平成29年−雇保法問1−B「受給権の保護」

今回は、平成29年−雇保法問1−B「受給権の保護」です。

 


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基本手当の受給資格者は、基本手当を受ける権利を契約により譲り渡すことができる。

 


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「受給権の保護」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 23−7−C 】

 

教育訓練給付の支給を受ける権利は、他人に譲り渡し、又は担保に供することが
できない。

 


【 19−7−B 】

 

特例一時金の支給を受ける権利は、債権者が差し押さえることができる。

 


【 11−1−E 】

 

教育訓練給付を受ける権利は、求職者給付を受ける権利と異なり、差し押さえ
られることがある。

 


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「受給権の保護」に関する問題です。

 

雇用保険法では、「失業等給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し
押えることができない」と受給権の保護について規定しています。

 

この規定には例外はありません。

 

ですので、いかなる場合であっても、失業等給付を受ける権利を譲り渡すことはできず、
担保に供することもできず、さらに、差し押えることもできません。

 

ということで、
【 23−7−C 】は正しいですが、後の3問は誤りです。

 


受給権の保護については、保険制度では、必ず規定をしていますが、
労災保険や年金制度では例外があります。
この例外の有無は論点にされやすいので、横断的に押さえておきましょう。

 

それと、雇用保険法の「受給権の保護」は失業等給付を対象にしたもので、
雇用保険二事業による助成金などは対象とされていません。
この点、過去に何度も論点にされているので、注意しておきましょう。

 

 

 


平成29年−労災法問7−E「支給制限」

今回は、平成29年−労災法問7−E「支給制限」です。

 


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労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった
事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。

 


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「支給制限」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 26−3−A 】

 

業務遂行中の災害であっても、労働者が故意に自らの負傷を生じさせたときは、
政府は保険給付を行わない。

 


【 17−2−C 】

 

労働者の負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故が、
当該労働者又はその利害関係者の故意によって生じたものであるときは、保険
給付は行われない。

 


【 15−選択 】

 

労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、
死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行うこと等を
目的としており、労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその
( A )となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
行政解釈によれば、この場合における故意とは( B )をいう。

 


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「支給制限」に関する問題です。

 

保険事故とはあくまでも偶発的に起きた事故をいい、「故意に生じさせた事故」、
つまり、事故をわざと起こしたのであれば、それは、保険事故とはいえず、
保険給付の対象にしません。

すなわち、故意に事故を生じさせたときは、保険給付を受ける権利を与えません。

 

ですので、【 29−7−E 】と【 26−3−A 】は正しいです。

 

これらに対して、【 17−2−C 】では、
「利害関係者の故意によって生じた事故」についても支給制限される内容に
なっています。
支給制限されるのは、「本人の故意」による場合であって、「利害関係者の故意」
の場合は、保険給付の支給は制限されないので、誤りです。

 

それと、この「故意」の解釈について、選択式で出題されています。

【 15−選択 】の答えは、
A:直接の原因
B:結果の発生を意図した故意
です。

 

「故意」とはどういうことなのかという点については、択一式で出題される
ということもあり得ますし、事例としての出題もあるので、しっかりと理解
しておきましょう。

 

 


平成29年−労災法問7−D「受給権の保護」

今回は、平成29年−労災法問7−D「受給権の保護」です。

 


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保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。

 


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「受給権の保護」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 27−6−イ 】

 

労災保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。

 


【 16−3−B 】

 

休業補償給付又は休業給付は、業務上の事由又は通勤による傷病の療養のため
労働することができないために賃金を受けない場合に支給されるものである
から、労働契約の期間満了等により労働関係が消滅した後においても、当該
傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない状態に
ある限り、支給される。

 


【 8−2−D 】

 

休業補償給付を受ける労働者について、当該労働者が従事する事業の廃止に
伴い労働関係が終了した場合又は本人の自己都合で会社を退職した場合でも、
当該休業補償給付は引き続き支給される。

