために
賃金を受けない日の第4日目から支給されるが、それまでの3日間については、
労働基準法第76条により使用者が直接に休業補償を行わなければならない。

 


【 15−4−A 】

 

労働者が業務上の傷病による療養のため労働することができないために賃金を
受けない場合には、その第1日目から第3日目までは使用者が労働基準法第76条
の規定に基づく休業補償を行い、第4日目からは休業補償給付が支給される。

 


【 24−2−E 】

 

休業給付が支給されない休業の初日から第3日目までの待期期間について、
事業主は労働基準法に基づく休業補償の義務を負わない。

 


【 15−4−B 】

 

労働者が通勤による傷病に係る療養のため労働することができないために賃金
を受けない場合には、使用者による休業補償はないが、給付費用の一部負担金
に相当する額を減額した休業給付が第1日目から支給される。

 


【 8−2−C 】

 

労働基準法上使用者に補償義務が課されていない通勤による傷病に基づく
休業についても、休業給付は待期期間3日間を経過した第4日目から支給さ
れる。

 


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「休業(補償)給付の待期」に関する問題です。

 

休業補償給付、休業給付いずれについても支給開始は、「労働することができない
ために賃金を受けない日」の「4日目」からです。
基本中の基本です。
絶対に間違えてはいけない点です。

 

そこで、待期期間中ですが、
労働基準法の休業補償を行わなければならないのかどうかといえば、
業務災害の場合には、当然、使用者に補償の義務があります。
通勤災害については、通常、事業主に直接的な責任はありませんから、災害補償
を行う必要はありません。

 

【 30−5−A 】、【 21−4−A 】、【 15−4−A 】は、待期期間中は労働基準法
の規定に基づき休業補償が行われることを出題したものです。
いずれも、業務災害による「休業補償給付」ですから、そのとおり正しいです。

 

【 24−2−E 】、【 15−4−B 】、【 8−2−C 】は、「休業給付」とあるので、
通勤災害の場合です。

 

【 24−2−E 】は、待期期間中、「事業主は労働基準法に基づく休業補償の義務
を負わない」としているので、正しいです。

 

【 15−4−B 】ですが、「使用者による休業補償はない」という箇所は、その
とおりです。
ただ、だからといって、休業初日から休業給付が支給されるのかといえば、それ
はありませんよ。
もちろん誤りです。

休業補償は、労働基準法の問題であって、労災保険とは直接関係ありません。
ですので、労災保険制度内において休業補償給付と休業給付とで支給開始時期
に差をつけるなんてことはありません。
いずれも4日目から支給です。

ということで、【 8−2−C 】は正しいです。

 

「休業補償給付・休業給付の待期」、
それぞれで出題されれば、その間、使用者に休業補償の義務があるかどうか、
判断することは、難しくないので、間違えないかと思います。
ただ、労災保険法の問題、
「休業補償給付又は休業給付は・・・」というように、2つを並べて出題してくる
ってことがあります。
このような場合、どちらの扱いも考える必要があります。
問題文をしっかり読まず、「休業補償給付」だけのことなんて思い込んで、間違えて
しまわないよう、注意しましょう。

 

 


平成30年−労災法問2−B「介護補償給付」

今回は、平成30年−労災法問2−B「介護補償給付」です。

 


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介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者
が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる
障害であって厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を
要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を
受けている間、当該労働者に対し、その請求に基づいて行われるものであり、
病院又は診療所に入院している間も行われる。

 


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「介護補償給付」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 24−3−D 】

 

労働者が老人福祉法の規定による特別養護老人ホームに入所している間に
ついては、介護補償給付は支給されない。

 


【 18−3−D 】

 

介護補償給付は、傷病補償年金又は障害補償年金を受ける権利を有する労働者
が、当該傷病補償年金又は障害補償年金の支給事由となる障害であって厚生
労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、
かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(病院
その他一定の施設に入所している間を除く)、当該労働者に対し、その請求に
基づいて行われる。

 


【 10−4−D[改題]】

 

介護補償給付は、被災労働者が労災病院又は都道府県労働局長の指定する
病院に入院している場合であっても、そこに入院している間は支給されない。

 


【 9−2−A[改題]】

 

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の規定による
障害者支援施設に入所している間は介護補償給付は支給されないが、老人
福祉法の規定による特別養護老人ホームに入所している間は介護補償給付は
支給される。

 


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「介護補償給付が支給されない場合」に関する問題です。

 

