平成28年−労基法問7−D「年次有給休暇」

今回は、平成28年−労基法問7−D「年次有給休暇」です。

 


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育児介護休業法に基づく育児休業申出後には、育児休業期間中の日について年次
有給休暇を請求する余地はないが、育児休業申出前に育児休業期間中の日について
時季指定や労使協定に基づく計画付与が行われた場合には、当該日には年次有給
休暇を取得したものと解され、当該日に係る賃金支払日については、使用者に所要
の賃金支払いの義務が生じるものとされている。

 


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「年次有給休暇」に関する問題です。

次の問題をみてください。

 


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【 9−5−D 】

 

労働者の育児休業の申出の前に、育児休業期間中の日について労使協定に基づく
いわゆる年次有給休暇の計画的付与が行われた場合には、当該日については、当該
労働者は年次有給休暇を取得したものと解される。

 


【 17−5−C 】

 

年次有給休暇は、労働義務のある日についてのみ請求できるものであるから、育児
休業申出後には、育児休業期間中の日について年次有給休暇を請求する余地はない。
また、育児休業申出前に育児休業期間中の日について、労働基準法第39条第6項の
規定に基づく年次有給休暇を与える時季に関する定めをした場合においても、同様に、
当該日には年次有給休暇を取得したものとは解されない。

 


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「年次有給休暇の計画的付与と育児休業等との関係」に関する問題です。

 

労働基準法には、「休日」に関する規定と「休暇」に関する規定とがあります。


このうち「休日」とは、労働契約において「労働の義務がない」とされている日
をいい、「休暇」とは、本来は働かなければならない日の「労働の義務が免除」
される日をいいます。

 

つまり、「休暇」を取得することができるのは、そもそも「働かなければならない日」
があることが前提になります。

 

そのため、育児休業期間中は労働の義務がなくなっているので、年次有給休暇を
取得することはできません。

 

ただ、育児休業の申出より前に育児休業期間中の日について時季指定や労使協定
に基づく計画付与が行われた場合には、それが優先されます。

労働の義務がなくなる前に、時季指定をしたのであれば、そちらが優先される
ということです。

 

ですので、
「休暇を取得したものと解され…賃金支払いの義務が生じる」とある【 28−7−D 】
「年次有給休暇を取得したものと解される」とある【 9−5−D 】
は正しく、
「年次有給休暇を取得したものとは解されない」とある【 17−5−C 】は誤りです。

 

「年次有給休暇の計画的付与」と「育児休業等との関係」については、
育児休業申出と休暇の時季指定等のどちらが先に行われたのかというのがポイントで、
先に行われたほうが優先されます。

 

 

 


平成28年−労基法問5−D「減給の制裁」

今回は、平成28年−労基法問5−D「減給の制裁」です。

 


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服務規律違反に対する制裁として一定期間出勤を停止する場合、当該出勤停止
期間中の賃金を支給しないことは、減給制限に関する労働基準法第91条違反と
なる。

 


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「減給の制裁」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 11−5−A 】

 

就業規則により出勤停止処分を課す場合、当該出勤停止処分により労働者が出勤
しない期間中の賃金を支払わないことができるが、一賃金支払期における通常の
賃金額の10分の1を超えてはならないこととされている。

 


【 16−7−B 】

 

就業規則に制裁として出勤停止及びその期間中の賃金を支払わない定めがある
場合において、労働者が、例えば5日間の出勤停止の制裁を受けるに至った
ときは、当該5日間の賃金を支払わないことは、制裁としての出勤停止の当然
の結果であって、労働基準法第91条の減給の制裁の制限には関係のないもの
である。

 


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「減給の制裁」に関する問題です。

 

減給の制裁とは、本来ならば労働者が受けるべき賃金の中から一定額を差し引く
というものです。
言い換えれば、労働して賃金を受けることができるけど、それを減らしてしまう
というものです。

 

ですので、そもそも、労働をせず、賃金の支払を受けることができなというものとは
違います。

つまり、就業規則に出勤停止及びその期間中の賃金を支払わない定めがある場合に
おいて、労働者がその出勤停止の制裁を受けるに至った場合、出勤停止期間中の
賃金を受けられないことは、制裁としての出勤停止の当然の結果であって、通常の
額以下の賃金を支給することを定める減給制裁に関する規定とは関係ないという
ことです。