 

 

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「受給権の保護」に関する問題です。

 

保険給付を受ける権利は、労働者という身分があることを前提として生じますが、
いったん発生した保険給付を受ける権利は、その身分を失ったとしても、変更され
ません。


つまり、労働者の退職によって変更されることはありません。

 

これは、労働者が業務上の事由により負傷又は疾病を被った場合に、保険給付
が雇用関係の存在している期間中についてのみ補償され、退職等の理由により
雇用関係がなくなった場合は補償されないということになると被災労働者の
被った損害の一部しかてん補されないことになるため、退職を理由により使用者
との間に雇用関係がなくなったとしても、支給事由が存在する限り保険給付を
受けることができるようにしたものです。

 

【16−3−B】と【 8−2−D 】に関しては具体的な出題で、退職の事由が
挙げられていますが、退職の事由を問わず、保険給付を受ける権利は変更され
ません。


ですので、いずれの場合も、支給要件を満たしているのであれば、休業補償給付
は引き続き支給されます。

 

ということで、どの問題も正しいです。

 

このような規定は、具体的な内容で出題してくることがあり、もっともらしい
言い訳を問題文に組み込んで誤っている内容を正しく見せようという文章として
出題されることがあるので、そのような出題があった場合、惑わされないように
しましょう。

 

 


平成29年−労災法問5−B「一部負担金」

今回は、平成29年−労災法問5−B「一部負担金」です。

 


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療養給付を受ける労働者は、一部負担金を徴収されることがある。

 


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「一部負担金」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 24−2−B 】

 

政府は、療養給付を受ける労働者(法令で定める者を除く)から、200円(健康
保険法に規定する日雇特例被保険者である労働者については100円)を一部負担金
として徴収する。ただし、現に療養に要した費用の総額がこの額に満たない場合は、
現に療養に要した費用の総額に相当する額を徴収する。

 


【 17−4−A 】

 

療養給付を受ける労働者(厚生労働省令で定める者を除く)は、その費用の一部として
200円(健康保険の日雇特例被保険者にあっては100円)を負担する。ただし、療養
給付を受ける労働者に支給する休業給付であって最初に支給すべき事由の生じた日に
係るものについて厚生労働省令で定める額を減額した休業給付の支給を受けた労働者
については、この限りでない。

 


【 14−7−A 】

 

通勤災害により療養給付を受ける労働者は、500円を超えない範囲内で厚生労働省令
で定める額の一部負担金を徴収される。

 


【 11−6−A 】

 

通勤災害により療養給付を受ける労働者は、200円を超えない範囲内で定める額を
一部負担金として政府に徴収されるが、第三者の行為によって生じた事故により
療養給付を受ける者や療養の開始後3日以内に死亡した者は、徴収されない。

 


【 27−2−E 】

 

政府が療養給付を受ける労働者から徴収する一部負担金は、第三者の行為によって
生じた交通事故により療養給付を受ける者からも徴収する。

 


【 25−4−イ 】

 

政府は、療養の開始後3日以内に死亡した者からは、一部負担金を徴収する。

 


【 25−4−ウ 】

 

政府は、同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者
からは、一部負担金を徴収しない。

 


【 9−記述 】

 

政府は、通勤災害によって療養給付を受ける労働者から、一部負担金として
( A )円を超えない額を徴収するが、次に掲げる者からは徴収しないことと
している。
1) 第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者
2) 療養の開始後3日以内に死亡した者その他( B )を受けない者
3) 同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者


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一部負担金の問題です。


通勤災害は直接的には事業主の責任がないので、療養給付を受ける場合、その費用の
一部を受益者である労働者に負担させることにしています。
そのため、一部負担金が徴収されることがあります。
ですので、【 29−5−B 】は正しいです。

 

そこで、一部負担金の規定は、択一式だけでなく、記述式でも出題されたことが
あり、いずれにしても、論点は、だいたい次の3つです。
・いくらなのか?
・どのように徴収するのか?
・徴収されない場合はどんなときか?