介護補償給付は、所定の支給要件を満たす場合に支給されます。
ただ、そのような状態であっても、
● 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する
 障害者支援施設に入所している間(生活介護を受けている場合に限ります)
● 障害者支援施設(生活介護を行うものに限ります)に準ずる施設として厚生
 労働大臣が定めるもの(特別養護老人ホーム、原子爆弾被爆者特別養護ホーム
 等)に入所している間
● 病院又は診療所に入院している間
は、支給されません。

 

これらの施設に入所・入院していれば、十分な介護を受けることができます。
で、費用がかかるわけではありません。
介護補償給付は、介護費用を支給するものですから、費用がかからず、親族の
介護負担がかからず、介護を受けることができるのであれば、支給の必要性に
欠けます。
そのため、このような場合は支給されません。

 

【 24−3−D 】、【 18−3−D 】、【 10−4−D[改題]】は正しく、
「病院又は診療所に入院している間も行われる」とある【 30−2−B 】と
「特別養護老人ホームに入所している間は介護補償給付は支給される」とある
【 9−2−A[改題]】は誤りです。

 

そこで、【 18−3−D 】ですが、支給要件の中にカッコ書きで「病院その他一定
の施設に入所している間を除く」と入れています。
こういうようなカッコ書きって、しっかりと読まないなんてこと、ありがちです。
「除く」を「含む」と置き換えてあったりしても、見逃してしまうなんてこと。

ですので、このような出題があったときは、カッコ書き、注意しましょう。

 

 


平成30年−労災法問1−B「心理的負荷による精神障害の認定基準」

今回は、平成30年−労災法問1−B「心理的負荷による精神障害の認定基準」
です。

 


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認定基準において、業務による強い心理的負荷とは、精神障害を発病した労働者
がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたかと
いう観点から評価されるものであるとされている。

 


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「心理的負荷による精神障害の認定基準」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 27−1−E 】

 

認定基準においては、うつ病エピソードを発病した労働者がセクシュアル
ハラスメントを受けていた場合の心理的負荷の程度の判断は、その労働者が
その出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたか
で判断される。

 


【 24−7−C 】

 

認定基準においては、「業務による強い心理的負荷」について、精神障害を発病
した労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け
止めたかではなく、職種、職場における立場や職責、年齢、経験等が類似する
同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価されるとしている。

 


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「心理的負荷による精神障害の認定基準」に関する問題です。

 

認定基準において「認定要件」の1つとして「対象疾病の発病前おおむね
6カ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること」を掲げています。

 

この「業務による強い心理的負荷」についてどのような観点から評価されるのか
といえば、
精神障害を発病した労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を
主観的にどう受け止めたかではなく、同種の労働者が一般的にどう受け止めるか
という観点から評価されるものである
としています。


認定するための基準ですから、個々の労働者の主観にしてしまうと、認定に統一性
が保たれず、結果として不公平な事態となるということも考えられるので、客観的
なものとする必要があります。


ですから、職種、職場における立場や職責、年齢、経験等が類似する者である
同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価するようにしています。

 

ということで、
「主観的にどう受け止めたか」とある【 30−1−B 】と【 27−1−E 】は誤りで、
【 24−7−C 】は正しいです。

 

「心理的負荷による精神障害の認定基準」は、今後、選択式での出題も考えられるので、
キーワードはしっかりと確認しておいたほうがよいでしょう。

 

 


平成29年−労災法問7−E「支給制限」

今回は、平成29年−労災法問7−E「支給制限」です。

 


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労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった
事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。

 


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「支給制限」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 26−3−A 】

 

業務遂行中の災害であっても、労働者が故意に自らの負傷を生じさせたときは、
政府は保険給付を行わない。

 


【 17−2−C 】

 

労働者の負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故が、
当該労働者又はその利害関係者の故意によって生じたものであるときは、保険
給付は行われない。

 


【 15−選択 】

 

労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、
死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行うこと等を
目的としており、労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその
( A )となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
行政解釈によれば、この場合における故意とは( B )をいう。

 


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「支給制限」に関する問題です。

 

保険事故とはあくまでも偶発的に起きた事故をいい、「故意に生じさせた事故」、
つまり、事故をわざと起こしたのであれば、それは、保険事故とはいえず、
保険給付の対象にしません。

すなわち、故意に事故を生じさせたときは、保険給付を受ける権利を与えません。

 

ですので、【 29−7−E 】と【 26−3−A 】は正しいです。

 