 

ということで、
「出勤停止期間中の賃金を支給しないこと」は労働基準法に違反しないので、
【 25−5−D 】は誤りです。


また、「支払わないことができる賃金額が10分の1まで」ということもないので、
【 11−5−A 】も誤りです。

 

これらに対して、【 16−7−B 】は正しいです。

 

「減給の制裁」に関しては、具体的な例を挙げて、該当するのかどうかを問う出題が
あるので、そのような具体的な出題にも対応できるようにしておきましょう。

 

 

 


平成28年−労基法問4−E「休憩時間の利用」

今回は、平成28年−労基法問4−E「休憩時間の利用」です。

 


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労働基準法第34条に定める休憩時間は、労働者が自由に利用することが認められ
ているが、休憩時間中に企業施設内でビラ配布を行うことについて、就業規則で
施設の管理責任者の事前の許可を受けなければならない旨を定めることは、使用者
の企業施設管理権の行使として認められる範囲内の合理的な制約であるとするのが、
最高裁判所の判例である。

 


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「休憩時間の利用」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 20─4−C】

 

使用者は、労働基準法第34条第3項に基づき、休憩時間を自由に利用させなければ
ならないこととされており、使用者がその労働者に対し休憩時間内に職場内で政治
活動を行うことを禁止することは許されないとするのが最高裁判所の判例である。

 


【 24−5−B 】

 

労働基準法第34条に定める休憩時間の利用について、事業場の規律保持上必要な
制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し支えない。

 


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「休憩時間の利用」に関する問題です。

 

休憩時間は、原則として自由に利用させなければなりません。

ただ、自由利用というのは、あくまでも、時間を自由に利用することが認められる
ということにすぎません。


ですので、休憩時間といっても、それは拘束時間中の時間ですから、何でもかんでも
好き放題にできるというものではありません。

 

たとえば、事業場内で休憩時間を過ごすのであれば、事業場は企業施設ですから、
使用者の企業施設に対する管理権があり、それが合理的な行使なら、一定の制約を
することは構いません。

 

そのため、【 24−5−B 】にあるように、
「事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し
支えない」
ことになります。
ということで、【 24−5−B 】は正しいです。

 

【 28─4−E】と【 20─4−C】は、この自由利用に関する判例からの出題です。

 

この判例では、
休憩時間中であっても、企業施設内における演説、集会、貼紙、掲示、ビラ配布等
を行うことは、施設の管理を妨げるおそれがあり、他の職員の休憩時間の自由利用
を妨げひいてはその後の作業能率を低下させるおそれがあり、その内容いかんに
よっては企業の運営に支障をきたし企業秩序を乱すおそれがあるから、休憩時間中
にこれを行うについても施設の管理責任者の事前の許可を受けなければならない旨
を定める就業規則の規定は、休憩時間の自由利用に対する合理的な制約というべき
であるとされています。

 

つまり、前述したのと同じで、一定の規制をすることは認められるということです。

 

【 28─4−E】は正しく、【 20─4−C 】は誤りです。

 

最高裁判所の判例は、一度出題されると繰り返し出題される傾向があります。
また、選択式で出題されることもあり得るので、この判例も、選択対策も
考えて、しっかりと確認をしておきましょう。

 

 

 


平成28年−労基法問4−A「労働時間」

今回は、平成28年−労基法問4−A「労働時間」です。

 


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労働基準法第32条の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれて
いる時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の
指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まる」
とするのが、最高裁判所の判例である。

 


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「労働時間」に関する問題です。

次の問題をみてください。

 


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【 20−4−A 】

 

労働基準法が規制対象とする労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に
置かれている時間をいい、その具体的な判断においては、労働契約、就業
規則、労働協約等の定めに従い決定されるべきであるとするのが最高裁判所
の判例である。

 


【 14−4−A 】

 

労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれて
いる時間をいい、この労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者
の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に
定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんに
より決定されるべきものではない。

 


【 22−4−A 】

 

ビルの巡回監視等の業務に従事する労働者の実作業に従事していない仮眠
時間についても、労働からの解放が保障されていない場合には労働準基法
上の労働時間に当たるとするのが最高裁判所の判例である。