 

そこで、【 24−2−B 】【 17−4−A 】【 14−7−A 】【 11−6−A 】には、
いずれも「金額」の記述があります。

一部負担金の額、法条文では「200円を超えない範囲内で厚生労働省令で定める額」
と規定しています。
で、厚生労働省令で、具体的に、200円(健康保険の日雇特例被保険者は100円)
としています。
ですので、「500円」とある【 14−7−A 】は誤りです。

 

【 24−2−B 】では、さらに、
「ただし、現に療養に要した費用の総額がこの額に満たない場合は、現に療養に
要した費用の総額に相当する額を徴収する」
という記述があります。
実際にかかった費用より多く徴収するというのは、さすがに、それはないです。
ですから、費用が200円や100円に満たないのであれば、実際にかかった費用だけ
徴収します。
【 24−2−B 】は正しいです。

 

【 17−4−A 】は、どのように徴収するのかを一番の論点にしています。
問題文の「厚生労働省令で定める額を減額した休業給付」というのは、「一部負担金
相当額を控除した休業給付」のことです。
一般に休業給付から控除する方法で徴収するため、休業給付が減額されたのであれば、
別途徴収することはないので、「この限りでない」とあるのは、正しいです。

 

ちなみに、この一部負担金の徴収方法については、【 24−2−C 】で、
療養給付を受ける労働者から一部負担金を徴収する場合には、労働者に支給すべき
休業給付の額から、一部負担金の額に相当する額を控除することができる。
という正しい出題があります。

 

それと、【 11−6−A 】、【 27−2−E 】、【 25−4−イ 】、【 25−4−ウ 】では、
徴収されない場合を論点にしていますが、
● 第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者
● 療養の開始後3日以内に死亡した者その他休業給付を受けない者
● 同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者
については、一部負担金は徴収されません。


「第三者行為災害」の場合は、本人の責任はありません。また、休業給付を受けない
のであれば、徴収の仕組みから徴収することができません。で、徴収するのは、一の
災害について1回だけです。
そのため、これらの者からは一部負担金は徴収しません。

 

ですので、「第三者の行為によって生じた交通事故」の場合にも徴収するとしている
【 27−2−E 】と「療養の開始後3日以内に死亡した者」から一部負担金を徴収
するとしている【 25−4−イ 】は誤りで、他の2問は正しいです。

 

【 9−記述 】の答えは、書くほどではありませんが、念のため、
A:200 B:休業給付
です。

 

一部負担金に関しては、正誤の判断がしやすい出題が多いので、出題されたときは、
確実に正解するようにしましょう。

 

 

 


平成29年−労災法問1−E「業務災害」

今回は、平成29年−労災法問1−E「業務災害」です。

 


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川の護岸築堤工事現場で土砂の切取り作業をしていた労働者が、土蜂に足を
刺され、そのショックで死亡した。蜂の巣は、土砂の切取り面先約30センチ
メートル程度の土の中にあったことが後でわかり、当日は数匹の蜂が付近を
飛び回っており、労働者も使用者もどこかに巣があるのだろうと思っていた。
この場合、業務上として取り扱われる。

 


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「業務災害」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 27−3−C 】

 

配管工が、早朝に、前夜運搬されてきた小型バイプが事業場の資材置場に乱雑
に荷下ろされていたためそれを整理していた際、材料が小型のため付近の車むら
に投げ込まれていないかと草むらに探しに入ったところ、その草むらの中に棲息
していた毒蛇に足を咬まれて負傷した場合、業務上の負傷に該当する。

 


【 5−2−A 】

 

小型パイプが資材置場に乱雑に荷下ろしされているのを整理する作業に従事して
いた労働者が、材料が小型のため車むらに投げ込まれていないかと探し入った
ところ、この地に多く棲息するハブに噛まれ負傷した。本件は、業務外の災害で
ある。