これらに対して、【 17−2−C 】では、
「利害関係者の故意によって生じた事故」についても支給制限される内容に
なっています。
支給制限されるのは、「本人の故意」による場合であって、「利害関係者の故意」
の場合は、保険給付の支給は制限されないので、誤りです。

 

それと、この「故意」の解釈について、選択式で出題されています。

【 15−選択 】の答えは、
A:直接の原因
B:結果の発生を意図した故意
です。

 

「故意」とはどういうことなのかという点については、択一式で出題される
ということもあり得ますし、事例としての出題もあるので、しっかりと理解
しておきましょう。

 

 


平成29年−労災法問7−D「受給権の保護」

今回は、平成29年−労災法問7−D「受給権の保護」です。

 


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保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。

 


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「受給権の保護」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 27−6−イ 】

 

労災保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。

 


【 16−3−B 】

 

休業補償給付又は休業給付は、業務上の事由又は通勤による傷病の療養のため
労働することができないために賃金を受けない場合に支給されるものである
から、労働契約の期間満了等により労働関係が消滅した後においても、当該
傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない状態に
ある限り、支給される。

 


【 8−2−D 】

 

休業補償給付を受ける労働者について、当該労働者が従事する事業の廃止に
伴い労働関係が終了した場合又は本人の自己都合で会社を退職した場合でも、
当該休業補償給付は引き続き支給される。

 

 

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「受給権の保護」に関する問題です。

 

保険給付を受ける権利は、労働者という身分があることを前提として生じますが、
いったん発生した保険給付を受ける権利は、その身分を失ったとしても、変更され
ません。


つまり、労働者の退職によって変更されることはありません。

 

これは、労働者が業務上の事由により負傷又は疾病を被った場合に、保険給付
が雇用関係の存在している期間中についてのみ補償され、退職等の理由により
雇用関係がなくなった場合は補償されないということになると被災労働者の
被った損害の一部しかてん補されないことになるため、退職を理由により使用者
との間に雇用関係がなくなったとしても、支給事由が存在する限り保険給付を
受けることができるようにしたものです。

 

【16−3−B】と【 8−2−D 】に関しては具体的な出題で、退職の事由が
挙げられていますが、退職の事由を問わず、保険給付を受ける権利は変更され
ません。


ですので、いずれの場合も、支給要件を満たしているのであれば、休業補償給付
は引き続き支給されます。

 

ということで、どの問題も正しいです。

 

このような規定は、具体的な内容で出題してくることがあり、もっともらしい
言い訳を問題文に組み込んで誤っている内容を正しく見せようという文章として
出題されることがあるので、そのような出題があった場合、惑わされないように
しましょう。

 

 


平成29年−労災法問5−B「一部負担金」

今回は、平成29年−労災法問5−B「一部負担金」です。

 


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療養給付を受ける労働者は、一部負担金を徴収されることがある。

 


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「一部負担金」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 24−2−B 】

 

政府は、療養給付を受ける労働者(法令で定める者を除く)から、200円(健康
保険法に規定する日雇特例被保険者である労働者については100円)を一部負担金
として徴収する。ただし、現に療養に要した費用の総額がこの額に満たない場合は、
現に療養に要した費用の総額に相当する額を徴収する。

 


【 17−4−A 】

 

療養給付を受ける労働者(厚生労働省令で定める者を除く)は、その費用の一部として
200円(健康保険の日雇特例被保険者にあっては100円)を負担する。ただし、療養
給付を受ける労働者に支給する休業給付であって最初に支給すべき事由の生じた日に
係るものについて厚生労働省令で定める額を減額した休業給付の支給を受けた労働者
については、この限りでない。

 


【 14−7−A 】

 

通勤災害により療養給付を受ける労働者は、500円を超えない範囲内で厚生労働省令
で定める額の一部負担金を徴収される。

 


【 11−6−A 】

 

通勤災害により療養給付を受ける労働者は、200円を超えない範囲内で定める額を
一部負担金として政府に徴収されるが、第三者の行為によって生じた事故により
療養給付を受ける者や療養の開始後3日以内に死亡した者は、徴収されない。

 


【 27−2−E 】

 

政府が療養給付を受ける労働者から徴収する一部負担金は、第三者の行為によって
生じた交通事故により療養給付を受ける者からも徴収する。

 


【 25−4−イ 】

 

政府は、療養の開始後3日以内に死亡した者からは、一部負担金を徴収する。

 