 


【 19−5−B 】

 

労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれ
ている時間をいい、実作業に従事していない仮眠時間が労働基準法上の労働
時間に該当するか否かは、労働者が実作業に従事していない仮眠時間にお
いて使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否か
により客観的に定まるものというべきであるとするのが最高裁判所の判例で
ある。

 


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「労働時間」に関する判例からの出題です。

 

【 28−4−A 】、【 20−4−A 】、【 14−4−A 】、【 19−5−B 】では、
労働時間とは、
「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう」
としています。
この部分は、そのとおりです。

 

使用者の指揮命令下に置かれている時間が労働時間になります。

 

たとえば、就業規則に、始業時刻が9時、終業時刻が18時、12時から13時
まで休憩と規定されていた場合、その間の8時間だけが労働時間になる、とは
限らないということです。

実際に、その時間を超えて、使用者の指揮命令下に置かれているのであれば、
その超えた時間も労働時間となります。

 

ですので、
「労働契約、就業規則、労働協約等の定めに従い決定されるべきであるとする」
とある【 20−4−A 】は、誤りです。

 

これに対して、
「使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより
客観的に定まるもの」としている【 28−4−A 】と【 19−5−B 】、
「労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきもので
はない」としている【 14−4−A 】、
この3問はいずれも正しくなります。

 

そこで、
【 22−4−A 】ですが、
「労働からの解放が保障されていない」場合は、「労働時間に当たる」
としています。
「労働からの解放が保障されていない」というのは、使用者の指揮命令下に置かれ
ている状態ですので、やはり、労働時間となります。
ですので、【 22−4−A 】も正しくなります。

 

ちなみに、
仮眠時間って寝ている時間です。
寝ていても労働時間になるというと、違和感を持つ人もいるかもしれませんが・・・
仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることを義務
づけられているような場合には、仮眠時間は全体として労働からの解放が保障
されているとはいえないので、労働時間に当たるとされています。

 

 

 


平成28年−労基法問3−C「端数処理」

今回は、平成28年−労基法問3−C「端数処理」です。

 


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1か月における時間外労働の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分
未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げる事務処理方法は、労働基準法
第24条及び第37条違反としては取り扱わないこととされている。

 

 


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「端数処理」に関する問題です。

次の問題をみてください。

 

 

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【 12−4−D 】

 

割増賃金の計算の便宜上、1カ月における時間外労働、休日労働及び深夜労働の
各時間数の合計に1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数を切り捨て、
それ以上を1時間に切り上げる措置は法違反として取り扱わないこととされている。

 

 

【 19−3−E 】

 

割増賃金の計算の便宜上、1日における時間外労働、休日労働及び深夜労働の
各時間数に1時間未満の端数がある場合は、1日ごとに、30分未満の端数を切り
捨て、30分以上の端数を1時間に切り上げて計算する措置は、法違反として
取り扱わないこととされている。

 


【 25−3−B 】

 

1日及び1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の
合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上
を1時間に切り上げること、1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の
端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げ
ること並びに1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の割増
賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、
それ以上を1円に切り上げることは、いずれも労働基準法第24条及び第37条
違反としては取り扱わないこととされている。

 


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「賃金全額払の例外」の端数処理に関する問題です。

 

この端数処理に関する規定は、金額に関するもの、時間に関するもの・・・と
いくつかありますが、ぽつぽつと出題されています

 

端数処理は、事務簡便を目的として認めていますが、
常に労働者にとって不利になってしまうようなものは認められません。

 

そこで、ここで挙げた問題は「時間」に関する端数処理を論点にしたものです。

 


【 28−3−C 】と【 12−4−D 】は1カ月の時間数について、端数処理が
できるとしています。

これらに対して、【 19−3−E 】は1日ごとに端数処理ができるとしています。
【 25−3−B 】は、金額に関するものも含まれていますが、時間に関するものは、
「1日及び1か月」としています。

 

時間外労働などの時間数の合計について、
その端数処理は、1日単位では認められていません。
これを認めると、労働者にとって極端に不利益になることがあります。
たとえば、1カ月の時間外労働の時間数が40時間25分だったら、この25分が
切捨てになりますよね。
これに対して、ある日の労働時間が8時間20分だったとします。
この20分の切捨てを認めてしまうと・・・
もし、21日分なら、合計で7時間です。
これだけの時間を合法的にカットできるなんてことですと、労働者にとっては、
たまったもんじゃありません。
ですから、「1日単位」での端数処理は認められないのです。