 


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「業務災害」に関する問題です。

 

ここのところ、業務災害に関しては、これらの問題のような事例がたびたび出題
されています。

 

そこで、まず、「業務災害」とは、労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡の
ことで、「業務上の事由による」と認定されるためには、「業務遂行性があること」
及び「業務起因性があること」という要件を満たす必要があります。

 

では、「蜂に刺されること」や「蛇に噛まれる」ということが業務と関連があるの
だろうか?と考えてしまう可能性がありますが、業務を行っている際に、潜在的な
危険が存在し、それが具体化したのであれば、業務との関連が認められることが
あります。

 

【 29−1−E 】の状況においては、作業中に土蜂に刺される危険性があり、実際
に刺されたのであれば、潜在的な危険が具体化したといえます。
そのため、業務遂行性及び業務起因性が認められ、業務上として取り扱われました。


【 27−3−C 】と【 5−2−A 】も同様の考え方で、
設問の配管工の行為には、業務遂行性が認められ、また、「毒蛇に足を咬まれて負傷」
というのは、草むらでの業務に内在する危険が現実化したものといえ、業務起因性も
認められるため、業務上の災害として取り扱われました。

 

ですので、
【 29−1−E 】と【 27−3−C 】は正しく、【 5−2−A 】は誤りです。

 


このような事例については、いくらでもあるので、1つ1つすべてを確認するという
ことはできませんから、認定に関する基本的な考え方、たとえば、作業中の災害で
あれば、作業を離脱している際に発生したものや災害が業務外の原因によるもので
ある場合等は、業務災害とされないことがあり、そうでないなら、基本的に業務災害
とされることなどを押さえておきましょう。

 

 


平成29年−安衛法問8−C・D「事業者等の責務」

今回は、平成29年−安衛法問8−C・D「事業者等の責務」です。

 


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労働安全衛生法は、機械、器具その他の設備を設計し、製造し、又は輸入する
者にも、これらの物の設計、製造又は輸入に際して、これらの物が使用される
ことによる労働災害の発生の防止に資するよう努めることを求めている。

労働安全衛生法は、原材料を製造し、又は輸入する者にも、これらの物の製造
又は輸入に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止
に資するよう努めることを求めている。

 


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「事業者等の責務」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


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【 12−8−C 】

 

機械、器具その他の設備を製造する者は、これらの物の製造に際して、これらの
物が使用されることによる労働災害の発生の防止の措置を講じなければならない。

 


【 12−8−B 】

 

機械、器具その他の設備を設計する者は、これらの物の設計に際して、これらの
物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければなら
ない。


【 26−8−オ 】

 

労働安全衛生法第3条第2項では、機械、器具その他の設備の製造者の責務として、
機械、器具その他の設備の製造に際して、これらの物が使用されることによる労働
災害の発生の防止に資するように努めなければならない旨が規定されている。

 


【 17−選択 】

 

労働安全衛生法においては、機械等の労働災害防止に関して、「機械、器具その他
の設備を( D )し、製造し、又は輸入する者は、これらの物の( D )、製造
又は輸入に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止
( E )なければならない」旨の規定が置かれている。

 


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「機械、器具その他の設備を製造する者等に関する責務」に関する問題です。

 

この責務の規定は、
機械、器具その他の設備を設計し、製造し、もしくは輸入する者、原材料を
製造し、もしくは輸入する者又は建設物を建設し、もしくは設計する者は、
これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用される
ことによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない
とされていて、努力義務なのです。


「義務」ではありません。


ですので、【 12−8−C 】は誤りで、その他の問題は正しいです。

機械等については、当然、一定の規制が必要です。
それについては、製造者などに具体的な措置を義務づけた規定があります。
ですので、そちらで規制を受けることになります。
この規定は、総則の中に置かれたもので、まずは、包括的な努力を求めたもの
なので、努力義務とされています。