【 25−4−ウ 】

 

政府は、同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者
からは、一部負担金を徴収しない。

 


【 9−記述 】

 

政府は、通勤災害によって療養給付を受ける労働者から、一部負担金として
( A )円を超えない額を徴収するが、次に掲げる者からは徴収しないことと
している。
1) 第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者
2) 療養の開始後3日以内に死亡した者その他( B )を受けない者
3) 同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者


☆☆======================================================☆☆

 


一部負担金の問題です。


通勤災害は直接的には事業主の責任がないので、療養給付を受ける場合、その費用の
一部を受益者である労働者に負担させることにしています。
そのため、一部負担金が徴収されることがあります。
ですので、【 29−5−B 】は正しいです。

 

そこで、一部負担金の規定は、択一式だけでなく、記述式でも出題されたことが
あり、いずれにしても、論点は、だいたい次の3つです。
・いくらなのか?
・どのように徴収するのか?
・徴収されない場合はどんなときか?

 

そこで、【 24−2−B 】【 17−4−A 】【 14−7−A 】【 11−6−A 】には、
いずれも「金額」の記述があります。

一部負担金の額、法条文では「200円を超えない範囲内で厚生労働省令で定める額」
と規定しています。
で、厚生労働省令で、具体的に、200円(健康保険の日雇特例被保険者は100円)
としています。
ですので、「500円」とある【 14−7−A 】は誤りです。

 

【 24−2−B 】では、さらに、
「ただし、現に療養に要した費用の総額がこの額に満たない場合は、現に療養に
要した費用の総額に相当する額を徴収する」
という記述があります。
実際にかかった費用より多く徴収するというのは、さすがに、それはないです。
ですから、費用が200円や100円に満たないのであれば、実際にかかった費用だけ
徴収します。
【 24−2−B 】は正しいです。

 

【 17−4−A 】は、どのように徴収するのかを一番の論点にしています。
問題文の「厚生労働省令で定める額を減額した休業給付」というのは、「一部負担金
相当額を控除した休業給付」のことです。
一般に休業給付から控除する方法で徴収するため、休業給付が減額されたのであれば、
別途徴収することはないので、「この限りでない」とあるのは、正しいです。

 

ちなみに、この一部負担金の徴収方法については、【 24−2−C 】で、
療養給付を受ける労働者から一部負担金を徴収する場合には、労働者に支給すべき
休業給付の額から、一部負担金の額に相当する額を控除することができる。
という正しい出題があります。

 

それと、【 11−6−A 】、【 27−2−E 】、【 25−4−イ 】、【 25−4−ウ 】では、
徴収されない場合を論点にしていますが、
● 第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者
● 療養の開始後3日以内に死亡した者その他休業給付を受けない者
● 同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者
については、一部負担金は徴収されません。


「第三者行為災害」の場合は、本人の責任はありません。また、休業給付を受けない
のであれば、徴収の仕組みから徴収することができません。で、徴収するのは、一の
災害について1回だけです。
そのため、これらの者からは一部負担金は徴収しません。

 

ですので、「第三者の行為によって生じた交通事故」の場合にも徴収するとしている
【 27−2−E 】と「療養の開始後3日以内に死亡した者」から一部負担金を徴収
するとしている【 25−4−イ 】は誤りで、他の2問は正しいです。

 

【 9−記述 】の答えは、書くほどではありませんが、念のため、
A:200 B:休業給付
です。

 

一部負担金に関しては、正誤の判断がしやすい出題が多いので、出題されたときは、
確実に正解するようにしましょう。

 

 

 


平成29年−労災法問1−E「業務災害」

今回は、平成29年−労災法問1−E「業務災害」です。

 


☆☆======================================================☆☆

 


川の護岸築堤工事現場で土砂の切取り作業をしていた労働者が、土蜂に足を
刺され、そのショックで死亡した。蜂の巣は、土砂の切取り面先約30センチ
メートル程度の土の中にあったことが後でわかり、当日は数匹の蜂が付近を
飛び回っており、労働者も使用者もどこかに巣があるのだろうと思っていた。
この場合、業務上として取り扱われる。

 


☆☆======================================================☆☆

 


「業務災害」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


☆☆======================================================☆☆

 


【 27−3−C 】

 

配管工が、早朝に、前夜運搬されてきた小型バイプが事業場の資材置場に乱雑
に荷下ろされていたためそれを整理していた際、材料が小型のため付近の車むら
に投げ込まれていないかと草むらに探しに入ったところ、その草むらの中に棲息
していた毒蛇に足を咬まれて負傷した場合、業務上の負傷に該当する。