 

ということで、
【 28−3−C 】と【 12−4−D 】は正しく、
【 19−3−E 】と【 25−3−B 】は誤りです。

 

それと、【 25−3−B 】の金額に関する端数処理については正しい内容です。

 

端数処理については、とにかく、単位に注意です。
「1カ月」の時間、金額か、「1時間」の金額か、
1円単位か、100円単位か、1,000円単位か・・・
きちんと確認しておきましょう。

 

 


平成28年−労基法問1−ウ「均等待遇」

今回は、平成28年−労基法問1−ウ「均等待遇」です。

 


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労働基準法第3条は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、労働条件
について差別することを禁じているが、これは雇入れ後における労働条件について
の制限であって、雇入れそのものを制限する規定ではないとするのが、最高裁判所
の判例である。

 


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「均等待遇」に関する問題です。

次の問題をみてください。

 


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【 21−1−B 】

 

労働基準法第3条が禁止する労働条件についての差別的取扱いには、雇入れに
おける差別も含まれるとするのが最高裁判所の判例である。

 


【 9−2−D 】

 

労働基準法第3条では、信条による労働条件の差別的取扱いを禁止しているが、
企業における労働者の雇入れについては、特定の思想、信条を有する者をその故
をもって雇い入れることを拒んでも、直ちに違法とすることができない。

 


【 11−1−A 】

 

使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間
について差別的取扱いを行ってはならず、このことは解雇や安全衛生について
も同様である。

 


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「均等待遇」に関する問題です。

 

労働基準法3条では、
「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間
その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」
と規定しています。

 

この規定は、「どのようなことを理由とした差別が禁止なのか」を論点することが
ありますが、ここで挙げた問題は、差別禁止の対象となる「労働条件」に含まれる
ものは何か?というのが論点です。

 

【 21−1−B 】では、「雇入れ」を含むとしています。
労働基準法で保護する労働条件というのは、【 28−1−ウ 】にあるように、
雇い入れた後の労働条件ですから、法3条が禁止する労働条件についての差別的
取扱いには、雇入れにおける差別は含まれません。
ですので、【 21−1−B 】は誤り、【 28−1−ウ 】は正しいです。

 

この点を、より具体的に出題したのが、【 9−2−D 】で、
「特定の思想、信条を有する者をその故をもって雇い入れることを拒んでも、直ち
に違法とすることができない」
とあります。
これは、そのとおりですね。
雇入れは、「均等待遇」で規定している労働条件には入らないので、「雇い入れる
ことを拒んでも」、つまり、差別的取扱いをしても、それだけで、直ちに違法と
することはできないことになります。

 

【 11−1−A 】では、いくつかの事項を列挙しています。
これらは「労働条件」に含まれます。そして、「雇入れ」のような、余分な記述は
ありません。
ですので、正しい内容です。

 

この問題のように、いくつかの労働条件を列挙し、その中に、さりげなく「雇入れ」
を入れて、誤りにするなんて問題が出題される可能性もあるので、いくつも列挙され
ているときは、見逃したりしないよう、注意しましょう。

 

 

 


平成27年−労基法問7−C「就業規則の作成手続」

今回は、平成27年−労基法問7−C「就業規則の作成手続」です。


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労働基準法第90条第1項が、就業規則の作成又は変更について、当該事業場の
過半数労働組合、それがない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見
を聴くことを使用者に義務づけた趣旨は、使用者が一方的に作成・変更しうる
就業規則に労働者の団体的意思を反映させ、就業規則を合理的なものにしようと
することにある。


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「就業規則の作成手続」に関する問題です。


次の問題をみてください。


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【 26−7−オ 】

労働基準法第90条に定める就業規則の作成又は変更についての過半数労働組合、
それがない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴取する義務について
は、文字どおり労働者の団体的意見を求めるということであって、協議をする
ことまで使用者に要求しているものではない。


【 21−3−D 】

使用者は、就業規則の作成だけでなく、その変更についても、当該事業場に労働
者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働者の過半数で
組織する労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなけ
ればならない。