 

そこで、【 17−選択 】の答えは、
D:設計
E:に資するように努め
です。このEの空欄は、択一式で論点にされるような箇所です。
そうなのです、択一式で論点にされる箇所は、選択式で空欄にされる可能性がある
のです。


ということで、過去に択一式で論点にされた箇所は、選択式で出題されたときに、
対応できるようにしておきましょう。

 


平成29年−労基法問6−D「賃金全額払」

今回は、平成29年−労基法問6−D「賃金全額払」です。

 


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賃金の過払を精算ないし調整するため、後に支払われるべき賃金から控除する
ことは、「その額が多額にわたるものではなく、しかもあらかじめ労働者にその
ことを予告している限り、過払のあつた時期と合理的に接着した時期において
されていなくても労働基準法24条1項の規定に違反するものではない。」とする
のが、最高裁判所の判例である。

 


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「賃金全額払」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 

 

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【 18−2−B 】

 

最高裁判所の判例によると、労働基準法第24条第1項本文の定めるいわゆる
賃金全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除すること
を禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を
脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべきであるから、
使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することを
禁止する趣旨をも包含するものであるが、労働者がその自由な意思に基づき当該
相殺に同意した場合においては、当該同意が労働者の自由な意思に基づいてされた
ものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、当該同意
を得てした相殺は当該規定に違反するものとはいえないものと解するのが相当で
ある、とされている。

 


【 25−7−エ 】

 

いわゆる全額払の原則の趣旨は、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、
もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を脅かすこと
のないようにしてその保護を図ろうとするものというべきであるとするのが、
最高裁判所の判例である。

 


【 26−3−オ 】

 

労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる「賃金全額払の原則」は、労働者の
賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する債権をもって
相殺することを許されないとの趣旨を包含するものと解するのが相当であるが、
その債権が当該労働者の故意又は過失による不法行為を原因としたものである
場合にはこの限りではない、とするのが最高裁判所の判例である。

 


【 27−4−B 】

 

過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除する
ことは、その金額が少額である限り、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれ
がないため、労働基準法第24条第1項に違反するものではないとするのが、最高
裁判所の判例である。

 


【 12−4−C 】

 

最高裁判所の判例によると、適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、労働
基準法第24条第1項ただし書によって除外される場合に当たらなくても、その行使
の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められ
ないものであれば同項の禁止するところではない。

 


【 21−選択 】

 

賃金の過払が生じたときに、使用者がこれを精算ないし調整するため、後に支払
われるべき賃金から控除することについて、「適正な賃金の額を支払うための手段
たる相殺は、〔…(略)…〕その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の
( B )との関係上不当と認められないものであれば、同項(労働基準法第24条
第1項)の禁止するところではないと解するのが相当である」とするのが最高裁判
所の判例である。

 

 

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いずれも「賃金全額払」に関する最高裁判所の判例からの出題です。

 

で、【 18−2−B 】【 25−7−エ 】【 26−3−オ 】の3問の判例は、
使用者が一方的に賃金を控除することは禁止されており、労働者に対して有する
債権と労働者の賃金債権とを使用者側が一方的に相殺することは認めないという
ことをいっています。

 

ただ、相殺について例外もあり、【 18−2−B 】にあるように、
「労働者がその自由な意思に基づき当該相殺に同意した場合」には可能となります。

 

ですので、【 18−2−B 】と【 25−7−エ 】は正しいです。

 

そこで、【 26−3−オ 】で、「この限りでない」と相殺が許される記述があります。
【 18−2−B 】の場合とはまったく異なる場合になりますが、この場合は、
相殺は認められません。

 

最高裁判所の判例では、
「労働者の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する債権を
もって相殺することを許されないとの趣旨を包含するものと解するのが相当である。
このことは、その債権が不法行為を原因としたものであっても変りはない」
としています。