 


【 5−2−A 】

 

小型パイプが資材置場に乱雑に荷下ろしされているのを整理する作業に従事して
いた労働者が、材料が小型のため車むらに投げ込まれていないかと探し入った
ところ、この地に多く棲息するハブに噛まれ負傷した。本件は、業務外の災害で
ある。

 


☆☆======================================================☆☆

 


「業務災害」に関する問題です。

 

ここのところ、業務災害に関しては、これらの問題のような事例がたびたび出題
されています。

 

そこで、まず、「業務災害」とは、労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡の
ことで、「業務上の事由による」と認定されるためには、「業務遂行性があること」
及び「業務起因性があること」という要件を満たす必要があります。

 

では、「蜂に刺されること」や「蛇に噛まれる」ということが業務と関連があるの
だろうか?と考えてしまう可能性がありますが、業務を行っている際に、潜在的な
危険が存在し、それが具体化したのであれば、業務との関連が認められることが
あります。

 

【 29−1−E 】の状況においては、作業中に土蜂に刺される危険性があり、実際
に刺されたのであれば、潜在的な危険が具体化したといえます。
そのため、業務遂行性及び業務起因性が認められ、業務上として取り扱われました。


【 27−3−C 】と【 5−2−A 】も同様の考え方で、
設問の配管工の行為には、業務遂行性が認められ、また、「毒蛇に足を咬まれて負傷」
というのは、草むらでの業務に内在する危険が現実化したものといえ、業務起因性も
認められるため、業務上の災害として取り扱われました。

 

ですので、
【 29−1−E 】と【 27−3−C 】は正しく、【 5−2−A 】は誤りです。

 


このような事例については、いくらでもあるので、1つ1つすべてを確認するという
ことはできませんから、認定に関する基本的な考え方、たとえば、作業中の災害で
あれば、作業を離脱している際に発生したものや災害が業務外の原因によるもので
ある場合等は、業務災害とされないことがあり、そうでないなら、基本的に業務災害
とされることなどを押さえておきましょう。

 

 


平成28年−労災法問5−オ「通勤における逸脱・中断」

今回は、平成28年−労災法問5−オ「通勤における逸脱・中断」です。

 


☆☆======================================================☆☆

 

 

労災保険法第7条に規定する通勤の途中で合理的経路を逸脱した場合でも、日常
生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により
行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱の間も含め同条の通勤とする。

 

 

☆☆======================================================☆☆

 

 

「業務上の疾病」に関する問題です。

次の問題をみてください。

 

 

☆☆======================================================☆☆

 

 

【 18−1−D 】

 

通勤としての移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合における逸脱又は
中断の間及びその後の移動は、原則として通勤に該当しない。

 


【 23−4−A 】

 

労災保険法第7条に規定する通勤の途中で合理的経路を逸脱した場合でも、日常
生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により
行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱の間も含め同条の通勤とする。

 


【 11−1−A 】

 

労働者が、就業に関し、自宅と就業の場所との間を往復するに際し、通勤に必要
な合理的な経路を逸脱した場合であっても、日常生活上必要な行為を行うために
やむを得ない理由があれば、当該逸脱の間に生じた災害についても保険給付の対象
になる。

 


☆☆======================================================☆☆

 


通勤の定義に関しては、頻繁に出題されています。

 

で、これらの問題は、逸脱又は中断の間やその後の移動は通勤となるか否か
というのが論点です。

 

逸脱や中断をしてしまえば、通勤という行為をしている状態ではなくなるの
ですから、当然、通勤としては認められません。


ということで、【 18−1−D 】は正しいです。

 

では、逸脱をしたけど、それが日常生活上必要な行為であった場合は
どうなるのでしょうか?

 

【 28−5−オ 】と【 23−4−A 】では、逸脱の間も通勤になるとしています。
【 11−1−A 】も、「その間の災害も保険給付の対象となる」としているので、
やはり、逸脱の間も通勤になるということです。

 

逸脱の間は、いくらなんでも、実際に通勤という行為をしていないのですから、
いかなる理由であっても、通勤としては認められません。
ですので、いずれも誤りです。

 

基本的なことですが、この逸脱・中断に関しては、事例として出題されることも
あり、そのような出題であっても、確実に正誤の判断ができるようにしておきま
しょう。

 

 

 


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