【 20−2−B 】

就業規則を作成又は変更するに当たっては、使用者は、その事業場に労働者の
過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織
する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者の同意を得なければなら
ない。


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「就業規則の作成や変更に際しての手続」に関する問題です。

就業規則の作成・変更については、使用者が一方的に行うことができます。
ですので、就業規則を作成する場合、労働者が知らない間に苛酷な労働条件が
定められたり、労働者の知らない規定によって制裁を受けたりしないよう、
また、労働者の団体的意思を反映させ、就業規則を合理的なものにしようという
観点から、使用者は、過半数労働組合等の意見を聴かなければなりません。
 
ということで、【 27−7−C 】は正しいです。

で、この「意見を聴く」とは、諮問をするとの意味であり、労働者の団体的意見を
求めるということであって、協議をすることまで使用者に要求しているものでは
ありません。
ですので、【 26−7−オ 】は正しいです。
 
【 21−3−D 】では、就業規則を変更する場合も、作成の際と同様に意見を聴く
必要があるかどうかを論点にしています。
これは、そのとおりですね。
 
就業規則を変更する場合にも、作成する場合と同様に、過半数労働組合等の意見を
聴かなければなりません。
 
【 20−2−B 】では、意見を聴くのではなく、「同意を得なければならない」と
しています。
就業規則の作成・変更については、同意まで求めていないので、誤りです。

この点は、寄宿舎規則の作成の場合との違いという点で、注意しておく必要がある
箇所です。





 

平成27年−労基法問6−ウ「36協定と就業規則の関係」

今回は、平成27年−労基法問6−ウ「36協定と就業規則の関係」です。


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労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、
当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる
36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、
使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の
業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させる
ことができる旨を定めていたとしても、36協定は私法上の権利義務を設定する
効果を有しないため、当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否か
にかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を
負わないとするのが、最高裁判所の判例である。


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「36協定と就業規則の関係」に関する問題です。


次の問題をみてください。


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【 20−選択 】

使用者が労働者に対し時間外労働を命じる場合について、「労働基準法〔……〕
三二条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の
労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる三六協定)
を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が
当該事業場に適用される就業規則に当該三六協定の範囲内で一定の業務上の
事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることが
できる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が( C )もので
ある限り、それが具体的な労働契約の内容をなすから、右就業規則の規定の
適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間
を超えて労働をする義務を負うものと解するを相当とする〔……〕」というのが
最高裁判所の判例である。


【 18−5−D 】

最高裁判所の判例によると、労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させる
ことにつき、使用者が、36協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け
出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の
範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働
者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が
合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、当該就業
規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める
労働時間を超えて労働をする義務を負うものと解するのを相当とする、とされて
いる。


【 17−6−E 】

就業規則が労働者に対し、一定の事項につき使用者の業務命令に服従すべき旨
を定めているときは、そのような就業規則の規定内容が合理的なものである
かぎりにおいて当該具体的労働契約の内容をなしているものということができる
とするのが最高裁の判例である。


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【 20−選択 】は、選択式において判例からの出題があったものです。
判例からの出題といっても、これは過去に択一式で問われているところです。
それが、【 18−5−D 】です。
【 18−5−D 】は、正しい肢として出題されていますが・・・

36協定の締結・届出、これは時間外労働をさせるために必要な手続ですが、
36協定は免罰効果を有するだけですから、実際に時間外労働をさせるには、
就業規則や労働協約などの根拠が必要になります。

【 20−選択 】と【 18−5−D 】は、就業規則において、「一定の業務上の
事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることが
できる」と定めているとしています。
時間外労働をさせるための根拠が就業規則で明らかになっている、ってことです。

そこで、問題の論点は、その就業規則がどのようなものであれば、具体的労働
契約の内容をなすのかってことで、
「合理的なもの」
ですね(【 20−選択 】の空欄は「合理的な」が入ります)。

この点について、【 17−6−E 】もみてください。

【 17−6−E 】は労働時間に関してではないですが、論点は、同じですね。
「就業規則の規定内容が合理的なものであるかぎりにおいて当該具体的労働契約
の内容をなしているものということができる」とあります。