つまり、労働者の不法行為を理由とする損害賠償債権との相殺の場合であっても、
使用者による一方的な相殺は賃金全額払の原則に違反することになります。

 

とういうことで、【 26−3−オ 】は誤りです。

 

【 29−6−D 】【 27−4−B 】【 12−4−C 】【 21−選択 】は、異なる判例
からの出題です。

 

これらの判例では、使用者側の一方的な相殺は認めないけど、例外もあるという
ことをいっていて、【 12−4−C 】は正しいですが、
【 29−6−D 】と【 27−4−B 】は誤りです。

 

「過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除
すること」、これは、適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺のことであり、
【 12−4−C 】にあるように、その行使の時期、方法、金額等からみて労働者
の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば全額払の原則に
違反しません。


ですので、
「過払のあった時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期
においてされる」ものであれば、労働基準法24条1項の規定に違反しませんが、
「合理的に接着した時期においてされていなくても」というのでは違反となります。
また、「少額である」ことのみをもって相殺が認められるわけではありません。

 


【 21−選択 】のBには、「経済生活の安定」が入ります。
この言葉は、これらの判例のキーワードといえるでしょう。

 


最近は、択一式、選択式、いずれについても判例が頻出です。
ですので、過去に出題された判例は確実に押さえておきましょう。
1度出題されたもの、繰り返し出題されることが多いですから。

 

 


平成29年−労基法問6−C「端数処理」

今回は、平成29年−労基法問6−C「端数処理」です。

 

 

 

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1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額。)に

100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100

に切り上げて支払う事務処理方法は、労働基準法第24条違反としては取り扱わ

ないこととされている。

 

 

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「端数処理」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 

 

 

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24−1−A 】

 

1カ月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には、控除後の額)に

生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことは、労働基準法

24条違反としては取り扱わないこととされている。

 

 

18−5−A 】

 

1カ月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額)に生じた

千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことは、賃金支払の便宜上

の取扱いと認められるから、労働基準法第24条違反としては取り扱わないことと

されている。

 

 

10−4−C 】

 

1時間当たりの割増賃金の額を法定の割増賃金率に従って計算したときに、1円

未満の端数が生じた場合、当該端数について切り捨てたとしても、労働基準法

違反としては取り扱わないものとされている。

 

 

15−3−B 】

 

1カ月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には、控除した額)に

100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100

に切り上げて支払うことは、労働基準法第24条違反としては取り扱わないことと

されている。

 

 

28−3−C 】

 

1カ月における時間外労働の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30

未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げる事務処理方法は、労働基準法

24条及び第37条違反としては取り扱わないこととされている。

 

 

12−4−D 】

 

割増賃金の計算の便宜上、1カ月における時間外労働、休日労働及び深夜労働の

各時間数の合計に1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数を切り捨て、

それ以上を1時間に切り上げる措置は法違反として取り扱わないこととされている。

 

 

19−3−E 】

 

割増賃金の計算の便宜上、1日における時間外労働、休日労働及び深夜労働の各

時間数に1時間未満の端数がある場合は、1日ごとに、30分未満の端数を切り捨て、

30分以上の端数を1時間に切り上げて計算する措置は、法違反として取り扱わない

こととされている。

 

 

25−3−B 】

 

1日及び1カ月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計

に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を

1時間に切り上げること、1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数

が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること

並びに1カ月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の割増賃金の総額

に1円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円

に切り上げることは、いずれも労働基準法第24条及び第37条違反としては取り

扱わないこととされている。

 

 

☆☆======================================================☆☆

 

 

「賃金全額払の例外」の端数処理に関する問題です。

この端数処理に関する規定は、金額に関するもの、時間に関するもの・・・

といくつかありますが、ぽつぽつと出題されていますね。

 

これら端数処理については、常に労働者の不利となるようなものは認めない

けれど、必ずしもそうではないものは、事務簡素化を図る趣旨から認められて

います。

 

そこで、

 

24−1−A 】と【 18−5−A 】については、かなりの高額を翌月に繰り

越すってものではなく、細かい額、紙幣ではなく、硬貨で払わなければならない額、

これを翌月に支払う程度ですから、労働基準法違反にはなりません。正しいです。

 

10−4−C 】は、常に切り捨てるということなので、労働者に不利になります。

ですから、このような扱いは認められません。誤りです。

ちなみに、50銭未満は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げるという端数処理は、

認められています。

 

15−3−B 】、これは正しいです。

それぞれ四捨五入のような扱いというのは、認められるんですよね。

単に切り捨てるというのはダメです。

29−6−C 】も同じ端数処理に関する内容ですから、正しいです。

 

 

28−3−C 】と【 12−4−D 】も、常に労働者が不利となるものではない

ので、事務簡素化を目的としたものと認められ、法違反として取り扱われません。

ですので、正しいですね。

 

で、【 28−3−C 】と【 12−4−D 】は1カ月分について、端数処理ができる

としています。

これに対して、【 19−3−E 】は1日ごとに端数処理ができるとしています。

25−3−B 】についても、そのような内容が含まれています。

 

この時間の端数処理、1日単位では認められていません。

これを認めると、労働者にとって極端に不利益になることがあります。

たとえば、1カ月の時間外労働の時間数が40時間25分だったら、この25分が切捨て

になりますよね。

これに対して、ある日の労働時間が8時間20分だったとします。

この20分の切捨てを認めてしまうと・・・

もし、21日分なら、合計で7時間です。

これだけの時間を合法的にカットできるなんてことですと、労働者にとっては、

たまったもんじゃありません。

ですから、「1日単位」での端数処理は認められないのです。

 

ということで、【 19−3−E 】と【 25−3−B 】は誤りです。

 

とにかく、単位に注意です。

「1カ月」の時間、金額か、「1時間」の金額か、1円単位か、100円単位か、

1,000円単位か・・・

どの規定も、再び出題される可能性があるので、きちんと確認しておきましょう。

 


平成29年−労基法問5−エ「公民権行使の保障」

今回は、平成29年−労基法問5−エ「公民権行使の保障」です。

 


☆☆======================================================☆☆

 


労働者(従業員)が「公職に就任することが会社業務の逐行を著しく阻害する虞れの
ある場合においても、普通解雇に附するは格別、同条項〔当該会社の就業規則に
おける従業員が会社の承認を得ないで公職に就任したときは懲戒解雇する旨の条項〕
を適用して従業員を懲戒解雇に附することは、許されないものといわなければなら
ない。」とするのが、最高裁判所の判例である。

 


☆☆======================================================☆☆

 


「公民権行使の保障」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


☆☆======================================================☆☆

 


【 23−1−C 】

 

公職の就任を使用者の承認にかからしめ、その承認を得ずして公職に就任した者
を懲戒解雇に付する旨の就業規則条項は、公民権行使の保障を定めた労働基準法
第7条の趣旨に反し、無効のものと解すべきであるとするのが最高裁判所の判例
である。

 


【 16−1−D 】

 

公職に就任することが会社業務の遂行を著しく阻害するおそれのある場合においては、
公職の就任を使用者の承認にかからしめ、その承認を得ずして公職に就任した者を
懲戒解雇に付する旨の就業規則の条項を適用して従業員を懲戒解雇に付することも
許されるとするのが最高裁の判例である。

 


【 9−2−B 】

 

「市議会議員をはじめとする公職に就任しようとするときは、会社の承認を受け
なければならず、これに反して承認を得ずに公職に就任した者は懲戒解雇に付する」
旨の就業規則の規定は、労働基準法第7条の趣旨に反し、無効である。

 


☆☆======================================================☆☆

 