就業規則に合理性があれば、労働契約の内容をなすということです。
ですので、【 17−6−E 】も正しい内容です。

これらに対して、【 27−6−ウ 】では、
「36協定は私法上の権利義務を設定する効果を有しないため、当該就業規則
の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約
に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わない」
とあります。
36協定は権利義務を設定する効果を有しませんが、就業規則の規定の内容が
合理的なものであるなら、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働を
する義務を負うことになります。
誤りですね。

ちなみに、「就業規則の規定内容が合理的なもの」ってことに関してですが、
労働契約法7条に、
「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働
条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の
内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする」
という規定があります。

ということで、もしかしたら、労働契約法として、同じような内容が出題される
ってことも考えられます。





 

平成27年−労基法問5−E「休業手当」

今回は、平成27年−労基法問5−E「休業手当」です。


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休電による休業については、原則として労働基準法第26条の使用者の責に帰す
べき事由による休業に該当しない。


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「休業手当」に関する問題です。


次の問題をみてください。


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【 22−2−B 】

使用者が労働基準法第20条の規定による解雇の予告をすることなく労働者を
解雇した場合において、使用者が行った解雇の意思表示が解雇の予告として
有効であり、かつ、その解雇の意思表示があったために予告期間中に解雇の
意思表示を受けた労働者が休業したときは、使用者は解雇が有効に成立する
までの期間、同法第26条の規定による休業手当を支払わなければならない。


【 9−4−D 】

使用者が解雇予告をせずに即時解雇の通知をしたため、労働者がこれを誤信
して予告期間中に休業して就職活動をした場合には、その即時解雇の通知が
解雇予告として有効と認められるときであっても、使用者は、解雇が有効に
成立するまでの期間について、休業手当を支払う必要はない。


【 61−2−B 】

使用者は、円の急騰による輸出不振のため一時休業する場合には、労働者に
労働基準法第26条の規定による休業手当を支払わなければならない。


【 23−6−A 】

労働安全衛生法第66条による健康診断の結果、私傷病を理由として医師の
証明に基づき、当該証明の範囲内において使用者が休業を命じた場合には、
当該休業を命じた日については労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき
事由による休業」に該当するので、当該休業期間中同条の休業手当を支払わ
なければならない。


【 15−3−E 】

労働安全衛生法第66条の規定による健康診断の結果に基づいて、使用者が、
ある労働者について、私傷病のため、同法第66条の5第1項の定めるところ
に従い、健康診断実施後の措置として労働時間の短縮の措置を講じて労働させ
た場合には、使用者は、当該労働者に対し、労働の提供のなかった限度におい
て賃金を支払わなくても差し支えない。


【 22−3−E 】

労働基準法第26条に定める休業手当は、使用者の責に帰すべき事由による
休業の場合に支払が義務付けられるものであり、例えば、親工場の経営難に
より、下請工場が資材、資金を獲得できず休業した場合、下請工場の使用者は
休業手当の支払義務を負わない。


【 26−4−C 】

労働基準法第26条にいう「使用者の責に帰すべき事由」には、天災地変等
の不可抗力によるものは含まれないが、例えば、親工場の経営難から下請工場
が資材、資金の獲得ができず休業した場合は含まれる。


☆☆======================================================☆☆


「休業手当」に関する問題です。
休業手当は、「使用者の責めに帰すべき事由による休業」があった場合に、使用者
に支払が義務づけられているものです。

そこで、
休業手当について、具体例を挙げて、支払が必要かどうかを問うことがあります。

【 22−2−B 】と【 9−4−D 】では、
「即時解雇の通知が解雇予告として有効と認められるとき」に、
労働者が、その間、休業をした場合は、
「使用者の責めに帰すべき事由による休業」
に該当するかどうかというのが論点です。
このような場合、
「使用者の責めに帰すべき事由による休業」となります。
労働者が勝手に休んだのではありませんからね。
ですので、使用者は、
解雇が有効に成立する日までの期間、休業手当を支払わなければなりません。
【 22−2−B 】は正しく、【 9−4−D 】は誤りです。

【 61−2−B 】では、
「輸出不振のため一時休業」の場合、休業手当の支払が必要としています。
これは、「使用者の責めに帰すべき事由」に該当するので、正しいです。