これらは「公民権行使の保障」に関する最高裁判所の判例からの出題です。

労働基準法、選択式も含めて、判例がかなり出題されています。


しかも、1度出題された判例から繰り返し出題されている、っていうものが
いくつもあります。

 

で、この「公民権行使の保障」に関する判例、ご覧のとおり何度も出題されています。
いずれも択一式からの出題ですが。

 

労働基準法7条で、
「使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、
又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んでは
ならない。ただし、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された
時刻を変更することができる」
と規定しています。

 

この規定は、労働時間中の公民権行使及び公の職務の執行を保障したものです。
ですので、公職の就任を使用者の承認によること、すなわち、承認なくして公職に
就任した者を一種の制裁罰である懲戒解雇にするなんていうのは、この規定の趣旨
から考えて、認めるわけにはいきません。

 

ということで、そのような条項は無効となり、その条項を適用して従業員を懲戒解雇
に付することは許されません。

 

【 16−1−D 】は誤りで、そのほかの3問は正しいです。

 

この判例、今後も、繰り返し出題される可能性、高いですから、しっかりと確認
しておきましょう。

 

 

 


平成29年−労基法問2−エ「労働者」

今回は、平成29年−労基法問2−エ「労働者」です。

 


☆☆======================================================☆☆

 


株式会社の取締役であっても業務執行権又は代表権を持たない者は、工場長、
部長等の職にあって賃金を受ける場合には、その限りにおいて労働基準法第9条
に規定する労働者として労働基準法の適用を受ける。

 


☆☆======================================================☆☆

 


「労働者」に関する問題です。

 

次の問題をみてください。

 


☆☆======================================================☆☆

 


【 28−労災1−B 】

 

法人のいわゆる重役で業務執行権又は代表権を持たない者が、工場長、部長の職
にあって賃金を受ける場合は、その限りにおいて労災保険法が適用される。

 


【 19−労基1−B 】

 

労働基準法でいう「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用
される者で賃金を支払われる者をいい、法人のいわゆる重役で業務執行権又は
代表権を持たない者が、工場長、部長の職にあって賃金を受ける場合は、その
限りにおいて同法第9条に規定する労働者である。

 


【 13−労基1−C 】

 

労働基準法でいう「労働者」とは、職業の種類を問わず事業又は事務所に使用
される者で賃金を支払われる者をいい、株式会社の取締役である者は労働者に
該当することはない。

 


【 17−雇保1−A 】

 

株式会社の取締役は、同時に会社の従業員としての身分を有している場合で
あっても、役員報酬を支払われている限り委任関係とみなされ、被保険者と
なることはない。

 


☆☆======================================================☆☆

 


労働基準法の「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業に使用される者で、
賃金を支払われる者です。


で、労災保険は、労働基準法の災害補償を保険制度化したものですから、その
適用を受ける労働者の範囲は、労働基準法と同じです。


つまり、労働基準法の労働者であれば、労災保険法が適用されるということです。

 

そこで、
法人の代表者等で、事業主体との関係において使用従属の関係に立たないものに
ついては、使用されるものではありませんから、労働者とはなりません。
これに対して、重役等で、業務執行権又は代表権を持たず、工場長や部長等の職
にあって賃金を受ける者は、その限りにおいて、労働基準法の「労働者」に該当
します。

 

ですので、【 29−労基2−エ 】【 28−労災1−B 】【 19−労基1−B 】は
正しいです。

 

【 13−労基1−C 】では
「株式会社の取締役である者は労働者に該当することはない」
としています。前述のとおり、労働者に該当することがあるので、誤りです。

 

それと、雇用保険でも、基本的な考え方は同じです。
従業員としての身分を有しており、報酬支払等の面から労働者的性格が強い者
であって、雇用関係があると認められる者は、雇用保険法が適用されます。
つまり、被保険者となります。
ですので、【 17−雇保1−A 】は誤りです。

 

ということで、取締役が労働者として適用されるかどうかという点については、
横断的に押さえておきましょう。

 


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