【 23−6−A 】と【 15−3−E 】は、
労働安全衛生法による健康診断の結果に基づいて行った休業や労働時間の短縮
の措置について、「使用者の責めに帰すべき事由による休業」かどうかを論点に
した問題です。
これらは、いずれについても、法に基づく措置を講じただけですから、
「使用者の責めに帰すべき事由による休業」には該当しません。
ですので、その休業や短縮した時間について、休業手当を支払う必要はありません。
【 23−6−A 】は、「支払わなければならない」とあるので、誤りです。
【 15−3−E 】は、「賃金を支払わなくても差し支えない」とあります。
労働していないのですから、通常の賃金の支払は必要ありませんし、
「使用者の責めに帰すべき事由による休業」ではないので、休業手当の支払も
必要ありません。ですので、正しいです。

【 22−3−E 】と【 26−4−C 】では、
「親工場の経営難により、下請工場が資材、資金を獲得できず休業した」場合と
あり、【 22−3−E 】では「支払義務を負わない」としています。
この場合は、「使用者の責めに帰すべき事由による休業」に該当します。
ですので、休業手当の支払が必要です。誤りですね。
【 26−4−C 】は「使用者の責に帰すべき事由」に含まれるという内容です
から、正しいです。

【 27−5−E 】は、「休電による休業」とあります。
これは、使用者としてはいかんともしがたい不可抗力によるものです。
ですから、使用者の責めに帰すべき事由による休業ではなく、休業手当を支払う
必要はありません。正しいです。


休業手当に関しては、このように具体例を挙げて、支払が必要かどうかを判断
させる問題、今後も出題されるでしょう。

ということで、どのような場合に「使用者の責めに帰すべき事由による休業」
に該当するのか、判断できるようにしておきましょう。


 

平成27年−労基法問4−C「賃金債権の放棄」

今回は、平成27年−労基法問4−C「賃金債権の放棄」です。


☆☆======================================================☆☆


退職金は労働者の老後の生活のための大切な資金であり、労働者が見返りなく
これを放棄することは通常考えられないことであるから、労働者が退職金債権
を放棄する旨の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであるか
否かにかかわらず、労働基準法第24条第1項の賃金全額払の原則の趣旨に反し
無効であるとするのが、最高裁判所の判例である。


☆☆======================================================☆☆


「賃金債権の放棄」に関する判例の問題です。


次の問題をみてください。


☆☆======================================================☆☆


【 25−7−オ 】

退職金は労働者にとって重要な労働条件であり、いわゆる全額払の原則は
強行的な規制であるため、労働者が退職に際し退職金債権を放棄する意思
表示をしたとしても、同原則の趣旨により、当該意思表示の効力は否定さ
れるとするのが、最高裁判所の判例である。


【 22−3−D 】

労働基準法第24条第1項の賃金全額払の原則は、労働者が退職に際し自ら
賃金債権を放棄する旨の意思表示をした場合に、その意思表示の効力を否定
する趣旨のものと解することができ、それが自由な意思に基づくものである
ことが明確であっても、賃金債権の放棄の意思表示は無効であるとするのが
最高裁判所の判例である。


☆☆======================================================☆☆


いずれも「賃金債権の放棄」に関する最高裁判所の判例からの出題です。


まず、退職金について、これは、就業規則において支給条件が明確に規定され、
使用者に支払義務がある場合には、労働基準法にいう「賃金」に該当し、賃金
全額払の原則が適用されます。

この賃金全額払の原則は、「賃金の全額を支払うこと」を義務づけたものであり、
労働者が退職に際し自ら退職金債権を放棄する旨の意思表示の効力を否定する
趣旨のものではありません。

そこで、最高裁判所の判例では、全額払の原則について、労働者が退職に際し
自ら賃金債権を放棄する旨の意思表示をした場合に、それが労働者の自由な
意思に基づくものであることが明確であれば、賃金債権の放棄の意思表示は
有効であるとされています。

ですので、いずれの問題も誤りです。

「労働者の自由な意思」に基づくものであれば、効力は否定されず、
賃金債権の放棄の意思表示は有効となりますので。

この判例、ここ6年間で3回も出題があったので、まだまだ出題される可能性が
あります。
選択式での出題も考えられるので、その対策もしておきましょう。





 

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